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何度も読み返したい素敵な文章の数々 vol.4

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#日記

もう一度あなたに勘違いできるだろうか

もう一度あなたに勘違いできるだろうか

恋は勘違いのようなもの。

こんな言葉を耳にしたことがあるのだけれど、一体どこで耳にしたのだったか、そもそも耳にしたのではなく目にしたのだったか、それは定かではない。定かではないのだけれど、確かにその言葉はわたしの中にある。

確かにそうなのだろうなあ、なんて思う。誰かを好きになるきっかけなんて、たいていほんのささいなことで、そこからのめり込むようにして想いを募らせていきました。

ひとりで(あー

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飲みこもうとするそいつに、わたしは全力で抵抗する

飲みこもうとするそいつに、わたしは全力で抵抗する

それはいつでもわたしの周りに漂っていて、気を緩めていると突然ふわりとわたしを包みこむ。

ぞわっとした寒気のような感覚のあと、襲ってくるのは強い吸引力。洞穴から風が吸いこむようにして、わたしのことを引き寄せようとする。

わたしはいつでもその風から逃げ出そうともがいて、必死に抗いつづけている。

……たとえるならば、こんなイメージ。

わたしのメンタルががくりと不安定に傾くときの印象です。

これ

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イライラ撃退法

イライラ撃退法

何となく、周りの人に対してイラついてしまう日、ありませんか?
約束したことをいつまで経ってもやってくれない人があっちにもこっちにもいるぞ、と思ったり、「私のこと軽く見てるよね?」という態度を人からとられてしまったり……。

「やるべきことをやってくれない人」に関しては、催促したらうるさがられるかな?と遠慮するのを止めて、リマインドの回数を増やすぐらいしかできることはないと思います。
こういう時は「

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「特別なじぶん」と「平凡なじぶん」が編みだす世界のひみつ

「特別なじぶん」と「平凡なじぶん」が編みだす世界のひみつ

一見似ても似つかぬふたつの項目を見比べたら、実は根っこの原理は同じだということがある。

2年くらいまえに、「ストレングスファインダー」なる、個人の気質や能力を5つのカテゴリーに分類してくれる、いわゆる性格診断をやったのだけれど、その5つのうち「着想」というタイプが含まれていた。

他の4つは「達成欲」「学習欲」「内省」「収集心」だったが「着想」だけが少し異質で、でも説明を読めばとかくドンピシャだ

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いい文章を書けと神さまが遣わした人

いい文章を書けと神さまが遣わした人

デパートで知らない人に声をかけられた。
アメジストのような色の、おしゃれなコートを羽織ったおばあさん。

「ねえ、申し訳ないのだけれど、もしお時間があればタイツを選んでいただけないかしら。私のために」

私はすこし驚いて、とまどいながら、もちろんですと答えた。向こうの方を見やると、手持ち無沙汰で足を交差させ、たたずんでいる店員さんが見えた。

なぜ私に…?、と一瞬考えたのが透けて見えたのか、おばあ

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給食、体育、図工が好き!な理由

給食、体育、図工が好き!な理由

仕事の関係で「教育」や「学び」について、調べることが多い。
子どもの頃は、勉強って嫌なものの一つでしかなくて、掃除当番くらい嫌だった。逆に給食や体育、図工は大好きで、それっと明確に何に繋がるかが子どもながらに理解していたのかもしれないと思った。

そんな壮大なことではなくて、給食=お腹いっぱいになる、体育=動くの楽しい、図工=なんか作れる。本当それだけのことなのに楽しみで仕方なかった。コツコツと努

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意味をなさない言葉が宙を舞い

意味をなさない言葉が宙を舞い

ノイズキャンセリングの隙間を抜けて風の音がボーボー流れ込んでくる。テクノロジーVSネイチャーの攻防を聞き分ける。ネイチャーの圧倒的勝利。そんな遊びをしてる間に204番のバスが到着する。

足の悪いおじいさんが、ゆっくり乗り込むのを待って温かい車内へ。いつもの通り満席満杯すし詰め状態である。おじいさんは無事に座れたようで何より。

バスの中は老人5割。外人4割。若者1割。
これが修学旅行シーズンとな

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母が加トちゃんだった頃

母が加トちゃんだった頃

大学進学を機に上京すると、郷里の母から三日と空けずに電話がかかってくるようになった。
電話は夕飯どきに来ることが多く、
「ご飯、食べたんか?」
「お風呂は?」
「風邪引いとらん?」
と、毎回ドリフの加トちゃん的チェックを受けなくてはならなかった。
最後は、
「あんたの方からなんか連絡は?」
と聞かれ、
「別に」
と答えると、
「愛想のない子やねえ」
と言われて終了、というのがパターン。

私は大学

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ドラマチックとは何ぞや

「あの名刑事が、完全犯罪の謎に挑む!!」
みたいなドラマとか、
「東京都民全てが人質!! ラスト10分、驚愕のどんでん返しが!!」
なんて感じで宣伝されてる映画とか、「ハラハラドキドキ!」の作品も、もちろんドラマチックだと思います。

でも、「事件だ!」みたいな出来事が起きなくても、ドラマチックな作品、ドラマチックなシーンって、あると思うんですよね。

例えば私の好きな作品で言うと、山田太一さん脚

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小学校的ライフハック

小学校的ライフハック

珍しく土曜の朝に電車に乗ったら、旅支度という感じの人が多い。
そうか、三連休なんですね。

旅行は準備の段階ですでに楽しい。予定を決めず、気の向くまま……というのもカッコいいなと思いつつ、結局は効率良く動きたくてタイムスケジュールを決め、「旅のしおり」みたいなものまで作ってしまう。
この「しおり」を作りたくなる心って、どう考えても小学校の頃にすり込まれてますよね。遠足の始まりは、しおりをもらったと

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ポロリとこぼれ落ちる感じで

ポロリとこぼれ落ちる感じで

受験シーズンになると、たまに思い出すことがある。
昔勤めていた会社でのこと。ある女性が、息子さんの高校受験が終わった時にこう言った。
「うちの息子はね、〇〇高校にいれたの」
そこはいわゆる名門校だったので、「すごいですね!」とその場は盛り上がったんだけど、私は内心、彼女が”いれた”という言葉を使ったことに引っかかっていた。

「息子が〇〇高校に”はいった”」
のでもなく、
「息子を〇〇高校に”はい

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ゆっくり休んで

ゆっくり休んで

平昌オリンピックが盛り上がって、連日日本のメダル獲得の歓喜がテレビで流れてきてけっこう興奮しています。

フィギュアスケートも金メダル銀メダルを日本が獲得して、ほんとうに嬉しくて誇らしい気持ちにさせてくれた。

今回のフィギュアスケート男子決勝のフリー演技は時間的にちょうどリアルタイムで見ることができたが、身体が震えた。
鳥肌が立ちすぎて寒いくらいだった。(実際に部屋もキンキンに冷えていた)

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型を続ける

型を続ける

最近はマルチになんでも活躍する人が珍しくない時代になってきた。
流行りの言葉で言えば「多動力」を如何なく発揮して、一つのことだけでなく各方面で自分の能力を発揮して、枝のように四方に才能を伸ばしていくような人がどんどん増えていっている。

今は「掛け算の時代」とはよく言われる。
一つのことをできる能力が100ある人より、50の能力を業界を超えて2つ持っていたほうが、その掛け合わせで他の人にはない

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美味しかった幸せは、また思い出したい

美味しかった幸せは、また思い出したい

目の前に出された料理を口に運ぶ。味わう。もちろん、感想は「美味しい」だ。思わず笑みがこぼれる。「これ美味しいね」と伝える。相手も「美味しいね」と言う。

ただ、後日、自分が思い出せることは「一緒に食べたという事実」と「食べた料理が美味しかったという事実」の2つだけ。それが最近、ものすごくもったいないなと思うのだ。

・・・

何かを食べたとき、「美味しい」と感じる以外にもたくさんの情報を得ていると

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