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「ISHI」インタビューその3 監督 山田雅史

*11月某日、2020年12月配信の映画「ISHI」(監督 山田雅史)の出演者と監督が撮影以来久しぶりに集まりました。その際に収録した出演者と監督へのインタビューを文字起こしした記事になります。作品の核心に触れるかもしれないと判断した部分は伏せ字にしてありますが、それ以外の部分は制作側の判断をもとに掲載しております。

*各出演者と監督へのインタビューにはなりますが、インタビュー会場に全員が集合した状態で収録している都合上、話があちこちに脱線し、半ば座談会のような様相もあります。その和やかな雰囲気をそのまま楽しんでいただきたいと思い可能な限り忠実に文字起こししました。そのためインタビューされた本人以外も話している箇所があります。そのことを踏まえたうえでお楽しみください。

参加者:

たかはしさら(「ISHI」美紗役)https://twitter.com/takasara_23

串谷ミキヲ(「ISHI」雅彦役)https://twitter.com/gushitani

聞き手:

信國輝彦(「ISHI」企画・脚本・制作・出演)https://twitter.com/freeway_of_life

カメラマン:

吉田電話 https://twitter.com/y_telephone

(聞き手の発話はカギカッコなし、出演者の発話はカギカッコあり、誰が話したかの表記は判りにくい部分のみ記載し、他は記載なしカギカッコのみで記載しております)

聞き手 ~はい。それでは最後のインタビューは山田監督ですね、始めてゆきたいと思います。宜しくお願いします

山田「お願いします」

~まずは自己紹介からお願いいたします

「本作の監督を務めました山田です。宜しくお願いします」

山田雅史 1976年生まれ 京都府出身

京都高等工芸専門学校(現・京都芸術高等学校)にて絵画、デザインを学び卒業後、ビジュアルアーツ専門学校大阪へ入学。映画製作を始める。在学中は主に短編を製作。卒業後、自主製作の初の長編『RIDDLE』が大阪でレイト上映される。続く長編『つぶろの殻』が「第26回ぴあフィルムフェスティバル」にて観客賞を受賞。その後、バンクーバー国際映画祭、釜山国際映画祭、サラエヴォ映画祭等数多くの映画祭にて上映され絵画的映像センスとシュールで独創的な世界観が高い評価を受ける。


主な監督作品として、
『RIDDLE』
『つぶろの殻』
『堤防は洪水を待っている』
『ひとりかくれんぼ 劇場版』
『ひとりかくれんぼ 新劇場版』
『天使突抜六丁目』
『浮遊胎児』
『×ゲーム2』
『トイレの花子さん 新劇場版』
『コープスパーティー』
『コープスパーティー Book of Shadows』
『黒看』
『エリマキ男とボク少女』(東映HKT48×48人の映画監督)
ドラマ ほぼ日の怪談。『せまいシングルルーム』
黒羽麻璃央出演 オンライン朗読劇「たもつん」演出
『伊藤健太郎のオールナイトニッポン0(ZERO)オンライン』朗読劇「虹男(にじおとこ)」演出 など

~いま、このインタビューを収録している場所は神田の高架画廊というギャラリーのすぐ近くになります。11/28~29の二日間、「揚げ物と女写真展」という写真展が開催されておりまして(12/18現在写真展は既に終了)、山田さんはその脚本を手掛けた、とのことですが?

「そうですね。写真展なんですけど僕が3つの脚本を書いて、それを1人の役者が演じ3人のカメラマンが撮影するという、そういう企画の写真展ですね」

~脚本を書いて、それを役者が演じるのは普通なのですが映画ではなく写真展にして、というのは珍しい形式だと思います。

「今年はコロナの影響もあり、なかなか映画を創ったりだとか企画などを進めることも難しい時期が続いて、そういう中でも映像ではなく写真というかたちで役者にも活動の場になれば、という想いで企画しました」

~はい。有難うございます。では、最初の質問に入ります

~今回の映画「ISHI」を監督することになった経緯を簡単に教えて頂けますか

「はい。これは『ほぼ日の怪談。』というドラマを今年撮ったんですけど、(編集後記:山田監督が手掛けたのは第一夜『せまいシングルルーム』というエピソードです。DVD発売中)それで信國さんに久々にご出演いただきまして。それはもう何年振りかというくらいにですけど。その作品はオムニバスなんで1日だけの短い撮影だったんですけど、その日の撮影がきっかけでまた何か一緒にやりましょうという話を後日頂きました。信國さんのほうで創りたい短篇のプロットというかストーリーがあるということなのでそれを僕がもらって自分なりにアレンジというか二人で色々やり取りしながら撮ったのが『ISHI』という作品です」

~続きまして、

~今回の作品は2011年に製作なさった『浮遊胎児』以来、久しぶりの自主映画作品になりますね。山田監督は普段はホラー映画、例えば『コープスパーティー』や先ほど仰っていた『せまいシングルルーム』などさまざまなホラージャンルの作品を手掛けていらっしゃいますが、そういったホラー作品を演出なさる際と、今回のような自主映画作品を演出なさる際とで、何かご自身の中で明確に分けていたり変えている点はありますか?

「・・・何でしょう。特に(変えてるとか)は無いですね。まあ、例えば商業映画だったりとかドラマだったりすると割とその『判りやすさ』みたいなものが求められるんで、最初のプロットの段階で割と判りやすいストーリーに向けてみたりとか、あとはエンターテインメント性が求められたりするのでそういう要素を自分で入れることは多いですけど、今回のような自主制作映画のようなかたちですと割と自分は最初に出てきたイメージというか『映像』『画』があってそれを、こう、並べるという作業が割と多いですね。そこから何か変に作りこんだりとかはあまりやらずに出てきたものをそのままに、『何が出て来るのかな?』という感じで。それは自主制作を始めた20代の時もそういうスタンスでやってきたので、物語というよりかは自分のイメージを映像にする、というのを今回の『ISHI』でも久々にやらせていただいた、という感じですね」

~『イメージの連続を繋げてみた時に何が起こるんだろう?』という作り方、という解釈でよろしいでしょうか?

「簡単に言うと実験的というか、自分の中で何かひとつの到着点みたいなものは何となくはあるんですけど、別にそこに結果的に行かなくても何かひとつのかたちになればそれはそれで面白い、のような、割と自由に考えてます。現場で役者さんにもあまり演出をガッチリつけるのではなくて、ここからここまで歩くとして、その中で何かやってほしいな・・・みたいな、そのへんをその時その時で起きたことをそのまま撮る、っていうのを今回もやったという感じですかね」

~・・・はい。次の質問です

~ネタバレにならない程度で今回の撮影現場の印象や裏話、印象に残った出来事などを教えて頂けますか

「そうですね。・・・先ほども(出演者の方のインタビューでも)お話があったように、確か(撮影時期が)9月下旬頃でしたよね」

~そうですね

「もうビックリするくらいキャンプ場に行楽客が多くて。あれはもう大誤算で」

~一同(笑)

「もっとあのー、すごい引きの画を撮る予定が、テントだらけで、川のすみっこのすみっこのすみっこで撮らなきゃいけなくなった。『切り返しの画が撮れないな!』となって。・・・ちょっとあれは大誤算でした」

~(苦笑い)

「で、撮影現場までの往路も大渋滞で、あれも大誤算でしたね。着いたらほぼ夕方、昼間のシーン撮れない、って」

~あの、タイムテーブルが(苦笑い)

「もうスケジュールが、だだ崩れ」

~一同(笑)

「だからあの、最初に撮るはずの〇〇〇〇〇〇シーンとか『日が暮れますけど、どうします?』と。・・・まあそういうのもありきで」

~色んなアクシデントを乗り越えて撮影は進む、ということですね。・・・あの、企画の当初はキャンプ場で他にも行楽客がいる中でひっそりと自分たちだけの『儀式』を行なっている家族、という風に私は(企画書には)書きました。他のお客様が映ったとしても多少は良いかな、ぐらいの気持ちでいました。ですがやはり映画という世界観、『ISHI』という世界観を提示するにあたって『映り込み』は確かに気になります。カメラを切り返したときには先ほど映り込んでいたキャンプ客は映ってくれないことが多いので外さなきゃいけない。カメラの画角から切らなきゃいけない

「そうですね」

~そういう難しさはありますね。映り込んだキャンプ客はお金を出して呼んだエキストラさんじゃない、という

「信國さんは最初の頃から割と『他の人が映ってるなかで(儀式を)やっていても良いと思います』と言ってましたけど僕の中では、何でしょう、単純に出演してる3人だけにしたい、というか」

~うんうん(頷く)

「色んな要素を入れたくないなというのがあったので。けっこうシンプルな物語の中で3人が喋ってるというイメージが最初の頃からあったのであまりキャンプ場でガヤガヤやってる感じは避けようかなと思ってたのに大誤算」

~一同(笑)

「すごい騒がしいし。『静かにして』とは言えないし」

~言えないですね

「もうキャンプ場に来た方々はみんな羽目を外すぞー!ていうようなすごいテンションで来てますから。うるさくてうるさくて」

~すごかったですね

「編集で、出来るだけ静かな状況音に差替えたりとか、色々、まさに今(編集を)やってる最中ですね」

~次の質問です

~お答えできる範囲内で結構なのですが、過去にご実家にいらした際や、現在住まわれているご家庭内においてちょっと変わった決まりごと、ルールのようなものがあれば教えてください

「このあとの質問の答えにも少し重なってくるんですけど、ひとつあるのは、僕、子ども二人いて、例えば明日(子どもの)サッカーの試合があるとか、明日に大事な打ち合わせがある、みたいな時は前の日に『カツ』を食べる」

たかはし・串谷「(笑)」

~トンカツ?

山田「カツ。トンカツとか。こないだサッカーの試合があった時は前の夜にカツカレー食ってました。家族みんなで」

たかはし「わー(感嘆)」

串谷「勝負メシですね」

~勝負メシですね。

山田「で、そういうのを考えると、僕自身も、どこかで今日大事な打ち合わせがあるという時は行く前にトンカツとかカツカレーとか食べて、『よっしゃ!』という気持ちになって、行く」

~ちなみにさっきの(たかはしさんの)話の流れで聞くんですけど、

串谷「(笑)」

~ひとくちめは、ソース付けますか?

山田「これはちょっと本当申し訳なくて、言いにくいんですけど、恥ずかしいんですけど、ソース、どばっとかけます」

~一同(笑)

串谷「僕も同じです」

山田「もうどばっとかけて。もう素材の味とかいらない」

たかはし「(笑)」

山田「もうソースの味で良い」

たかはし「(笑)」

~何ソースですか?

串谷「何ソース?」

山田「その店とか、そこに置いてあるソースで」

~あの、関西と関東でソースの違いってあるじゃないですか。どろソース?

串谷「どろどろしたのと、サラサラしたのと」

~そうそう

山田「どろっとしたやつですね」

~あーそうなんですね

「どろっとしたのをもう、これでもかという感じで真っ黒な状態で食べて、そうじゃないと物足りない」

串谷「信國さんは中濃ソースってことですか。サラサラしたのは」

山田「ウスターとか」

~ウスターとか、なのかな。で、カツじゃないですけど焼きそばはオタフクのお好みソースなんですよ広島なんで

串谷「名古屋は味噌をかけますね。『つけてみそ』を」

たかはし「へー」

~え?え?え?

串谷「『つけてみそかけてみそ』という商品があってそれを使ってます」

山田「それはカツ以外にも何かにかけたりするんですか?」

串谷「カツ以外にもおでんとか」

~おでんにソース?

山田「味噌田楽みたいな」

~ああ。ソースじゃなくて味噌のような感じなんですね

たかはし「へえ・・・」

~これね・・・映画のインタビューなのに・・・延々と

串谷「(笑)」

~これも忠実に文字起こししますからね

山田「あの、さっき、パンツの話」

串谷「はい」

山田「聞いてて『あっ・・』と思ったのはうちも、うちのカミさんが、結婚する前の同棲してる時にもう当たり前のように、1月1日はまっさらの赤いパンツを家族みんなで履く、という」

串谷「(笑)」

山田「何も僕に言わずに『赤いパンツ買っといたから』って。何それ!?みたいな」

串谷「履かされるんスか?」

山田「『え?それは何?』『え?履くでしょ?1月1日は』」

~一同(笑)

山田「『いや、1月1日に(赤いパンツは)履かないけど』『えっ!!履くでしょ、みんな!!』それからは1月1日はまっさらのパンツを買って。赤いパンツを」

~これ大丈夫ですか、奥様の話もまとめて文字起こししても・・・

山田「いいんじゃないですか」

串谷「今も、ですか?」

山田「で、さすがに今は『赤はやめてくれ』と」

串谷「(笑)」

山田「新しいパンツをおろすのは良いけど。1月1日にユニクロに買いに行くときもあるしその前の日に買ったりもして、子どもたちも年が明けたら一緒に新しいパンツを履く」

串谷「勝負下着」

山田「その(串谷さんの)パンツの話聞いて、あ、うちもパンツ買うって思い出して」

~このインタビュー、ちゃんと文字起こしして『たかはしさん』→『串谷さん』→『山田監督』の順番に読むとひとつの繋がりが見えてくるということになりますね

一同「(笑)」

~ここのパンツの話も(串谷さんの)前フリがあるからちゃんと文字起こししなくちゃいけなくなったんですよ!

一同((笑))

山田「パンツパスあったから」

串谷「パンツパス出せました(笑)。嬉しい(笑)」

~別にそれでシュート決めなくても良いんですけど

一同「(笑)」

カメラマン吉田「○○さん(芸能人)も赤いパンツ」

山田「何か言ってましたよね」

吉田「はい」

串谷「常に、ってことですか」

吉田「いや何だったかな、何かの時は履く、的な」

山田「勝負パンツ」

吉田「勝負パンツ」

~えー次の質問(『先ほどの質問とは逆に、自分自身で決めたジンクス、いわゆる「自分ルール」といったものはありますか?簡単な、けれどなるべく自分の中で守っているものがあれば教えてください』)に対する答えも言って頂いたという感じなので、その次の質問に進みます。

~まだ公開前のインタビューですのでネタバレしない程度にお答え頂きたいのですが、今回の企画は(インタビュアーでもある)私から山田監督にお声がけした形となります。私としても山田監督や今作品の撮影監督である笠真吾さんとは遡れば2004年11月に撮影した第1回CO2助成作品『堤防は洪水を待っている』(編集後記:山田監督プロフィール欄にあるように映画祭での上映は2005年、劇場未公開作品)からのご縁ということで、こうして再びご一緒出来たことは非常に嬉しい気持ちがあります。今回の企画に於いては私、信國が書いた準備稿に対して山田監督が改稿しそして撮影に至ったわけですが、お聞きしたい点が2点あります。

~準備稿である『俳優が書いた脚本』に対してどのような視点、演出を以って撮影稿に変化させていったのか。もうひとつは俳優が考えた『脚本にない言葉』いわゆる即興的なアドリブのような演技に対して山田監督はどのようにジャッジなさっているかを教えて頂けますか?

「・・・難しい質問ですね」

~先ほど串谷さんのインタビュー内において、〇〇〇のシーンをエチュード(即興的な演技のやり取り、の意味)で練習したという

「ああ、やりましたね」

~ひとつめの質問としては、なかなか『俳優が考えた脚本』てやっぱり監督さんや脚本家さんが書かれた脚本とはちょっと違っていると思うんですよ

「割と一番最初に頂いたものが脚本、って感じじゃなかったですもんね。『やりたいこと』とか『キーワード』とかを」

~箇条書きからスタートしましたよね

「っていうのがあったんで、何でしょう、逆にやりやすかったかもしれませんね。ガッチリ脚本送られてくるとどうしよう・・・となっちゃうんですけど何かこういうことやりたいんだな、信國さんが『(表現したい)イメージ』としてあるものだけが書かれていたので、あとはそれを脚本のかたちにしていって『儀式』『家族』『3匹の猿(見ざる)(聞かざる)(言わざる)』というキーワードもあったので割と日本的な世界観なのかなと思って、ホラーじゃないんですけど『不気味さ』が漂うものにしようと考えながら、役者への動きだったりとかしぐさだったりとか、短い尺の中でどのように不気味さを演出しようか、などを調整していった感じですね」

~もうひとつが即興的な芝居、こういうことを言ってほしいという事以外で役者が出してきた即興的なアドリブに対して山田監督としてはけっこうOKな感じなのか、いやセリフ通り喋ってくれ、という感じなのか・・・

「・・・その時々に因りますね。でもまあ今回の作品でいうと〇〇〇のシーンはもうそういう風にしようと決めてたところがあったので、そういう場合は割と全然(OK)。こういう人なんですよ、こう思ってるんですよ、ぐらいを決めて、その中で自由にやってもらった方が面白いかなと思って今回は演出しました。それで○○○のシーンを前日の夜にエチュードした中で、例えば信國さんの、あれ、〇〇〇と〇〇〇〇を〇〇〇ていうのが何というか面白かったんで『あれは活かしで、やってください』と現場では伝えましたね」

~演技している本人の中ではそんなに意識してやってた部分ではないんですよね。そこを拾ってくださったというか

「まあちょっと困った感じの状態が面白かったんですよね。ちょっと○○○○○○○、そして、○○○」

~一同(笑)

「それはやってもらおうと。シーンの入りだけ確か脚本に書かれた部分に沿って、あとは自由に。最終的には〇〇〇〇かけて〇〇〇〇というケツは決めたので、そこにだいたい尺的に1分弱?くらいで向かうように」

~前日夜に練習したのもあったんですけどお互いに無理をしていない感じがありましたね。(串谷さんに)お笑いをやってらっしゃるのでそういう部分もあると思うんですけど、その場の空気を読むというか、ここは喋る、ここは聞く側に回るという感じ取り方が

串谷「そうですね。前夜に練習した時よりも撮影時はほとんど喋らなかったな、という感じでした。ちょっと後悔してます。」

山田「(笑)」

串谷「エチュードって喋れば喋るほど、喋れるじゃないですか」

~喋ったもん勝ちみたいな

串谷「そう」

吉田・たかはし「(笑)」

串谷「エチュードで組み立ててゆく舞台に出演していたから判るんです。躍動すればするほどある意味出番が増える。でも今回の役(雅彦役)はそうじゃないな、と。(信國とたかはしさんが演じた)親子の線が一本太くあるから・・・って思ったらあんまり喋れなかったですね。撮影終わりの帰りにちょっと後悔してましたね。まあでも自然とそうなったからしょうがないのかなって」

~そうそう、自然とそうなった

串谷「その空気がそうさせた、みたいな。ちょっと合いの手くらいになっちゃっていたと思います」

山田「何テイクか回しましたね。(撮影)場所も変えたりして」

たかはし「陽の当たり方が」

~あれは(笑)、うん(頷く)

串谷「そういう役だったのかなって思いながら、いや、もっといくべきだったのかな・・・って帰りの車の中で悩んでました」

山田「あの、出る側としては、ということ?」

串谷「出る側としては。でも『受け』に回っちゃったな、と」

~(たかはしさんに)どうでしたか?

たかはし「え~・・・そうですね、何回もやっちゃうとセリフっぽくなっちゃうから難しいなとは思いますけどね」

串谷「ですね。(何度も繰り返すと相手の言葉を)待っちゃいますよね。この人だいたいこういうこと言うんだな、って予定調和で決まってきますから」

たかはし「そうですね。・・・一番最初が一番良かったりしますからね(笑)」

串谷「そうっすね」

たかはし「完成品観たいですね(笑)」

串谷「観たいですね(笑)。どういうかたちで切り取られているのか観てみたい」

山田「何テイクか撮って、それぞれがちょっと違ってて面白かったですね。突然〇〇〇〇〇〇〇〇〇(笑)」

たかはし「(笑)」

山田「まあそういう作品でも良いかなと、思いましたね」

~有難うございます。

~最後になりますが、現在作品は楽曲制作や字幕制作、編集の真っ最中だと思います。12月下旬公開を心待ちにしている皆さまに向けたメッセージをお願いします

「そうですね。短い、出演者の少ないちょっと風変わりな作品なんですけどその中にてるてる坊主とか、石だったりとか、家族、〇〇のための儀式だったりとか、割と作品の中に日本的な要素が入ってますので、字幕も入れますので日本だけではなく海外の方々にも日本のちょっと変わった儀式、家族のかたち、というものを観てもらえると良いかなと思ってます」

~(頷く)

「ちょっと、ホラーじゃないけどちょっと不気味な風変わりな作品になっているので楽しみにしていただけたらと思います!」

~有難うございます。字幕に関しては私の知り合いにお願いしているんですけど、てるてる坊主っていう文化も日本独自の、まあ海外でもドリームキャッチャーなどはあると思うんですけど、雨を避けるために人形を吊るという文化は日本だけらしいです

山田「じゃあ、あれですか字幕でもあそこは『TERUTERU=BOZU』みたいに」

~いや、何だったかはちょっと思い出せないんですけど、その、日本的な文化というのはてるてる坊主もそうですし、『見ざる』『聞かざる』『言わざる』も日本的な要素だと思います。そして、今回の作品では、『見ないようにしている』『聞かないようにしている』『言わないようにしている』という現代の日本人に当てはまるようなキーワードにしました。現代の日本人は『言わない』のではなく『言わないようにしている』、自分の意志で押さえ込んでいる感覚を描けないだろうか、と思ったんです。日本だけではなく海外の方にも伝わって欲しいと思います。はい。インタビューはこれにて終了したいと思います。山田監督、本日は有難うございました!

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