見出し画像

忍殺SSシナリオVol.2【密輸船防衛】

この記事は、ダイハードテイルズから配信されている「ニンジャスレイヤーTRPG」用のシナリオです。付属するスプレッドシートなどはTRPGのプレイング・マスタリング、あるいはリプレイ記事の制作に使用する限り複製や改変を許可します。また、この記事自体はシナリオ内容に関するネタバレ(NMが改変しないのであれば)を大量に含むので、これからプレイヤーとして挑むという方は閲覧を推奨しません。

1.シナリオ概要

ネオサイタマ沿岸の警備体勢が、突然強化された。湾岸警備隊による苛烈な取り締まりによって、ソウカイヤのシノギである違法カニキャッチ漁船や、薬物運搬船などが次々と貨物を押収されていく。…そして、狙いをつけられたのはキョートからミヤモト・マサシ由来の美術品を運ぶ秘密輸送船!
シナリオ名:【密輸船防衛】
人数:2-4人
難易度:「成長の壁(1)」を越えた能力のあるニンジャ。
参加条件:ソウカイヤ、あるいはフリーランス。
所要時間:2-3時間程(Discord+Google スプレッドシート)

このシナリオは、前回と違ってやや成長したニンジャ向けのシナリオとなっている。PC達の能力によってはかなり難易度の高いシナリオとなるため、注意する事。(特に、平均が25に達していない場合は危険だ)

2.ダンゴウ

一面に広がる青い空。白い雲。…吹き付けるぬるい潮風と、黒く淀んだ海。ぎらつく太陽。…君達が今居るのは、灰色のメガロシティ、ネオサイタマではない。そこから南西に数百キロ離れた洋上の小型船だ。脳裏に浮かぶのは、トコロザワ・ピラーで君達にこの任務を告げたソニックブームの顔。『…テメェら海は好きか?…好きだろ?』
この船はキョートからラオモト=サンに献上するためにミヤモト・マサシゆかりの美術品を密輸しており、これがもし湾岸警備隊に接収されるようなことがあれば、ラオモト=サンは多大なストレスと面倒を被ることになるだろう。…突如強化された湾岸警備隊の警備も疑問だが、今はそれを気にする余裕はない。とりあえず、任務を共にする者たちにアイサツするとしよう。

各自がアイサツと、少しの雑談を終わらせたら、次の描写に移る。

『…ドーモ、ソニックブームです。聞こえてるか、テメェら?』船の中央に備え付けられた大型アンテナ付きUNIXから、音声が流れる。君達は、それを囲んでトコロザワ・ピラーと連絡を取っていた。
『ヨシ、とりあえず通信環境もテメェらの船酔いも無事なようだな』ソニックブームのうなずく声。『まぁ無事じゃなかろうと予定は進むわけだが。…今からミッションの説明をする。耳かっぽじって聞いておけよ』

「PC提示用」タブのスプレッドシートを提示し、ルールの説明を始めること。RPの体をとってもいいし、箇条書きをそのまま出しても良い。また、ソニックブームは「アマクダリ・セクト」についての情報は持っていない。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1KFXKZoBZ-4-YIruZNRY2Lhq-p3O6sQaC8XnKHhg5RqM/edit?usp=sharing

◉湾岸警備隊が警備体制を強化している。警備海域を突っ切って、ネオサイタマに美術品を無事に届けなくてはならない。湾岸警備隊の襲撃者を撃退し、船が海域を抜けるまで防衛せよ。
◉船は毎ターンの終了時に距離2を進む。合計で10距離進めば、警備海域を抜けた事になる。
◉時間がかかりすぎれば、大量の応援が駆けつけてどうしようもなくなるだろう。また、船が破壊されれば当然そこまでだ。(6ターン目の終了時か、船体の破壊でミッション失敗)

◉湾岸警備隊が突然警備を強化した理由は不明。最近、オナタカミと組んでなんか変な事をしてるって話だが。
◉湾岸警備隊は、かなりの数のニンジャを擁している。襲撃者がニンジャである確率は高いだろう。
◆特殊ルール◆
海:海上は移動・停止不可。もし吹き飛ばしなどの効果で海上に落ちた場合、即座に【カラテ】か【ワザマエ】でUH2難易度の判定を行う。失敗した場合は【体力】と【精神力】が2減少した状態で、成功した場合は「回避ダイスダメージ4」を受けて、最も近い船上のマスに復帰する。
制御UNIX:水色マスの制御ルームも初期配置として扱う。制御ルームにいるキャラクターは、手番の開始時に【ニューロン】判定Hを行える。成功した場合、そのターンに進む距離を「3」か「1」にする事ができる。
「絶対に制御UNIXから目を離すなよ。…敵さんも集中攻撃してくるだろう。誰が護りにつくかはしっかり考えな」
船体:
船上で「爆発」が起こった場合、即座に1d6のダメージが船体に与えられる。【体力】は20で、0になった場合即座にミッションは失敗となる。PC達は海に落ちた場合の判定を行った上で生き残れば、無事帰還可能。
また、船上にいるキャラクターは、自身の手番で攻撃する代わりに「応急修理」を行える。【ワザマエ】Hの判定を行い、成功数分の体力を回復する(6は2個扱い)

PC達に説明が終わったら、初期配置位置を設定し、以下の文章でダンゴウを締めくくる。

『…大体こんなところか。警備海域を抜けるまで通信は厳禁だ』通信にノイズが混ざっていく。『失敗するんじゃねぇぞ』そして、途切れた。

3,シナリオ本編

…作戦を整え、君達は湾岸警備隊の警備区画へ侵入する。…通信は封鎖だ。静かな海と、睨み合うように時間が過ぎていく。しかし、その静寂は長くは続かなかった。水平線の向こう側から、けたたましいサイレンを流しながら、突っ込んでくる軍用小型船艇!
『こちら湾岸警備隊!こちら湾岸警備隊!即刻停止せよ!』
『イヤーッ!』2つの影が小型船艇から飛び出す!「ドーモ、アイアンサイトです」二丁拳銃を構えた小柄な男がアイサツ!「ドーモ、ヘヴィファイアです」マシンガンを担いだ大柄な男がアイサツ!二人は輸送船の甲板上に着地すると、タタミ4枚の距離で君達と向かい合った!

ニンジャ二人のデータを開示し、戦闘を開始する。ニンジャ達のデータについては、こちらのテッポウ・ニンジャクランの記事も参考のこと。

配置位置は、スプレッドシートのNM用マップに記されている。

◆アイサンサイト(種別:ニンジャ)
カラテ   7  体力   7
ニューロン 4   精神力 4
ワザマエ  6   脚力  5
ジツ 4(テッポウ・ニンジャクラン)
近接攻撃ダイス:9
遠隔攻撃ダイス:13 
回避ダイス:11
電子戦ダイス:7

まとめ:射撃反動カラテで時間差1×3射撃(HARD)→近接3連(HARD)、あるいはセイケンヅキ射撃2連攻撃

スキル:「連続攻撃2」「●タクティカル移動射撃」「●タツジン(ピストルカラテ)」「●カラテ銃器生成」
装 備:「カラテ生成銃×2」:「遠隔武器」「二丁拳銃」「ダメージ1」「連射3」「時間差」「マルチターゲット」
「▶生体LAN端子」「▶▶テッコ+」「サイバーサングラス」
◆ヘヴィファイア(種別:ニンジャ)
カラテ   8  体力   11
ニューロン 6   精神力 7 
ワザマエ  5    脚力 4
ジツ 3(テッポウ・ニンジャクラン)
近接攻撃ダイス:8 
遠隔攻撃ダイス:11 
回避ダイス:9
電子戦ダイス:9

まとめ:重火器弾幕5×5爆発(集中難易度E)とグレネードorカラテの繰り返し

スキル:「●トリガーハッピー」「●タツジン(ミリタリー)」「●ガンスタイル(ヘビーアームズ)」
装 備:「オムラ・ヘヴィマシンガン」:「遠隔武器」「重火器」「連射3」「ダメージ2」「範囲射撃3×3」
    「強化グレネード」:「遠隔武器」「手榴弾」「爆発3×3」「カトンLV2」
    「▶生体LAN端子」「▶▶強化骨格」「▷第二の心臓」「サイバーサングラス」「湾岸警備隊グレネードホルダー」

『戦闘スタイル:弾幕掃射』:しっかりと重火器を固定し、猛烈な弾幕を浴びせかける射撃スタイル。
「攻撃集中」を選択した時のみ宣言可能。その攻撃では「連射」が一切不可能になるが、
攻撃範囲が「爆発5×5」「基本回避難易度:HARD」となり、「回避ダイスダメージ2」を追加する。
この戦闘オプションを使用した場合、使用者が次のターンで得られる回避ダイスは−3個される。

『戦闘スタイル:断続的装填射撃』:射撃速度を調整し、絶え間ない攻撃を可能にする射撃スタイル。
射撃難易度HARD。「連射-1」となるが、次のターンも同じ「重火器」で攻撃を行う事ができるようになる。
◆基本戦闘方針
基本的に湾岸警備隊のメンバーは、「司令UNIXルーム」に居るキャラを狙って攻撃してくる。もしルームが空であれば、そこに入り込み、自身の手番で船を減速させることを狙う。ヘヴィファイアの弾幕掃射で回避ダイスがかなり減った場合、アイアンサイトは「セイケンヅキ射撃」で吹き飛ばしを狙うのもありだ。司令室を狙うのが不可な場合、「爆発」を発生させる攻撃があれば先に使用する。これによって船体の破壊を狙ってくるだろう。

◆戦闘中に起こりうるイベント

◉湾岸警備隊員の突入:2ターン目の開始時、NM用マップで指定された「湾」のマークに、「湾岸警備隊員」が出現する。人数は、基本的に「PCの数」とするのがいいだろう。そのターンで手番が回れば、グレネードを投擲して船体の破壊を狙う。それ以降は、回避ダイスが最も減っているPCを集中射撃する。

「アサルト!」「アサルト!ムーブ!」「ムーブ!」アイアンサイトとヘヴィファイアが乗ってきた船から、次々とワイヤーが射出!ボディアーマーに身を包んだ湾岸警備隊員が次々と乗り込んで来る!
◆湾岸警備隊隊員(種別:モータル)
カラテ    2  体力    2
ニューロン 2   精神力 2
ワザマエ  3   脚力   2
近接攻撃ダイス:3 
遠隔攻撃ダイス:5 
回避ダイス:0
電子戦ダイス:3
装 備:「アサルトライフル」:「遠隔武器」「小銃」「連射2」「ダメージ1」
       「グレネード」:「遠隔武器」「手榴弾」「爆発3×3」「ダメージ1」
    「サイバーサングラス」

◉ソリティアの射撃:3ターン目から、毎ターンの開始時にランダムにPC1人を狙ってユミによる狙撃が飛んでくる。これは水平線の向こうに陣取った船から、シャーテック出身のニンジャ…ソリティアが狙撃を行っているのだ。(PC達の能力値が不足していると感じているなら、NMはこれを無いことにしても良い。逆に、難易度が不足しているならば、「ターン終了時」の射撃にすると良いだろう)

『大弓狙撃』:「遠隔武器」「ユミ」「連射2」「時間差」「ダメージ3」「回避難易度:HARD」
その時!君達は水平線の向こう側から、冷たい殺意を感じた。…そして飛来するのは、長槍程もある大型の矢!一本の矢が甲板に突き刺さる。矢羽に巻きつけられたワ・シには「ソリティア」のショドー!アイサツだとでもいうのか!

◉ファイアブランドの乱入:船が進んだ距離が8になるか、アイアンサイトとヘヴィファイアのどちらかが爆発四散した次のターンの開始時、甲板端の任意の一マスを指定し、ファイアブランドが出現する。
ファイアブランドはソウカイ・シックスゲイツにも勝るとも劣らない能力を持つ強力なニンジャだ。基本的にPC達が倒せる相手ではない。どうにかして耐え忍び、船を距離10まで進行させるように示唆すること。

水平線の彼方から、流星めいて飛来する影あり!携帯型ロケットパックを背負い、飛び来たる装甲装束のニンジャ!陽光を受けて煌めくその背中には…「トクシュブタイ」のカンジ!「ドーモ、ファイアブランドです!」
◆ファイアブランド(種別:ニンジャ)
カラテ    12 体力  14
ニューロン 10  精神力 13 
ワザマエ  12  脚力 8
ジツ 0(ノーカラテ・ノーニンジャ!)
近接攻撃ダイス:15 
遠隔攻撃ダイス:16(スリケン時15) 
回避ダイス:16
電子戦ダイス:10
まとめ:スラッグorスリケン→素手近接3連→当たるとガングローブ
スキル:「連続攻撃3」「連射2」「時間差」「マルチターゲット」「疾駆」
「◉ツジギリ」「◉タクティカル移動射撃」「◉キリングマシーン」
「◉タツジン(ミリタリック・カラテ)」:ボックスカラテに等しい。ただし連打はない。
「◉タツジン(ミリタリー)」「◉マーク・オブ・コーストガード」「◉乗り手(ミリタリー)」
装 備:「多機能アサルト装束」:【体力】【精神力】+2、【脚力】+1、
                「近接ダイス」「遠隔ダイス」「回避ダイス」+3
    「ガングローブ」:「遠隔武器」「拳銃」「素手攻撃命中時、追加射撃可」
             「ターン1回」「ダメージ2」「弾き飛ばし」
    「スラッグガン」:「遠隔武器」「小銃」「背面式(側転後射撃ペナなし)」
                     「爆発3×3」「ダメージ3」「射程5マス」

◉シナリオの終了:ターン終了時の移動で、距離10に達した場合即座にミッション成功としてシナリオ終了となる。

君達は、湾岸警備隊の警備海域を突破した!ネオサイタマの方面からは、ソウカイヤのものと思わしき装甲船舶が睨みを効かせている。これ以上湾岸警備隊が追ってくれば、職権乱用となるだろう。
(ファイアブランドが残っている場合):「深追いしすぎたか…しょうがない、引き揚げだ!」高速船が再び輸送船へと急接近!「イヤーッ!」ファイアブランドはそれに連続側転して乗り込むと、瞬く間に水平線の向こう側へと消えていった。

また、距離10に辿り着く事なく6ターンが終了した場合、即座にミッション失敗でシナリオ終了となる。

輸送船の進行方向に、ゆらりと巨大な影が現れる。…それは、湾岸警備隊の主力艦であるオイラン級航空母艦…!無数の砲塔が、小さな輸送船に向けられている!もはや無事な状態での脱出は不可能だ!
(ファイアブランドがいる場合):「おっと、ここに居たらこっちまでスイスチーズになっちまう」「じゃあな、カラダニキヲツケテネ!」ファイアブランドは近づいてきた高速船艇へと側転移動!…そして、砲塔が火を噴く!

こうなった場合、船体の体力が0になった場合と同様の処理を行って、終了処理へと移る事。

4.後始末・評価

どのような結果であれ、戦闘の終了後、生き残っていれば君達はトコロザワ・ピラーに集められ、そこで評価を受ける。C以上の判定なら、「ラオモト・カンの評価タイム」を設けてもいいだろう。ミヤモト・マサシ縁の品を守りきった君達の評価は高い。また、逆にD判定であってもソニックブームはそこまで不機嫌にはならない。今回の任務自体がかなり突発的、かつ難易度の高いものであったことを把握しているからだ。何はともあれ、生き残ればそれで良し。

A:「船はで、湾岸警備隊のニンジャを二人以上爆発四散させた」:【万札】100を山分け、「名声:ソウカイヤ」+4、余暇5日
B:「船は無事で、湾岸警備隊のニンジャを1人爆発四散させた。」:【万札】80を山分け、「名声:ソウカイヤ」+3、余暇4日
C:「船は無事だったが、ニンジャを仕留める事はできなかった」:【万札】80を山分け、「名声:ソウカイヤ」+2、余暇4日
D:「船が破壊された」:【万札】40を山分け、余暇3日

評価が終了し、PC達に報酬が支払われたら、シナリオを終了する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?