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NJRPG非公式データ:西軍の雄、石田三成ことイシダ・ニンジャ

封印と共に、フスマは押し開かれた。暗い天井。古めかしい壁。無限に広がるように錯覚するタタミ敷。その中央に、一本の柱が立っていた。それはネオサイタマの4方に埋められていたものと同じ、奇怪な文様を印した、封印の力。しかし…柱の各所にはヒビが入り、今にも砕け散り、中のモノが解き放たれようとしている。かつて、柱をさらに拘束していたであろうシメナワや鎖がタタミの部屋に散らばっていた。
『…来たのか』空間が震える。『…モータル共に肩入れする、愚かしいニンジャどもが』柱が裂ける。乾いた音を立てて、封印の柱は砕け散った。中から現れたのは、2つの角を持つフルフェイスメンポと、武者鎧めいた装束を纏ったニンジャ。…その足元は、未だ4つの色に煌めく鎖に捕らわれている。
『ドーモ、…イシダ・ニンジャです』

ニンジャスレイヤーTRPGキャンペイグン【エレメンタル・クロッシング】最終話【クロッシング・ゲート、エンド・オブ・グラッジ】より

この記事は、Lizardfolk=サンのニンジャスレイヤーボスキャラコンテストの投稿作品である。データや設定は自由に改変し、ニンジャスレイヤーTRPG用のシナリオやセッションに使用して構わない。もし原作にこれから石田三成/イシダ・ニンジャが出てきたとしても、こいつはこいつである。気にせず使用して欲しい。

石田三成

センゴク・ネーム石田三成ことイシダ・ニンジャはソガ・ニンジャクランの系譜に立つリアルニンジャであり、策謀と支配、そして幻影のジツに長ける。セキハバラの戦いで西軍を率い、徳川家康率いる東軍と決戦を繰り広げたが裏切りによって敗退し囚えられ、セプクを余儀なくされた…それが我らが知るイシダ・ニンジャの生涯である。しかし、しかしだ。それによって彼の憎しみが消えた事を示すわけではない。徳川の作り出したモータルの世に激しい恨みを抱く彼が復活すれば、それは恐るべき事態となるだろう。

◆イシダ・ニンジャ(種別:リアルニンジャ)
カラテ   13 体力  60
ニューロン 20 精神力 60 
ワザマエ  18   脚力 9
ジツ 9(ソガ・ニンジャクラン)
近接攻撃ダイス:13
遠隔攻撃ダイス:18
回避ダイス:20
ジツダイス:29

スキル:「連続攻撃3」「連射3」「時間差」「マルチターゲット」「臨機応変」
「◉ツジギリ」「◉タクティカル移動射撃」「◉キリングマシーン」
ジ ツ:「☆カナシバリ・ジツLV3」「★モウドク・ダート」「★レッサー・イビルアイ」
「★★イビルアイ」「★★★半神的存在」「★★★即死と部位欠損無効」
「★限定的キョジツテンカンホー」:隣接する【ニューロン】が6以下のキャラクター1人を
対象として、【精神力】3を消費して攻撃の代わりに使用を宣言できる。そのキャラクターは、
【体力】が0になるまで、イシダ・ニンジャの事を絶対的な主として認識する。
対象キャラクターの【精神力】が0であれば、【ニューロン】値に関係なく成功する。

「★★幻影拘束」:自身の手番で攻撃する代わりに【精神力】3を消費して使用を宣言できる
(難易度:HARD)。MAP内の任意のキャラクター全員は【ニューロン】判定(難易度UH)で
抵抗判定を行い、失敗した場合そのターンの間あらゆる「攻撃判定」「回避判定」
「ジツ発動判定」の難易度が+1される。
この難易度上昇は、【精神力】3を消費することによって即座に打ち消すことができる。

「★★★虚影の軍団」:ターン開始時に1d6を2回振る。出目に応じて、「幻影ニンジャ」が
MAP上の任意の地点に召喚される。幻影ニンジャの能力は「13/13/13/5」であり、
覚えているジツは以下の通り。ターンの終了時、あるいは1点でもダメージを受けると
幻影ニンジャは消失する。幻影ニンジャが攻撃によって消失した時、イシダ・ニンジャは
「回避ダイスダメージ」4を受ける。

1:「☆ムテキ・アティテュード」「★ムテキ・メイル」「★★エネルギー・スリケン」
2:「☆ヘンゲヨーカイ・ジツ」「★肉体破壊」「★★グレーター・ヘンゲヨーカイ・ジツ」
3:「☆カトン・ジツ」「★火炎耐性」「★★グレーター・カトン・ジツ」
4:「☆カラテミサイルLV5」「★カラテマイン」「★★カラテバリア」
5:「☆カナシバリ・ジツ」「★レッサー・イビルアイ」「★★イビルアイ」
6:「☆コリ・ジツ」「★コリ・スリケン」「★★コリ・マスタリー」
7:「●タツジン(コッポドー)」「●ヒサツ・ワザ(ポン・パンチ)」「●●鉄拳」(近接18)
8:「●タツジン(イアイドー)」「●ヒサツ・ワザ(ムーンシャドウ)」「●●剣との合一」(近接18)
9:「●タツジン(スリケン)」「●スリケン急所破壊」「●●重金属の星」(遠隔18)

「★★★幻影拡大」:1ターンが経過するごとに、「★★★虚影の軍団」のダイス目が+1
される。この補正は最大で+3までである。また、4ターン目が開始した際にアトモスフィアが
HARDになり、「★★★虚影の軍団」で呼び出されるニンジャの数が3人になる。

◆幻影ニンジャ(種別:デミニンジャ)
カラテ   13 体力  1
ニューロン 13 精神力 13 
ワザマエ  13   脚力 7
ジツ 5(ソウルによる)
近接攻撃ダイス:13(ドラゴン/ハガネは18)
遠隔攻撃ダイス:13(カゼは18)
回避ダイス:6
ジツダイス:18
スキル:「連続攻撃3」「連射3」「時間差」「マルチターゲット」「臨機応変」
「●幻影の肉体」:【体力】は1となり、回避ダイスが半減する。また、ターン終了時に存在が消失する。

ジ ツ:取得ソウルによって変動(上記)

行動パターン(基本):ターン開始時に「★★★虚影の軍団」で幻影を呼び出し、自身は手番で「◉キリングマシーン」を宣言して「★モウドク・ダート」の3連射(ばらけるか集中攻撃かは好きに決めて良い)と、「★★幻影拘束」を行う。「★★幻影拘束」の抵抗などで精神力が尽きてきたPCがいる場合、ダートの代わりに「★★イビルアイ」系統の攻撃で精神殺を狙う。幻影ニンジャは射撃系のニンジャとイシダ・ニンジャとの射線を塞ぐように配置し、ランダムに攻撃対象を決定する。「★ムテキ・メイル」持ちの幻影は例外で、イシダ・ニンジャに隣接するように配置すること。

「★限定的キョジツテンカンホー」は戦闘で使用するより、キャンペイグン内で黒幕として存在感を出すために使用するのが良い。メガコーポやニンジャ組織の幹部を操って混乱をもたらしたり、PC達の身近な人間を操って苦しめたり…【体力】0で解除されるため、「急に敵対してきた友好的キャラが操られていた」「殺さずに救い出さねばいけない」というシチュエーションも可能だ。

攻略法:回避ダイスは20個と成長上限級を相手にするにはそこまで多くはなく、4人パーティで全員が4回以上攻撃できるなら本体をひたすら攻撃する事で数ターンで倒す事ができるだろう。上手く範囲攻撃に巻き込めば幻影ニンジャ撃破によってさらに攻略は加速する。事故の原因になるのは【精神力】の不足であり、不測の事態が発生したならば、何かしら【精神力】を回復するイベントを盛り込んでも良いだろう。

イシダ・ニンジャをボスとしたキャンペイグンのセッティング

この「イシダ・ニンジャ」の特徴は、「エド・トクガワ」及びにモータルの支配する社会に強い恨みを持っている、という切り口である。支配と幻影の力によって、復活した暁には社会を転覆させるべく恐るべき陰謀を紡ぐであろう。分霊レリックやキンカクからの復活は勿論、「イシダ・ニンジャに憑依された事でモータル社会を転覆させんとする憑依ニンジャ」や「ネザーの大地から西軍とオニの軍勢を引き連れ帰還したイシダ・ニンジャ」といった事も可能だろう。

ソウカイヤ:ソウカイヤはかつて憎き徳川家康の本拠地・エドであったネオサイタマを牛耳るニンジャ組織であり、モータル社会の利益を強く受けて存在している。社会そのものを転覆させんとするイシダ・ニンジャは当然ソウカイヤにとって脅威となるだろう。突如暴走したメガコーポの重役やムーホンを起こした組織ニンジャの裏側に彼がいる、というのは最適なストーリーラインだ。

ニチョームやシマナガシなどのフリー組織:よりイシダ・ニンジャの脅威に晒される事となるのは、「ネオサイタマを生きるモータル」に寄り添う彼らのような存在である。大規模なジアゲ、重大な事故、事件などを起こしていた者の裏に存在する彼をフットワーク軽く追っていくのにうってつけだ。フィルギアは彼の事を知っているかもしれない。モータル全ての敵である彼を追う内に、メガコーポや他のニンジャ組織とも協力するとてもヒロイックな戦いを繰り広げる事が可能だ。

ザイバツ・シャドーギルド:ソガ・ニンジャクランの高弟であり、旧ザイバツ・シャドーギルドの中心核であった彼にとって、忌々しき「ショーグン・オーヴァーロード」…徳川家康の子孫を名乗るニンジャかぶれの憑依者がニンジャの世を謳うなど笑止千万であろう。しかし彼は冷静だ。手駒を送り込む、グランドマスターを洗脳する、あるいは当時より鳴らした礼儀作法などを活かし己がザイバツの幹部として潜入する…様々な手練手管を用いてザイバツの乗っ取りを図るであろう。PC達は、それに気づいた他のグランドマスターの部下として…あるいはその遺志を継いでギルドを乗っ取らんとする彼に立ち向かうのだ。

イシダ・ニンジャの爆発四散と共に、城郭の機能は停止した。空を覆っていた黒い異空間は一瞬にして消失し、ネオサイタマの空にあるまじき…地平線まで続く、夕焼けの空が広がっていた。


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