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4翻縛り三人麻雀

雀魂の友人戦で遊べる、4翻縛りというモードが面白い。

通常の麻雀は、ドラ以外に何らかの役を1翻以上満たさなければ和了することができない。これを1翻縛りという。4翻縛り三麻は、文字通りこの縛りを4翻にした三人麻雀である。例えば、立直のみでは和了することができず、立直+断么九+一発+自摸でようやく和了れるようになる。

縛りの性質上、跳満や倍満が当たり前のように出る。4翻確定の上にドラ(通常ドラ、赤ドラ、抜きドラ)が加わるからだ。一般に、四人麻雀よりも三人麻雀の方が高打点になりやすくインフレしていると言われているが、この4翻縛り三人麻雀は、通常の三人麻雀に輪をかけてインフレしたルールと言える。この高火力が成就したときの快感が大きな醍醐味のひとつである。

以下では、4翻縛りならではの戦略について考えていこう。

狙える和了形

14枚しかない手牌で、4翻縛りを満たすというのはかなり難しい。おのずと、自分から狙いにいける手役の組み合わせは限られてくる。双璧をなすのは染め手ルートと断么九+平和ルートである。

まずは染め手ルートだ。清一色は鳴いても5翻が確定するので、ポンも使いつつ鳴き清一色。ドラが1枚でもあれば跳満になる。混一色の場合、門前で進行できれば役牌や一盃口(や一気通貫)といった部分役を1つ付けることで4翻を満たせる。(七対子というピーキーな役でもよい。)何も付けられなかった場合でも、聴牌時に立直をかけてしまえば確実に4翻を満たすことができる。

一方で、鳴き混一色の場合は事情が難しくなる。鳴きで混一色が食い下がるため、立直以外であと2翻を用意しなければならない。多くの場合、役牌を2種使う(この点でダブ東、ダブ南は最強である)か対々和にするかの2択となる。

逆に言えば、鳴いている染め手気配の他家の和了形は読みやすい部類に入るということになる。例えば、役牌の鳴きに対して「他に白を暗刻で持っている可能性があるな」とか「他の役牌全部ないからほぼ対々和じゃん」といった読みができる。鳴いた牌の種類と、河から字牌や数牌の残り枚数を整理すれば、結構な情報が割れるのだ。

また、鳴き混一色の亜種として、役牌2種+対々和というのも考えられる。役牌が2種類鳴かれたら、生牌にも多少のケアが必要かもしれない。

次に断么九+平和ルートだ。ほとんどの場合、立直+断么九+平和の3翻が最低限として求められる。ここで重要なのは、あと1翻をどのように用意するかでロン可能かツモ条件になるかが変わるということだ。

「あと1翻」として最も有用なのは一盃口である。一盃口が手牌内で完成していればロンも可能。一盃口が待ちに絡んでいるなら高め一盃口でロン可能、反対側はツモ条件となる。反対側が先に切られてしまうと、以降フリテンになるので両面ともツモ条件になってしまう点に注意がいる。そして、一盃口が用意できなければ両面ともツモ条件。

続いて二軍として、立直ツモ条件で活躍するのは三暗刻である。暗刻が2つあってシャボ待ちになったら、ツモ条件で三暗刻が確定する。通常の三人麻雀ではそれほど見かけない役なので、4翻縛りをやると三暗刻と友達になれるような気がする。三暗刻の魅力は、あまり和了れそうにない手牌の局の中盤に偶然重なった牌があったとき、その色や数字にとらわれずに立直できる点である。

三暗刻と同じ2翻役には一気通貫があるが、これは序盤で確定しそうなら意識したい。序盤で手牌が外側に寄っていればチャンタも選択肢に入る。チャンタには一盃口を絡めるのもよい。なお、ほかに同じ2翻役として七対子があるが、立直ツモ条件の七対子はめちゃくちゃ弱いので、出来れば混一色を絡めたいところである。

まとめると、4翻縛りで狙える和了形は大体以下のようになる。

清一色
門前混一色+(立直|一盃口|一気通貫|七対子)
鳴き混一色+(役牌2種|対々和)
役牌2種+対々和
立直+断么九+平和+(ツモ|一盃口)
立直+ツモ+(三暗刻|一気通貫)
立直+チャンタ+(ツモ|一盃口)

俯瞰してみると、黙聴で門前ロンが狙えるのはほぼ染め手に限られることが分かる。ほかに考えられるのは、国士無双くらいだ。よって、立直も鳴きもしていない他家は、染め手や国士の気配が無ければほとんど警戒が要らない。だから安心して自分の手役をじっくりと狙うことができる。

ツモ条件立直 ~一発と押し引き~

通常の麻雀において立直を警戒しなければならないのは、フリテンでない限り当たり牌を切ったらロンされてしまうからだ。しかし、4翻縛りにおいては必ずしもロンされるとは限らない。

なぜなら、フリテン以外にもツモ条件の場合が多々あるからだ。狙える和了形を考えたとき分かったように、4翻縛りを満たすのはなかなか難しい。立直+断么九+平和がロンできないのだ。染め手は論外だが、染め手が匂わない立直がツモ条件になっている確率はそれなりにある。

これを踏まえると2つのポイントが浮かび上がる。

1つめは、「一発」の価値がかなり重いということだ。立直後の1巡のみ成立する偶然役である一発には、ツモ条件を覆す力がある。例えば、立直+断么九+平和は、立直して2巡目からはツモ条件だが、立直したその巡目のみロンが可能なのである。よって、一発だけは十分にケアして安全な牌を選んだほうが良い。同様に、河底も1翻の偶然役だから局の最後に切る1枚はケアの対象となる。

2つめに、押し引きの基準は攻め寄りだということだ。一発は警戒しつつも、切れる牌は多い。まず、染め手ルートに対しては反対側の色がすべて切れる。続いて、断么九+平和ルートに対しては、スジが切れる(両面待ちでないと平和にならない)し、幺九牌も切れる(断么九にならない)。これらの牌の安全度は、通常の三人麻雀と比べてかなり高まっている。自分の手が実りそうもないときに攻める必要はないが、4翻になる1~2向聴ならまだ諦めずに回してみるとよさそうだ。

まとめ

ここまで、4翻縛り三人麻雀特有の戦略について考えてきた。4翻縛り三麻の特徴として、通常の1翻縛り三麻と比べてかなり手役に寄っていることがあげられるだろう。その一方で、自分から狙える手役はそれほど多くない。だから、流れに身を任せつつとりあえず片方の色を全部切るくらいでちょうどよかったりする。

かっこよく言えば、4翻縛り三人麻雀は、三麻のスピーディさと四麻の手役的技巧が混ざりあった麻雀の新たな遊び方と言えるだろう。だがその一番の魅力というのは、思考を半ばストップさせながら牌効率をガン無視した打牌をして、わいわい騒ぎながら超高打点をぶつけ合うバカゲー感の中にあるような気がしている。

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