フシギドライバー
ドライバー族は、思想の違いからカサン国とゲンサン国に別れて暮らし、間を流れるイコル川の岸辺で密入国者を監視するのが私の役目でした。川の向こうのゲンサン国の旗 ー 印をを眺めながら。
ある日、流されている人を発見、それは美しい女性で、いつか絵でみたオフィーリアのようでした。必死の蘇生のかいあって息を吹き返し、一緒に暮らすようになったのです。
一目で恋に落ちたのですが、二つの民は決して抱き合ってはいけない、という掟があり、私は彼女に触れることはできません。
ある夜、一人対岸を見つめて泣いている彼女を、私はどうしても我慢出来ず、後ろから抱きしめてしまいました。すると、二人の身体はふわり浮き上がり川に落ちて行きました。
月光に照らされた川面にカサン国とゲンサン国の国旗がゆらゆらと映り、川は筋を描くように流れていました。二人は大きな丸い泡となり、流れて行ったのです。
川面に浮かんだのは + - = 〇 不思議な夜でした。
おわり(409文字)
ドライバーには、プラスドライバーとマイナスドライバーがある、という
ところから、発想を飛ばして書いてみました。プラスマイナスゼロということも、盛り込んで。ちょっと盛り込みすぎかも(^^;
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