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umumのワールド修学旅行 第4話~ スウェーデン・moderna museetで「理想のカタチ」に出会う 編~

大変長らくお待たせいたしました。
umumの田中令です。

前回の投稿からあれよあれよと時間がたってしまいました。
その間、何をしてたか〜〜〜の話はまたのちほど描くとして。

umumアトリエにあそびに来てくださる方をはじめ
様々な場所で出会った方々に
ブログについて嬉しい言葉をいただいております。
読んでくださっている皆様、ありがとうございます。

自分で手配し、自分で訪問する
自分のための、世界での研修。
umumのワールド修学旅行記。

今回は2014年に体当たりでアポをとり
アートワークショップやホスピタルアートの見学をさせてもらった
スウェーデン&ロンドンのお話です。
第1話 ~スウェーデン・届け私の想い 編~
第2話~ スウェーデン・ National museumで褒めてもらう 編~
第3話~ スウェーデン・ Astrid Lindgren Children's Hospitalで目からウロコが止まらない 編~

今回の旅も、いよいよ3日目。

日本でいう現代美術館、Moderna museetに向かいます。
この日も気持ちいい〜お天気。
公園のような広い敷地に、現代アート作品がごろごろ。

その奥にあるたてものが、Moderna museetです。

facebookで担当者の方がつないでくれたEducator(講師)のJoakim
館内で待ち合わせすることになっていました。

現代美術館の中にはいくつかの展示会場のほか
カフェや図書館、そして国立美術館にもあったアトリエがありました。
「中がみたい〜〜」
とアトリエのあたりをうろうろしていると、Joakimに遭遇。
早速挨拶を交わし
その日開催するワークショップの説明を聞きました。

Moderna museetでは、その時開催中の展示を
Educatorと一緒にこどもたちが巡り
そこで見たものや感じたもの、学んだことをアトリエで表現してみる
というワークショップを定期的に開催しているそうです。

早速時間になったので、ワークショップへ!

実はこの旅で、いろいろ見学させてもらっていますが
現地の子供達と直接お会いするのは今回が初めて。
Joakimと一緒にロビーに向かうと
そこにはワークショップに参加する方々がすでに集まっていました。
子供達と、お母さん、そしておばあちゃんも。

挨拶をすると、みなさんにこやかにwelcomeしてくれました。
やさしいな〜〜〜ほんとに。
そしていざ!展示会場へ!

Joakimがこどもたちに作家や作品について説明しながら館内を巡回。
スウェーデン語のため、残念ながらその内容は私たちにはさっぱり笑

一枚一枚絵の前で立ち止まり、鑑賞し
Joakimの質問をきっかけに、こどもたちが積極的に対話をしていました。

こどもたちはみんな前のめりで、真剣に絵を見ています。
きっとJoakimのトーク、うまいんだろうなあ...

一通り作品を見終えると、御一行は先ほどのアトリエへ。
アトリエの中は...

大きなまどに、高い天井
そして、こどもたちの絵や作品がいっぱい!
えのぐだらけ!
超すてき!

ついでに水場もオサレ!

「いいなー」って30回以上は言いました。笑

みんなえのぐがついてもいいように、部屋にあった白衣風作業着を着て
Joakimが奥から絵の具と、展示の画集をもってきました。
画集を開きながら、作家の作風についてあらためて説明します。

さっき直接見たばかりの作品たちだから、記憶もフレッシュ。
どうやら作家の作風をみんなでやってみよう!というテーマみたい。
今回は「絵の具を重ねる」ということにフォーカスするようです。

みんな説明を真剣に聞いてます。

説明が終わると白い紙が配られ
じゃあ、やってみよう!

かわいい。顔小さい。紙おおきい。

なにやらディスカッションしながら筆をとるブラザーズ。

まだずるずるの作業着がかわいいちびっこ。
Joakimが見守りながら、しっかりケアしています。
やり方を教える、というよりは
こどもたちの行為に寄り添い
やさしく声をかけていた印象です。

ノッてくるとテーブルを離れ、イーゼルで描き始める子も。
マイワールドに、いってらっしゃい。

奥ではおばあちゃんが、もうすっかりアーティスト。

みんながそれぞれ自分の世界に入っていくのを見送ってから
Joakimはわたしたちにいろんな話をしてくれました。

このアトリエは常にOPENしていて
Joakimが考えたプログラムはもちろん
ただ絵を描きたい、工作をしたいという利用者も
自由に使えるようになっているそう。
(きっとおばあちゃんがそういう感じ)
もちろん利用料は無料だそうな。
あっぱれスウェーデン。
国内の美術館には必ずJoakimのようなEducatorが常駐し
教育普及の活動を担っているそうです。

Joakim自身は大学で美術史を学び、そこで感銘をうけた体験から
Educatorの仕事に就いたそうで。
彼自身もPublic art(駅や街中の公共物としてのアート)に興味があり
この仕事をしながら、友人とpublic artのマネージメント団体をつくり
活動しているそうです。
美術と人をつなぐ仕事に携わる者同士、絵を描くアトリエ利用者の方々そっちのけでとても熱い会話ができました。

先ほどのおばあちゃんや、こどもたちのママも
「日本にいったことあるのよ!」
なんて声をかけてくれたり。
アトリエの中を観察したり。


そうこうしている間に、みなさんの絵が完成!

一生懸命自分の絵についてかたる少年の話に
じっくり耳を傾けるJoakim。
一人一人の作品に触れたあと、ワークショップとアトリエ開放が終了。
乾かす目的もかねて作品を預け、また続きを描きにくるね〜なんて展開も。

英語も危うい日本人二人をwelcomeしてくれた参加者のみなさま、こどもたち、そしてJoakim、めちゃくちゃありがとう。

最後にデレデレの記念撮影をして、美術館を後にしました。

アトリエの大きな窓からは、海が見えます。
最高です。


ワークショップ同行はもちろん勉強になりましたが
なにより体験してよかったのは、アトリエの空気感。
子供達はじめ利用者が、どのようにこの場を使っているのか
その場をEducatorはどのように作っているのか
それを体験できたことが、とてもいい学びになりました。

美術表現の時間や場が、日常の中に、自然にあること。

技術を体得したり、上手な作品を作ることが
「目標」ではなく、「学びの一部」として存在すること。

人と美術の場を模索する私にとって
この場所は、まさに「理想のカタチ」でした。


旅の記録は、Joakimとの会話にもでた
駅のPublic artツアーに続きます。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

4年後の2018年秋。
東京、立川市と世田谷区、そして池袋で
「umumこどもアトリエ」をスタートしました。
スウェーデンでの体験がヒントの一つとなり
めぐりめぐってカタチになったものです。
(そう、これが気づけばブログから遠のいてしまった理由!←言い訳)

スウェーデンでみた大きな窓や高い天井のりっぱなお部屋は
まだ持てないけれど
真っ白い大きなシートを広げて
その上にたくさんの画材をならべ
こどもたちが好きに絵を書いたり
工作したりできる場です。

こどもたちの表現やアイディアを引き出す、私のあり方
自由と学びのバランス
手探りでいろんなことを模索しながら続けています。

この真っ白なシートに、いろんな色がつき始めるのを見て
スウェーデンでみた、えのぐまみれの空間を思い出し
どんな色が重なっていくのかわくわくしています。

このアトリエopenに至るまでのお話や
この場所で日々うまれる様々なドラマ、気づきも
今後書いていこうと思いますので
そちらもお楽しみに◎


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