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【徒然ボカロ一人語り】第41週目

※【前書き】これは私が学生の頃から今までの間に個人的に感銘を受けてきたボカロ楽曲の数々を今更ながらに振り返り、紹介してみようというブログのようなコーナーです。予めご了承ください。

『独白』

kemu feat.鏡音リン、鏡音レン、GUMI、IA

※上記動画の02:00~ 一部分のみ聴けます

筆者が知る限り、kemu作品の中で唯一のGUMI・IA・鏡音リン・レンのカルテット曲です。
個人的にはkemu特集の1番手に持ってくる程にお気に入りの楽曲でもあります。

収録アルバムの「KEMU VOXX」内では続く『インビジブル』へのプレリュード的な役割を果たしている作品であり、歌詞の中にもそれとなく『インビジブル』の曲想を彷彿とさせるフレーズが随所に見られます。またよくよく中身を見ていくと『地球最後の告白を』『イカサマライフゲイム』など他作品との連関性も見て取れますが、それはまた後日の更新で触れていくつもりです。

さて『独白』は約2分強の短い作品となりますがその構成はとても変化に富んでいて、
時計のゼンマイが巻かれているような効果音や聴いていると切なくなるか細い笛の音が要所々々で鳴りながらも、時には止み、時には激しくと緩急をつけた迫力のある演奏が澱むことなく展開されて行きます。

特に私は後奏で登場してくる吠えるような音色のギターが特にお気に入りなのですが、歌がない部分のためカラオケなどに行くと強制終了されてしまうあたりが残念な思いとしてはあります…。

またボーカロイドの調声に関しては特にリンの声色がこの作品の中では印象的だと思っていて、溌溂とした元気の良いパワフルな歌声が特徴のリンですが、ここではか弱く今にも消えてしまいそうな細いシルエットに調声されています。
その歌声は終始「ねえ」と語り手が想い人に対して語りかけていく内容の曲想とよくマッチしており、「こんな歌わせ方や表現方法があったのか」とボカロの表現技法の幅を広げてくれるような印象を与えてくれます。

最後に、kemu作品からは「ここではないどこかの世界」をテーマにしつつも、「二度と戻ることのできない過ぎ去った時間を憂い、後悔とともに昔は発露できなかった感情の大切さを知る」というような、心に染みるメッセージを共通して読み取ることができます。

『独白』も上記のような切ないメッセージを曲想に持った名曲だと思いますので、是非一度お聴きください!

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