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今夏の展覧会記録①国立西洋美術館

この夏足を運んだ展覧会を、サクッと振り返ります。


1)スペインのイメージ 版画を通じて写し伝わるすがた

国立西洋美術館にて、7月〜9月に開催されていた企画展です。
17世紀から20世紀のスペインの画家、およびスペインが舞台の作品を一堂に集めた展示でした。タイトルを見て「版画ばっかりかなぁ」と思っていましたが、入り口入って出迎えてくれたのはギュスターヴ・ドレの油彩の大作でした。

ギュスターヴ・ドレ《シエスタ、スペインの思い出》1868、国立西洋美術館
ピレネーを超えた先のスペインが、まだ異国であった様子が窺える作品。
描かれているのはジプシー(ロマ族)の家族。
鑑賞者の後ろ姿と比べても、額の方が大きい。

17世紀から18世紀にかけて多くの画家によって版画にされて出版された「ドン・キホーテ」。スペインのお話だって、みなさん知っていましたか?(のりおは知りませんでした!)
会場では1セクション丸々、ドン・キホーテでした。

オノレ・ドーミエ《ドン・キホーテとサンチョ・パンサ》1850-52、市立伊丹ミュージアム
キャプションではシルエットで描かれた二人は、オノレ・ドーミエ自身の二面性を表しているとも。
絵画をそんなふうに理解できる日は、私にもやってくるのだろうか。
一際印象的だったのはこれ。
フランシスコ・デ・ゴヤ 《それ吹け》1799年
いやいや、どこで吹いとんねん。
ゴヤの4大版画集の一つ「ロス・カプリーチョス」からの一枚。
ちなみにこの版画集、異端審問にかけられたとか。

版画がメインの展覧会は、展示数が多くなるイメージだったのですが、コーナーごとのテーマがわかりやすくて飽きない企画展でした。
ちなみに私の好きなタイプのピカソもありました!

パブロ・ピカソ《リュイス・アレマニの肖像》1899−1900、井内コレクション
いわゆる「青の時代」前のピカソ作品です。リュイスは友人だったそう。
この絵の前後には有名な《貧しき食事》や《サルタンバンク》も展示されていました。
去年の初夏にパナソニック美術館でみたピカソの展覧会を思い出しました。
いろいろなことを言われるパブロ・ピカソですが、私はとっても好きです。

他にも、写真・ポスター・書籍など、盛りだくさん。隣のマティス展(別記事)に比べると、鑑賞者の混み具合も程よく、心地よい展覧会でした。
帰宅してから気がついたのですが、この企画展を担当された国立西洋美術館の研究員・川瀬さんが解説してくれているYouTubeがあります。
企画展は終わったけど、わかりやすい解説なのでおすすめです。

ちなみに企画展会場では、Wi-Fi接続して無料音声コンテンツが利用可能。
作品を解説してくれていたのは、動画と同じく川瀬さんです。
無料で専門家の解説を聞きながら展示を見るだなんて、すごい時代やなと、感動しました。こちらも今も公開されているので、一応リンクを貼っておきます。

2)国立西洋美術館 常設展

こちらの常設展は無料で鑑賞できるのりお。
なぜなら「キャンパスメンバーズ」だからです!
4月に大学に入って、今回はじめてその恩恵に預かりました。

今までは企画展の流れで同日中に常設展を見に行っておりました。しかし、毎回企画展でクタクタ状態で見ていたので、ほとんどまともに見れなかったのです…今回は無料ということで、「スペインのイメージ」展の翌日に行きました。
何事も休息が大事です。

ミレイ《あひるの子》
この絵の前で、同じポーズの女の子がいました。癒し〜。
ミレイの描く子供達はとにかく可愛い。
藤田嗣治《坐る女》1929
110×125の作品。シンプルな額縁なんだけど、それがいい。
この前に椅子を置いて欲しかった。

大学に入って、初めての西美でしたが、以前に比べ宗教画の知識が増えているかな?と思える瞬間があり、一人静かに喜びを感じていました。
西洋美術の先生からは「いつの時代の絵が好きでも、古典を勉強せなあかん」と言われているので、できる限り好き嫌いをせず絵画に触れていたい(という理想を持っている)。

アンドレア・デル・サルト《聖母子》1516頃
こういう絵を見て「マリア様だ」と気づけるようになった…
この夏、西洋美術の講義をいくつか受講したおかげです。
ところで、このイエス様はちょっといたずらっ子ぽいお顔ですね。

以上、この夏に行った国立西洋美術館の記録でした。
こんなざっくりとした文章で、記録もクソもありませんが、いつか自分が見返したときに、「自分はこの時どんな気持ちで絵を見ていたのか」思い出せるよう、自分的ブックマークのつもりで書いています。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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