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同人イベント用にDLカードを自作しました

※本記事はcaconoさん執筆記事の代理公開です

2017年秋のM3で頒布したDLカード(DL板)についてまとめました。
既存のDLカードよりも大きくて、楽で、安くて、便利! 
主に少部数(100〜300未満)のCD頒布/販売を行っている方を想定しています。

頒布サークルはこちら: flow and stagnation


DL板を作ったきっかけ

もうCDRで手生産するの辛い。
でも既存のDLカードには不満があって踏ん切りがつかない……。
製造のコストを減らしてイベント参加したいし、
生産の時間を減らして制作に注力したい。

 既存のサービスを組み合わせて、新しいDLカード、考えてみよう!


既存DLカードへの不満点

1.ファイルフォーマットが限定されている
圧縮音源ではないものを用意したい&DLしてもらいたい!
CD音質に劣るのは避けたいです。

2.生産数が限定されている(少部数だと再生産がやや難)
小規模サークルの頒布数は多くても50部程度です。
お金と手間のかかる再生産はDLカードでも手を出しにくく、
DL頒布のメリットも減じてしまいます。

3.頒布カードが小さい(ジャケット印刷したい!)

大きいサイズでジャケット印刷したい!  


不満を解消できそうなDLカード(DL板)の作り方

CDジャケット大のカードにオンデマンドでジャケットを印刷し、
裏面にDLコードを貼り付けて頒布しました。

お世話になったサービスは次の3か所です。

ジャケットカード印刷: グラフィック
音源DL用サービス(コード生成): Bandcamp
コード印刷: キンコーズ

ACID ALLIANCEでの委託頒布時、既存のCDサイズに紛れてもばっちり


1. 360kgコート紙で印刷して耐久力&見栄え確保

ジャケットには360kgの極厚コート紙(120mm*120mm)を使うことで印刷クオリティと耐久性の確保を狙いました。印刷はオンデマンドです。思った以上に分厚く、指で弾いてもガッチリしています。しっかりしたポストカードより厚いです。

印刷部数が増えれば単価は安くなるので、最初に多めの数を印刷しておけば、追加生産はコードの生成だけで済ますことができます。100部以下であっても、既存のDLカードやCDR生産より安価に抑えることができます(費用は印刷方法や利用する紙によって変わります)。


2. DLコードを発行

Bandcampでは、登録済み(Private公開でも可!)のデジタルリリースをダウンロードできるコードを、アカウントごとに200個まで100個単位で無料生成でき、200個を超えた追加コードも極めて安価に生成することができます。 データの修正も容易なため、差し替えも手軽に行えます。
また、元データは48kHz以上・24bit以上の形式に対応しており、ユーザーはFLAC/MP3/WAVなど、豊富なファイル形式から任意に選択してDLすることができます。ハイレゾデータの配信も可能です。
愛してる。

追加コードの生成費用。100コードで、3ドル!


3. コードを印刷して裏面に貼り付け

Bandcampで生成したコードは一覧をPDFに出力し、キンコーズでまとめてラベル紙(裏面がシールになっているもの)に大判印刷、裁断してそれぞれ貼り付けています。

真ん中に印刷したコードを貼ります

生産工程はこれだけです!


まとめ

DLカードならぬ、DL板の頒布
1. Bandcampにアカウント作成
2. 音源アップロード(Private設定で非公開に)
3. 印刷会社にジャケットデータ入稿
 (今回はA・B版カード印刷のB6カード、120mm*120mm変形、
 コート紙360kg、オンデマンド印刷、PDF入稿でした)
4. Bandcampからダウンロードコード発行
 https://bandcamp.com/codes_how_to/
5. コード一覧をPDF出力し印刷
 (キンコーズなどや家プリンタでラベル紙に印刷)
6. コード断裁して貼り付け
7. Happy

実験的な試みでしたが、生産作業のコストをCDR頒布よりも大幅に減らすことができました。
せっかくのイベント、物としての重みがないのも味気ないですし、ダウンロードと連携した頒布方法として、DL板は良い感じの落としどころではないかと思っています。


反省点&覚書

・板は断裁しただけの紙なので表面処理したほうがいいかも
・角丸加工やラミネート加工をするのもありかも
・色や印刷にこだわりたいならオフセット印刷にすべき
・ラベル紙を断裁してから剥がすとき、
 シールをめくるための”耳"がない部分は、剥がすのがとても、辛い
 コード用のシール紙は一考の余地あり
・カードに記載したDL手順が簡素すぎて不親切だった
・試しに360kgの紙を使ったけど、もうちょい薄くてもいけそう
・紙を選べば質感を変えてリリースに合わせることができそう
・コード貼れればいいので頒布形態の自由度が広がる

おもしろそう、良さそうだと思ったかた、
ぜひ作ってみてフィードバックください!

なお、この制作方法ですとBandcampにはほぼお金がいきません……デジタルリリースを併用するなどして、Bandcampでの頒布も視野にいれてくれると、みんながハッピーになれると思います! flow and stagnationでは旧譜の頒布にBandcampを利用しています。

手焼きCDの不便さから解き放たれて、楽しく少部数リリースしましょう! 減った労力をリリースのクオリティ向上につなげましょう!

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