ホリエモンの「株で『確実に』大儲けする方法」に本当に驚いた

「なあ、堀江がどうやって株で儲けてるか、知ってる?」
Aさんの声が、経営会議室に響いた。

※Aさんは堀江さんの友人で、いつも「堀江」と呼び捨てにしている。

経営会議が一段落したところで、またAさんの脱線が始まったのだ。

しかし、経営会議メンバーたちは、興味津々でAさんの話に耳を傾けている。

なぜなら、Aさんの「脱線」はいつも、経営会議なんかよりも、はるかに面白いからだ。

Aさんが言う。
「株式を分割すると、分割して増えた分の株が株主のところに来るまで、タイムラグがある。
その間、株主は、その分の株式を売ることができなくなる。
すると、株の買い圧力は同じまま、株の売り圧力が減るので、株価が上昇する」

そう言いながら、Aさんは、こんな図をホワイトボードに描き始めた。

「だから、ライブドアの株が分割されると、株価が上昇するんだ。
そうすると、堀江は、自分の保有しているライブドア株を、高い価格でどんどん売る。
『上昇しすぎている株価を適正価格に戻すため』という大義名分で」

「で、しばらくすると、分割した株が株主のところに届くだろ。
そうすると、株価がどんどん下がって、元の株価水準に戻る」

「すると、堀江は、
『株価が下がりすぎないように下支えするため』という大義名分で、
安い価格で買い戻すんだ」

「これを繰り返すことで、堀江は、バカみたいに儲けまくっている」

「あー、だから、ライブドアは、しょっちゅう株式分割をやっていたのか」

あまりの単純さに、経営会議メンバーたちは、あっけにとられていた。

多くの人たちが、必死こいて、大量の情報をかき集め、財務諸表を分析し、複雑怪奇な業績予測して、一か八かの危ない綱渡りをしながら、ようやく株で儲けている中、堀江さんは、信じがたいほどシンプルな方法で、安全、確実に、株で大儲けしていたのだ。

この事実に、誰もが驚愕していた。
本当に頭のいい人間とは、まさに堀江さんのことだと思った。

これが、法的にセーフなのか、アウトなのか、僕には分からなかった。

当時は、まだライブドア事件が起きる前だったし、
みんな、証券取引法の知識もなかったから、
そんな方法があったのかと、みなで、ひたすら感心したのだった。

もちろん、たとえこれが合法だっとしても、今は、こんな抜け道は、とっくに塞がれているだろうから、今更堀江さんのマネをしようとしても、無駄だ。

堀江さんが本当にすごいのは、当時、六本木ヒルズに入っていたベンチャー企業の経営者たちですら、ほとんどが気が付かないうちに、このことに気づき、実行し、個人資産を増やしまくっていたということだ。

言われてみれば、ごく当たり前の、シンプルな必勝法を、誰よりも早く気づき、誰よりも早く実行する。
なんとも痛快ではないか。

あれから十数年の月日が流れ、
月額1万円もするホリエモンのオンラインサロンに1500人も加入しているという話を聞くようになった。
堀江さんが、人々の知らないところで、どのようなことをやってきたのか知らない人たちは、
「ホリエモンに騙されて、カモられている人が1500人もいるのか」と思うかも知れない。
しかし、堀江さんの友人たちから伝わってくる、堀江さんのさまざまな金儲け手法を聞かされてきた私としては、あながち、彼らがカモだとは言えないかもしれない、という気がしてくる。

なぜなら、堀江さんの手法は、シンプルだからだ。

高度で複雑な株式売買手法だと、勉強して身につけるのにものすごく大変だ。
もともと十分に自頭がよく、かつ、忍耐強くないと、身につける前に挫折してしまうかも知れない。

しかし、堀江さんの、「膨大な情報の大部分を捨象してしまって、シンプルな手法で勝ちに行く」というスタイルであれば、それほど頭がよくない人ても、それほど忍耐強くない人でも、少しは身につけられるかもしれない、と思わせるところがあるからだ。

もちろん、堀江さんの手法は、法律スレスレの危うさを感じるところもある。
しかし、そもそも、スレスレのところを狙うのは、ゲームの勝ちパターンとして、王道なのではあるまいか。

ストライクゾーンスレスレのストライクを投げるピッチャーは強いし、
サッカーでも、スレスレのキワドイところへシュートすると決まりやすい。
YouTubeだって、AirBnBだって、法律スレスレというか、半ばアウトのところを狙って、あれほどの巨大企業に成長したのだ。

色んな意味で、今後も、堀江さんは、みなが目を離せない人物なのではないだろうか。


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