「会社を辞めて自由に生きたい人」にありがちな勘違い



このまま一生、会社で働き続けるなんて嫌だ。
会社を辞めて、もっと自由に生きていきたい。

そう思いませんか?

実際、それに成功した人はたくさんいます。

実は、僕も、その一人です。

「会社を辞めて自由に生きるコツ」を知りたいですか?

しかし、冷静に考えると、「会社を辞めて自由に生きる」って、ようは、「自分で商売する」ってことでしかないです。
具体的には、個人事業主になるか、会社を設立して経営するってだけのことです。
インフルエンサーだろうが、プロブロガーだろうが、Youtuberだろうが、全部同じです。

だから、月額3000円で「会社を辞めて自由に生きるコツ」を教えてくれるサロンに加入しても、教えてくれるのは、結局の所、「自分で商売するコツ」でしかありません。
そして、「自分で商売するコツ」のほとんどは、単なる「商売のコツ」でしかないです。

「商売のコツ」を書いた良書なんて、Amazonにたくさん売っています。
しかも、そんじょそこらのサロン主なんてまるで敵わないほど、圧倒的に結果出している超一流の人達が書いた、圧倒的良書です。
サロンなんかに通うより、それらを読破する方が、はるかに投資効果が高いし、優先順位も高いです。

「商売のコツ」を、「会社を辞めて自由に生きる方法」というパッケージングで売っているサロンがあるのは、単に、その方が高く売れるからにすぎません。

これは、グリシンを、「睡眠の質を高めるサプリ」とパッケージングして、通常の何十倍もの価格で売るのと同じです。
確かにグリシンの摂取は睡眠の質を高めるようですが、別に、睡眠改善用ではない、普通の食品として売っている格安のグリシンを飲んでも、効果は同じです。
どんな用途のものとして売られていようと、同じ分子構造であれば、効果は同じなのです。
パッケージに「睡眠の質を高める」って書かれていると、いかにもそっちの方が効きそうな感じがして、そっちを買っちゃう人が多いんですが。
「会社を辞めて自由に生きる方法」を教えるサロンに人々が入会するのも、同じ理由で、そっちの方が効きそうな気がしちゃうからという理由だけです。

もちろん、サロンには、本にはない利点があります。それは、ディスカッションです。
なんでも自由闊達に話し合えるサロンがあると、「商売のコツ」の学習も進みやすいです。
逆に言うと、「なんでも自由に話し合える空気じゃないサロン」は、避けた方がよいということです。
主催者側にとって不都合な疑問を述べるとアンチ認定されるようなサロンでは、心理的安全性がないので、自由闊達な話し合いはできません。
主催者側から一方的に情報を与えられるだけのサロンも、サロンの意味がないです。そんなサロンに加入するぐらいなら、普通に良書を読んだほうがマシです。

もう一つの問題は、そもそも、「会社を辞めて独立開業すれば、人生楽しくなる」というのが、勘違いだということです。

人生うまく行かないと、「自分の人生が辛いのは、自分が会社員だからだ」と思い込んじゃう人が時々います。
隣の芝生は青く見えるので、「会社員を辞めて、個人事業主をやった方が自由で楽しいに違いない」と思い込んじゃうわけです。
また、実際に会社員を辞めて、自分で商売を始めたらうまく行った人は、「自分の人生が辛いのは、自分が会社員だったからだ」と、確信を持ちます。

でも、逆の経験をした人も、たくさんいるんです。
個人事業主をやってたけど、会社員になって幸せになった人なんて、うじゃうじゃいます。
自分で会社を経営していたけど、会社を畳んで別の会社の会社員になって幸せになった人もたくさんいます。
それなりに稼いでいるプロブロガーが、プロブロガーを辞めて、会社員になったというケースもありました。

結局の所、幸せになれるかどうかは、雇用形態とはあんまり関係ないんです。

幸せになれるかどうかを決定するのは、実力、環境、運、錯覚資産です。
それらの方が、雇用形態などよりも、はるかに、決定的に、重要です。

実力があって、人間関係が良好で、運が良くって、仕事内容が面白くて、みんなにすごいやつだと思われて(錯覚資産)いれば、別に会社員だろうが、フリーランスだろうが、個人事業主だろうが、経営者だろうが、関係なく、毎日楽しく生きられるものです。

逆に、実力がなく、人間関係が悪く、運が悪く、仕事内容がつまらなく、みんなにショボイやつだと思われていれば、会社員だろうが、フリーランスだろうが、個人事業主だろうが、経営者だろうが、悲惨なことになります。

でも、毎日会社に行くのが嫌だって?
それって、実は、出社時間と退社時間が決まってるからというだけじゃないでしょうか?
ぼくが以前、サラリーマンをやっていたときは、文字通りの完全裁量労働制だったので、会社に行くのも行かないのも完全にフリーダムでした。
気の向いた時に会社に行って、気の向いた時に帰ってきてしまったので、ストレスなんてなかったです。
会社に行った方が、コミュニケーションしやすくて、仕事がやりやすかったから、会社に行っていただけです。

さらに言うと、それって、単に、会社の上司や同僚やお客さんが、あまり楽しくない人だからじゃないですか?
もしくは、単に良好な人間関係を築くのに失敗したからじゃないですか?
あるいは、単に仕事内容が楽しくないからじゃないですか?
あるいは、単に満員電車が嫌なだけなんじゃないですか?

それって、どれも、「会社勤め」が嫌ってこととは、別のことですよね。

自分で商売した方が、楽して、たくさん稼げる?
いやいやいや、夢見過ぎですって。得られる期待金額や、楽しさは、雇用形態とは、あんまり関係ないですよ。
得られる期待金額や楽しさを決めるのは、実力、環境、運、錯覚資産です。
実力があって、運がよけりゃ、どんな雇用形態だってうまくいきますし、実力も運もなけりゃ、どんな雇用形態だってうまくいきません。

でも、向き不向きはあるだろうって?
それはあります。
だから、会社員が楽しくない人は、独立開業も試してみる価値はあります。

しかし、それは、「会社に雇われる生き方」が「社畜」だからではありません。
単純に、自分にどのような雇用形態が向いているかという、向き不向きの話でしかないです。

だから、「脱社畜」とか言っている人に騙されてはいけません。

もし、自分が「社畜」だと思ったら、まず最初に検討すべきは、転職です。
自分が社畜なのは、「自分が会社員だから」ではなく、単に今の会社・部署・上司・同僚・部下・顧客が良くないってだけの可能性が一番高いからです。

次に検討すべきは、自分の実力です。
ぶっちゃけ、社畜になっちゃってる人のほとんどは、単に、実力のない人です。
実力がばりばりにあると、成果が出て、お客さんにも経営者にも上司にも感謝され、同僚にも部下にもちやほやされ、おれつえええええええ状態になって、毎日楽しくなっちゃうものです。
社畜どころか、自分がやりたいことを自分で選べます。というか、自分のやりたい仕事を、自分で作り出すようになります。むしろ、自分が作り出した仕事で、会社を養っている状態になります。そうなると、自分が会社に依存するのではなく、会社が自分に依存するようになります。そうなると、もう、全然社畜じゃないです。自分じゃなくて、会社の方が『畜』です。そうなったら、上司や経営者の顔色を伺うのではなく、逆に、上司や経営者の方がこちらの顔色を伺うようになります。もんのすごくフリーダムな状態です。むしろ、その状態になったら、積極的に、独立起業を考えてもいいんじゃないでしょうか。
つまり、因果関係が逆なのです。独立起業すれば脱社畜できるんじゃなく、脱社畜すれば、独立起業できるんです。

その次に検討すべきなのが、実績です。いい実績を作り込めば、その錯覚資産で、突然、いろんなものが好転し始めることがよくあるからです。
そもそも、実績もなしに独立開業するのはリスクが大きすぎます。実績こそが、元手と保険になるからです。
実績があれば、それを元手に独立開業もうまくいきやすいですし、実績さえあれば、独立開業に失敗しても、会社員に戻るのは、簡単なことです。実績もなしに独立起業するのは、命綱なしにロッククライミングするようなものです。

雇用形態を変えることを検討するのは、それらの検討が終わった後でいいんじゃないでしょうか。

自分の実力や実績のなさを直視する勇気のない人は、上記の選択肢をろくに検討することなく、「会社を辞めて自由に生きる方法」という「うまい話」にとびついてしまいがちです。

僕の父も、母も、ぼく自身も、「うまい話」に騙されたことがあります。人間って、どんなに気をつけていても、「うまい話」に、騙されちゃうんですよねえ。

老後の資金が不足している老人ほど、うまい話に騙されてお金を騙し取られちゃうように、現状が苦しい人ほど、そこから逃げ出したいために、うまい話にとびついて騙されちゃうんです。だから、会社で働くのがいやな人ほど、騙されちゃうんですよ。まあ、人間って、そういう生き物だから、しょうがないんですけど。

というわけで、「脱社畜」をウリにする情報商材やサロンを見かけたら、購入ボタンを押す前に、上記のようなことを思い出していただ方が、人生うまく行くのではないかと思います。


※ 錯覚資産については、この記事で解説しています。



ふろむだのツイッターはこちら



P.S. 面白い文章を書けるようにするクラブ参加申し込み受付中です。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

やったー!
1274

#マーケティング 記事まとめ

#マーケティングのタグがついた記事を中心に、マーケティングに関する理論や実践についての記事をまとめていきます。
11つのマガジンに含まれています