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Lilac(ライレック)イベントRecap: テック業界のジェンダーギャップディスカッション

どうもー、ドイツ在住、オーストリアのスタートアップSaaS企業/次世代ヘッドレスCMS、StoryblokでDevRel Engineerをしています、Arisaです。

Lilac(ライレック)をコミュニティとして発足してから約2ヶ月弱。

嬉しいことに、コミュニティメンバーの助けもあり、ほぼ毎月の頻度でイベントを開催することができています。

メンバーの皆さん、ありがとうございます!

イベント概要

- テック業界におけるジェンダーギャップ
- マイノリティーエンジニアとして参入してみて感じるジェンダーギャップ
- テック業界のジェンダーギャップの起源(国内外)
- 今後のアプローチ

概要別詳細

テック業界におけるジェンダーギャップ

さまざまな場面でこれは感じますが、なんといっても世界的に見てもジェンダーマイノリティーが少ない。

そして女性が圧倒的にテック業界には少ないです。

女性やジェンダーマイノリティーが大多数を占めるテック企業は、まだ私が把握しているだけでも、コミュニティメンバーが把握しているだけでも、まだほとんどないように思います。

国によっては、例えばインドでチーム形成した際には男女比がほぼ半々になることはあったという話は出ましたが、女性やジェンダーマイノリティーが大多数を占める例はまだ把握する限りはほぼないのが実情ではないでしょうか。

マイノリティーエンジニアとして参入してみて感じるジェンダーギャップ

私(she/her)は日本でも海外でもマイノリティーで、国外だとさらにマイノリティー要素(Asian)が加わるのですが、ギャップは正直大きいです。

事実に焦点を当てたいので、個人や企業を批判していることではないことはご了承ください。

エンジニアとして参入する前からすでにジェンダーギャップの土台は環境要因によって大きくできているのかなと、今回のディスカッションを通して思うところが大きかったです。

例えば、私の地元広島では、当時は理系大学は数が非常に少なく、あっても分野が限られていました。

家庭によっては私たちの世代はまだまだ「女の子は県外には出せない」という方針の家庭が多かったのも事実。

つまり

1. 「女の子は県外に出せない」という方針
2. 地元に理系大学が少ない/あっても私立か分野に限りがある

この2つに当てはまるか、どちらか1つにでも当てはまれば文系に行く要素が強くなってしまいます。(私は数学が苦手だあったのも後押しして文系しか考えになかったケースです)

でも面白いことに、女子が文系は多い説は共学だと多く、女子校、男子校ではそうではないことがメンバーとのディスカッションでわかりました。

女子校での経験シェアをしてくださったメンバーによると、理系と文系の比率はほとんど半々だったようで、進学して共学になり、男女比のアンバランスさに気がつくというケースもあるようです。

教育制度によっても、環境要因は大きく左右されていて、そこでもすでにテック業界のジェンダーギャップは始まっているのかもしれません。

テック業界のジェンダーギャップの起源(国内外)

面白かったのが、マーケティングによる影響も起因しているのではないかという話が上がったことです。

周りのエンジニアで、エンジニアになろうと思ったきっかけを聞いてみると、ゲームがきっかけであることが多いという意見が出ました。

私が知っているエンジニアも、ゲームがきっかけでテック業界に参入した人が多いように思います。

しかし、ゲームに触れる機会は、身体的に女性である場合は少しハードルが上がります。

マーケティングの戦略などの方向性を見ても、ゲームは男との子のものとしているものが、私たちが子供だった頃は多かったように思います。

メンバーの中にはプラモデルなどに興味があっても「女の子だから違うでしょ」と言う理由で、男兄弟は買ってもらえても、女の自分は買ってもらえなかったという例も聞きました。

色の性別イメージと似ていて、ピンクは女の子の色、青は男の子の色とイメージがついているのも、マーケティングによる影響は非常に大きいと思いますし、それと異なる色を好む場合は「おかしい」と言われたりすることによって、イメージに合わせるようになることも統計でわかっています。

テックに直接は関係がないかもしれませんが、興味のあるものをマーケティングにコントロールされたジェンダーイメージによって変えざるを得なかった場合が、結果的に文理選択にも影響したり、進学先にもとても小さな要因だとしても影響している可能性は否めないと思いました。

今後のアプローチ

とても深く多岐にわたるトピックなので、一回のイベントでは今後のアプローチを見つけることはできないと思います。

そのため、クローズドにコミュニティ内でこのトピックについてディスカッションをすることにし、コミュニティ内でまとまった意見や、一般公開したい意見に関しては、一般公開イベントとして公開することで、草の根運動をしていこうと言う結論に至りました。

やはり、一番こういう活動内容が届いて欲しい対象はdecision makersの企業のトップの人たちです。

1人だと声は届きませんが、世の中でこのトピックに関心がある人、実際に経験を共有したい人はたくさんいますから、その活動にLilac(ライレック)の活動が少しでも貢献できれば長い目で見ると何か変わると信じています。

まとめ

女性限定にして話し合うイベントを国内外でよく目にしますが、そろそろミックスにしてさまざまなジェンダーの人たちと意見をブレンドする時期なのでは?と思い、開催したイベントでしたが、結果として非常に良かったです。

センシティブなトピックなので、私も開催には少し勇気が必要だったのも事実です。

が、必要性を感じていた通り、ジェンダーマジョリティー側も興味を示しており、ライブで意見を聞き、ディスカッションし、アプローチを一緒に探したいという流れを感じた通り、非常に有意義なイベントになりました。

被害者を攻撃の的にしてしまう光景を日頃からよく見て学習しているジェンダーマイノリティー、女性の私たちは、「意見を言うことで攻撃の的になるなら言いたくない」と思うのが普通だと思うんです。

誰だって批判や攻撃はされたくない。

私たちが必要としているのは「理解」です。

まずは理解があってこそのアプローチなので、時間がかかることは承知で次の世代、次の次の世代の子どもたちが縮こまらなくても良いように、できるだけ多くの人に理解をしてもらえるよう努力することがまずは大切だと知りました。

時間はかかりますが、これだけ理解しようとしてくれている方が身近にいるということ自体が非常に大きな可能性なので、定期開催でどれだけの変化が得られるか、運営者として見届けていきたいと思います。

Lilac(ライレック)では、コミュニティメンバーからのリクエストや、イベントアイディアも積極的に募集しています。

プログラミング学習者向けの無料教材のオープンソースプロジェクトも始動しましたので、興味のある方はぜひ、テックスキル、知見、経験シェアのコミュニティ、Lilac(ライレック)にご参加ください。


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