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仕事を選ばないプロ。ミャンマーの人気俳優ネイトー

ミャンマーの俳優で欠かすことのできない圧倒的カリスマ「ネイトー」。ミャンマーのキムタクと言われ、その存在はもはや伝説。毎週のように新作映画で主演を張っている引っ張りダコの超人気俳優だ。彼の〝泣き芸〟と言われるまでに昇華された泣き顔は、僕も必死で練習を積み重ねマネたものである。最近は、このCMがお気に入りで毎晩練習している

一説には、その出演作の多さから「双子なのでは?いや、三つ子?」「金正恩のように影武者がいる」「軍事政権時代に英知を結集して生まれた量産型ロボットだ」などなど、諸説が出回っておるくらい、彼の姿を目にしない日はない。

先日開催されたミャンマーの2018年度アカデミー賞では、前評通りに彼の主演作品がいくつかの賞を受賞した。僕もアカデミー賞にノミネートされたミャンマー作品は全て鑑賞していたが、文句なしの受賞だと思った。なかなかの迫真の演技であった。外国人の僕から見ても、そのカリスマ性は否定しようもない。今回は、そんな大それた賞を受賞した直後のネイトーの1発目の新作映画を鑑賞してきた。

その名も「TAR TOO」である。

ポスターを見る限り、ゴリラ顔で女装したネイトーが前面に押し出されている。見るからに、控えめに言ってもB級映画だ。

「どうしたネイトー!?」

見る前から不安に感じざるを得ない。他人事ながら、彼の俳優人生を憂慮したものである。

大まかに説明すると、主人公であるネイトーとその新妻である夫婦が、嫁の兄、ネイトーからすると義兄と共に一軒家で生活をしているのだが、ある事件をキッカケにネイトーが事もあろうにその義兄に恋をしてしまい、様々なアプローチを試みて気を引こうとするなんともおぞましいストーリーなのである。

作中、何度も女装姿を披露するネイトー。どうみてもゴリラにしか見えない。先日、あんな輝かしい賞を受賞したばかりなのにその栄光を鼻にかけるでもなく、見る影もなく、汚れ仕事でもなんでもこなすネイトー。過去の栄光がなんだ。後ろは見ない、前しかみえねぇ。彼は演技を通してそう訴えかけているようにみえる。僕は彼にプロの俳優としての姿を見た。果敢に未知の役柄に挑戦していく役者魂を感じた。

作品自体はしょうもなかったが、ネイトーの魅力を再確認した作品である。ちなみに客席は大爆笑の渦であった。ミャンマー人にはしっかりウケている映画だったので心配はしないで欲しい。全ては杞憂だった。何をしても結果を出す漢。やはりプロである。

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Philip D徳 Marlowe

中学・高校は通わず、旅三昧。地方活性に携わるべく、大学卒業後に大手人材系企業に6年勤務し(内、2年間長野県小布施町役場に出向)、その後佐賀県庁に転職。現在はミャンマーへ移住しアジアライフを満喫中。座右の銘は「自ら機会をつくりだし、その機会によって自らを変えよ。」

緬映画評論家Nay Htun Khaingの部屋

緬映画をこよなく愛するミャンマー映画評論家Nay Htun Khaingです。どうぞよろしく。
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