辺境

文化人類学徒の山伏

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  • 南米・南極訪問記

    2019年末から2020年にかけての南米訪問をまとめました。

  • 旅先での考え事

    思考実験やポエムです。

  • アフリカ辺境訪問記

    アフリカ辺境訪問記をまとめました.

  • アジア訪問記

    アジア訪問記まとめ。中央~南アジア中心です。

  • ヨーロッパ辺境訪問記

    ヨーロッパの辺境を訪問した記録です。

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南極行ったらさすがに旅に満足をした話

 2019年から期限のない早足の旅を続け、ついに2020年1月に南極を訪問し大満足し「これで旅の生活に区切りをつけられるぜ!ウェーイ!」ってなって旅に区切りをつけた話です。  南極からアルゼンチンに戻ってきたその日に、どうしても記録に残したく記憶を総動員して書いていたら約2万字という学部の卒論レベルの文字数に達しました。多くのどうでもいいことは自分のために書いていますので、写真を中心にご笑覧ください。 ◇ 「宇宙よりも遠い場所」は、果てしなく遠かった。 南極への道のり。

    • 壁と卵

      SHE株式会社で経営企画ユニットに所属している辺境です。入社エントリーリレーのトップバッターとなり、久々にnoteを書きました。会社に興味がある人もそうでない人も、ご笑覧いただけると幸いです。 本当の入社エントリーの話をしよう「入社エントリーを書いて欲しい」 うんざりするような底冷えがする冬のある日の昼下がり。スパゲティ―をゆでているときに、Slackの「スポポポッ」の通知音とともに人事から相談があった。スマホに表示される通知を見て、一瞬、やれやれ、と思った。ただ、そのあ

      • 交際0日婚3か月経過。所感と愛を語る

        痛めつけなくてもこの身はいつか滅びる。心に刻んだ感情の記憶装置は、長い時間をかけてすぐにではないがゆっくりと綻びが生じていく。 僕は、新婚と付き合い立てが同時に来る人生など想定していなかったが、事実は小説よりも奇なり、自分の身にTwitter&交際0日&プラトニック婚が起こり、この3か月は脳汁がドバドバ出ていた。そして間違いなく今後一生味わうことができない時間を過ごすことができた。記憶に手触り感を持った新鮮なうちに文章に保存しない手はないから書く。全体に流れるテーマは”愛とは

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        • 婚活RTA2時間でクリアした話

          2022年5月26日、出会って3回の方と交際0日で入籍を済ませました。名字も変わりました。そんな結婚エントリをここに記します。 結婚相手とのTwitterアカウントや、やりとり含めプライベートな話も書いております。自分の為の記録記事であり、読ませるつもりがないため、高めの有料記事にしております。僕が誰と結婚したのか、どんな経緯なのか、気になると~~~っても物好きな方は、ご祝儀と思って買ってください笑 *個人的には、とてもいい仮説を立てて最短でRTAを終わらせられたので面白い

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        南極行ったらさすがに旅に満足をした話

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          深夜の利尻山、日帰り宮之浦岳、降雪の比叡山

          noteを書き始めた理由は2つあるが、そのうちの1つが記憶の外付けHDDであった。自分が10年後見返した際に、できる限り詳細な事を文章で残しておきたく、2021年に登って印象的だった山の話を記録した。自己満足ではあるがせっかくなので公開します。その点この後読み進める方におかれましてはご承知おきください。 2021年、百名山をやりはじめるここ2年は多くの時間を山で過ごしてきた。 山をやり始めたきっかけは偶然以外の何物でもない。2020年4月の京都への引越し及び緊急事態宣言の

          深夜の利尻山、日帰り宮之浦岳、降雪の比叡山

          『10年間飲みかけの午後の紅茶に別れを告げたい』を全人類に推す

          友人であり、ライターの岡田悠さんから『10年間飲みかけの午後の紅茶に別れを告げたい』を献本頂きました。ありがとうございます。 読後感は、岡田さんの"ものの見方"と"狂気"に終始嫉妬でした。超絶面白いです。以下、詳細です。 岡田さんは、会社員の傍らライター活動をされ2019年より執筆活動を開始。気になった事を記録し続ける癖があり、2020年12月には『0メートルの旅』(ダイヤモンド社)を出版しています。 処女作の『0メートルの旅』はお世辞抜きで素晴らしい本で、物理的な世界

          『10年間飲みかけの午後の紅茶に別れを告げたい』を全人類に推す

          2021年上半期のおうちごはん

           2020年に世界の移動は大きく制限され、その"世界"に当然ではあるが私も含まれており、移動距離がグッと減った。その反動で自炊が増えた。とは言っても前から料理自体はしていたので、料理の幅やアレンジの方法が増えたといったほうが適切かもしれない。  1月。低温調理器を導入。食材面では大豆ミートを買いおいしく食べられるよう試行錯誤した。  2月。煎り酒・マルドンの燻製塩・ティンブール(ヒマラヤ山椒)を三種の神器として導入。  3月。通常の包丁に加えて出刃、菜切り、刺身包丁も加

          2021年上半期のおうちごはん

          井の中の蛙、0メートルの旅、禅問答

          「旅行」できなくなった世界で、「旅」を愛する、すべての人へ。 旅を始めたきっかけ。それは大学に入り世界が急に広がった時に感じたショックだった。 井の中の蛙、大海を知らず大学には日本のみならず世界から多様な人が集まってきた。ある友人は、入学は文系だが今後理系に移ってアインシュタインを学ぶと息巻いていて、また違う友人は医学部受験を目論んでいた。親が外交官や、誰もが知る上場企業の社長だという友人とも出会った。寮の中国人留学生の同期は飛び級をして20歳で大学院に入学をしていた。別

          井の中の蛙、0メートルの旅、禅問答

          サバンナで前兆を感じた話

           2017年の年末にケニア・ウガンダ・ルワンダの3か国を散策した際の日記がメモ帳から出てきました。海外旅行が遠い存在になってしまっている2020年ですが、アフリカの空気感を味わってもらえればと思い公開します。相変わらず長文なので写真中心にご笑覧ください☺️ 今自分がなぜここにいるのか、よく分からなくなる目覚めたら僕は飛行機の中で見慣れぬ街に着陸しようとしていた。昨夜は銀座にいたはずが、空港行きの電車でも機内でもビール🍺を飲んでいたせいで記憶が曖昧だ。 どうやらドーハ上空ら

          サバンナで前兆を感じた話

          山と共にあらんことを

           東京の中心にて欲望の限りを尽くし、辺境旅を経て世界の果てへと辿り着き知足の境地に至り、いよいよ比叡山の獣道に心の安寧を見出してしまった僕の物語。 何も考えず、東京へ吸い込まれる10年前、京都で学生生活をいよいよ終えて進路を考えていた。 「文化人類学の研究を続けたいが、経済的理由で院進は諦めよう。すると就職か。東京には、地方に比べて人・モノ・カネのリソースが大量に集まる。ゆえにビジネスチャンスやそれ以外の出会いも多く、結果として知的好奇心が満たされつづけるのではなかろうか。

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          5月のおうちごはん30枚

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          ここ一カ月半のきわめて個人的な話

          3月中旬から、世界を揺るがすウィルスの状況が刻一刻と変化する中、自分の状況も同じくらい刻一刻と変化をしていった。一カ月半の間で内定、引越し、就職、子供との暮らしを開始し、誰ともオフラインで会わずに一カ月が経った。 そんな現状ですが日々最高です。いつかの自分が忘れないように、きわめて個人的な日記を公開します。(全部で5分くらいで読めます) 第一章は3月末までの雑記。 第二章は4月の総括(※音声入力)。 第三章は激動の日常の中で、改めて旅について思う事。 個人的な話

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          京都移住完了報告

           ここ一年は世界をフラフラしていましたが、4月から京都のスタートアップに3人目の社員として入社することを決め、いま引っ越しを終えました。  今回は、長らく生活をしていた東京をあとにして、大学時代以来の念願の京都生活を始めるのでnoteにまとめました。どこまでいっても私事なので、読んでいただいたらありがたいのです…。  僕の場合、自分を旅人と名乗る事に違和感を覚える。旅は他の趣味と並ぶ単なる一属性であり、僕のすべてを形作るものではない。加えて、旅をしなくても追体験ができるこ

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          note界の狂人とワイン会

          アイデアだけでは意味がない 何か面白いアイデアを考える人が10人いたとする。そしてそれを実行に至るまで行う人はせいぜい1~2人だろう。それくらい、面白いアイデアを考えるという事と、それを実行するという事の間には隔たりがあるし、アイデアだけでは意味がないと言われる所以だったりする。 人にボリュームをゆだねる狂気のアイデア そして面白いアイデアのボリュームを人に委ねる人がいる。簡単に言えばこれは狂気の沙汰である。よくあるのが「RT×1時間勉強します」とか「いいねの数だけ腹筋しま

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          ランダムウォークの到達点

           南極の記事がnote編集部のまとめに掲載され、トロフィーをもらえ、実はかなり嬉しい気分に浸ってます。読者の皆さんのおかげですので本当に感謝しています。サウジアラビアの記事以来です。  この記事はこの2年間、いろんな場面での偶然に身を任せていた趣旨を描いた旅のプロローグとエピローグですが、おそらく記憶が曖昧になっているであろう30年後の自分に向けて書きます。 「赤坂でトーゴ料理食べませんか?」 唐突だった。友人からグループSNSで連絡が来た。2018年の4月の話だ。  一

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          自然の叡智ペリトモレノ氷河

           アルゼンチン中部のペリトモレノ氷河。最寄りの街エルカラファテから西に60kmバスで1時間半の場所に位置する氷河だ。  南米はアンデス山脈南端に位置し、南パタゴニア氷原からこの場所に氷河が流れる。氷河が行き着く先には三日月型の川があり、川の下部にはアルヘンティーノ湖という琵琶湖の二倍程度の、青色に輝く湖がある。紛れもなく青いこの氷河が瓦解して、川とその先に注ぐ湖を形成している。  氷河が果てしなく青い理由は、単に純度が高く高い氷だからだ。中を通る光は多くの波長の長い赤い光

          自然の叡智ペリトモレノ氷河