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棋士の日常(藤森哲也バージョン)

将棋のプロ棋士になって12年、よく聞かれるのが将棋の棋士が普段どんなスケジュールで活動しているかです。今回は藤森バージョンを皆様にお伝えしていこうと思います。

やはり中心になってくるのが対局(試合)です。これが月に3~4日です。対局はトーナメントの棋戦が多く、勝てば勝つほど今後が忙しくなっていきます。逆に負けが込んでしまうと対局が少なくなってしまうのです。対局に勝って忙しく、嬉しい悲鳴になりたいですね(笑)。

将棋の対局はテレビ棋戦のような持ち時間が短い棋戦から、順位戦のように持ち時間が6時間という長丁場のものもあります。1人6時間なのでお互いに目一杯持ち時間を使うと、朝10時からスタートした対局が夜の12時ぐらいまで続いたりもします。将棋の研究も大事ですが、普段からの体調管理や体力も大事になってきます。ジムやランニングをして体を鍛えたりする棋士も多く、なんだかアスリートのようです。

また、将棋の技術向上だけでなく、将棋をたくさんの人に広めるという活動も、棋士の重要な仕事のひとつです。僕の場合は自分の将棋教室を東京都の大田区で月に2回、開催しています。子どもの教室で、毎回たくさんの生徒が参加してくれます。僕が子どもが好きなので、いつも楽しく将棋教室をやっています。

今までは対局と将棋教室、あとは地方に行っての将棋普及やABEMAなどでの解説のお仕事がメインだったのですが、ここ数年はYouTubeチャンネル「将棋放浪記」の撮影の時間が一気に増えました。動画を毎日公開しているので1か月に30本分の撮影をします。将棋の対局実況がメインですが、1人のスタジオでずっとしゃべり続けて解説しています。もう慣れてしまいましたが、冷静に考えると面白い光景です(笑)。最初はチャンネル登録が3万人とかにいってくれると嬉しいね、なんて言っていたのですが、気付けば17万人。ありがたいですね。これからも動画を見る人が楽しく将棋を上達できるように動画更新を続けていきたいと思います。

そんな感じで、結構時間があるようにみせかけて、バタバタと忙しい生活となっております。10月は山形の天童、大阪の高槻、そして名古屋といろいろな場所に行ってイベントの出演などをしてきました。当然移動の時間が多くなってくるのですが、そこで登場するのが競馬の予想です。最近は新幹線や電車移動の時間で競馬を予想することが多いです。

先週の天皇賞秋は3連単2点という、今まで競馬をやってきた中で1番点数を絞って馬券勝負してみました。勝つのはイクイノックスとみて1着固定、そしてドウデュースをどうするかですが、3着は外さないだろうと読みました。ただイクイノックスに勝つために、勝ちに行く競馬をするとみて3着固定にしての3連単2点だったのですが・・・(2着欄はダノンベルーガとジャックドール)
馬券が外れてしまって残念ですが、イクイノックスの強い競馬を見ることができたのと、ジャックドールの勝ちに行く積極的なレースをみることができたので悔いなしです!3連単を30点買うという競馬友達に向かって、競馬の答えは1通りだからそれだと、買った瞬間に29点は外れているよ!もったいない!という謎のクレームを入れてその友達は馬券的中、自分は見事に外れるという可哀そうな人が今この文章を書いています。

今週はアルゼンチン共和国杯。また枠順が出ていませんが注目馬はゼッフィーロ。毎回必ず伸びてきて安定した成績を残しています。突き抜けるかはわかりませんが3着以内には来ると見ます。

あとはチャックネイト。レース映像を見てみましたが、切れ味勝負よりも距離延長の今回に妙味があると見ます。人気がない今回は面白そうです。以前チェックメイトという馬がいてチェス用語ということで、そっちのほうが将棋にちかいところはありますが、だから何だという話ですね。チャックネイト、これは狙い目です。あとは同じく人気のなさそうなアーティット。これは菅原明良ジョッキーなのが面白そう。

◎ゼッフィーロ
〇チャックネイト
▲アーティット

この3頭に注目しつつ、ほかに穴っぽい馬がいるかどうかを予想してみたいです!

ふじもりてつや
1987年生まれ。将棋棋士 五段。「迷ったら攻める」「攻めっ気120%」の棋風で知られる。映画 「3月のライオン」 前編・後編では俳優陣への将棋指導・監修を担当するなど、将棋の普及に尽力しており、自身のYouTube『将棋放浪記』は、チャンネル登録者数16.7万人を誇る(9月6日現在)。著書多数。
YouTubeチャンネル:将棋放浪記

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