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麻雀が楽しいのはプロといえないだろうか?

皆様こんにちは。魚谷侑未です。
今回はいつもと趣向を変えてポエム調でお届けします。
テーマは「麻雀が好きじゃなくなったらプロに近づくのか?」です。

いつからだろうか。心から「麻雀が好き」と言えなくなったのは。
正確には覚えていない。気が付くと、胸を張って「私が世界で一番麻雀が好き」と言っていたころの私はいなくなっていた。
かといって、当然のことではあるが、麻雀が嫌いなわけではない。でも、自分が好きなのは「麻雀」そのものではなくて、「麻雀で勝つこと」なんだと思うようになっていた。
今も昔も、ずっと変わらず麻雀は私にとって生きる意味だった。それは変わらないのに。

麻雀プロ1年目のころだろうか。SNSでDMをもらったことがある。
「麻雀が楽しいですか? ではあなたはプロではないですね」と。
当然のように反論した。私は大好きな気持ちでこの道を究めたいと。それが出来ると信じていた。
実は先日、とあるベテランプロも育成会で同じことを言っていたのを聞いた。
「麻雀が楽しいうちはアマチュアだ」と。

そして私にも、二人の言っていることがわかってしまった時期がある。
麻雀は私にとっての生きる意味だ。でも、好きでやっているわけではない。
そう思いながら麻雀を打っている日々は自分の中でもかなり長かったと思う。

「麻雀を心から好きと言えない私は、真の意味でプロになったのだろうか?」

あの時もらったDMの言葉は私の心に残り続けている。だからこそ、そんな風に考えたこともある。

きっと私は、世間から見れば羨むような成績を残しているだろう。
でも、私自身は常に卑屈だった。
それはある意味、自分の長所でもあるのかもしれない。常にネガティブだから、自分自身に対して満足したことがない。強くなりたいと思う探求心を持ち続けている。
私のプロ人生の中でも特に私を卑屈にしていたのは、リーグ戦でB2リーグまで降級したことと、Mリーグで成績が振るわないことの二つだ。
B2リーグでも苦戦する日々に、「私の適正リーグはもっと下かもしれない」なんて自嘲していたのだ。
きちんと自分と向き合うこともせずに。最大限の努力をせずに、自分と向き合うことから逃げてきた。

それが少し前までの私。

今、何年ぶりか分からない「純粋に麻雀が楽しい期」です。
麻雀を打つことが義務だ。宿命だ。私の生きる道だ。という、気持ちじゃなく、純粋に麻雀を楽しめる日々。
公式戦で打つ一番の真剣勝負も、麻雀プロ同士で行う勉強会も、ファンの方と打つイベントでの麻雀も。
自分の伸びしろを感じて、ワクワクして。もっと強くなって、もっと高みを目指せるような気がして。
そんなワクワクな日々を過ごしています。

そして今になって気づいたことを、一年目の私に言ってあげたい。
「麻雀が大好きで楽しいと思っている方が絶対に麻雀が強くなる」って!
麻雀が楽しいからプロじゃないなんてことは絶対にない。むしろ、楽しんで、好きでいてあげて。そうすれば自然と強くなれるから。と、伝えたい。
これから歩む長い麻雀人生。また麻雀が楽しくないと思う時期も来るかもしれないけど、それでも私は麻雀を辞めることはないし、きっと一生共に歩み続ける。
私にとって、麻雀をするということは自分に課せられた宿命だと思っているから。
だけど、今はただ「楽しい!もっと強くなりたい!」と思える毎日を純粋に楽しんで生きていきたい。

さて、その心境の変化はどうやって起きたの?と思いますよね。
一つは、筋トレをきちんとするようになって、気持ちが前向きになっていること。
もう一つは、とあるプロからかけられた言葉にモチベーションを貰いました。
筋トレと麻雀の組み合わせがとにかく良い事については次回のコラムに書くことにします。
もう一つのエピソードトークは少し気恥しい気もするのでどこかで機会があれば…。

今回も最後までご高覧いただきましてありがとうございました。

うおたにゆうみ
十段位、王位をはじめ数多のタイトルを手にしている麻雀のトッププロ。2018年のドラフト会議でセガサミーフェニックスから1位指名されMリーガーになると、2019年にレギュラーシーズンMVPと最高打点賞の二冠を獲得。その実力で「麻雀に男女差はない」を証明し続けている。
麻雀プロを志す前は騎手を目指しており、実際に競馬学校騎手課程を受験したという経歴の持ち主。
X(ツイッター) @yuumi1102

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