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アルアイン後

香港ヴァーズに出走予定だったシャフリヤールは、「馬体チェックにおいて健康上の問題をかかえている疑いがある」とのことで出走が叶いませんでした。しかし馬の状態自体は良いようで、帰国後は有馬記念を目指して調整されています。
今週末、私は現地で観戦することはできませんが、ダービー馬の名に恥じない走りをしてくれることでしょう。そして何より、全馬無事に、ドリームレースを走り終えることを祈っています。

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アルアインの活躍で、すっかり「一口馬主・山本昌」として周知されるようになりました。「相馬眼がすごい!」「趣味を極めている!」なんて言っていただく機会も増えました。馬主資格を取らないのか?という質問を頻繁にされるようになったのもこの頃です。
その当時から、「今は解説者の仕事をしっかりやって、時間に余裕が出てきてからにします」とお答えしてきました。「その時は、(愛車の)ランボルギーニ・ミウラを売却して購入資金に充てますよ!」と(笑)。

今でも、セレクトセールの時期になると、私の競馬仲間のところに、マスコミ関係の方から「今年は、山本さんはセレクトセールに行かれないんですか?」という連絡が来ているみたいです。大魔神(佐々木主浩さん)や番長(三浦大輔さん)などは馬主としてファンの間に広く知られていますし、現役ではソフトバンクホークスの柳田悠岐選手がセリで競走馬を落札して話題になりました。あれだけ競馬関連の番組に出て、出資馬の話もしていれば、次は山本昌だと考える方も多いのでしょう。実際に、今年のセレクションセール後には、「山本昌、つい馬主資格取得か!」みたいに言われました(実際のところは、このコラムで書いた通り、落札したのは私ではありません)。

正直に言うと、今は、とてもいい距離感で「馬主」を楽しめているという実感があります。競馬は最高の趣味として楽しんでいますが、ありがたいことに野球の解説や講演会などのお仕事もたくさんいただけています。野球界に恩返しをしたいという気持ちもあります。
何事も極めたいという自分の性格上、馬主資格を取るとなったら、牧場に通い詰めないと気が済まないでしょう。だから、しばらくは、今の距離感がちょうどいいかな。一口馬主なら、1億円するような馬にも出資できますしね。

さて、「アルアイン後」の話です。
アルアインの次の代に出資した「ドラ1」はブレステイキング(父ディープインパクト・母シユーマ)。デビュー戦を単勝1.3倍に支持されながら6着に敗れた時は血の気が引きましたが(ちなみにこのレースで1着だったリビーリングも出資馬でした)、2戦目で勝ち上がり。デビュー4戦目のプリンシパルSでは、不利な13番枠から直線で猛然と追い込んだのですが、コズミックフォースにアタマ差及ばず。2年連続のダービー出走とはなりませんでした。その後は4勝を挙げてオープン入りを果たし、今は大井競馬所属で頑張っています。

その次の代の出資馬はミディオーサ(父ディープインパクト・母ミスエーニョ)。アルアインで皐月賞を取った後の募集だったので、「次は牝馬クラシックを狙おう」というテーマでした。デビュー前の取材時には厩舎長から絶賛されており、非常に大きな期待をかけていたのですが、鼻出血や骨折に悩まされ2勝止まり。続くペルラネーラ(父ディープインパクト・母シユーマ)もまた生涯を通じて鼻出血との戦いを強いられ1勝止まり。“無事是名馬”を痛感させられる結果が続きました。と同時に、僅か3世代目に現れたアルアインは、まさに神様からの贈り物だったんだろうな、とも。

しかしアルアインから4年。神様は、再び私に素敵な贈り物を用意してくれていたのです。
(次回は1月9日公開)

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