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冬の防災無線

午前十時半。埼玉県さいたま市の防災無線が、コロナ予防の徹底を呼びかけている。日々の習慣となった定時の定型文の繰り返し。清水市長。十二月の北関東の空気はとても乾いて澄んでいて、どこまでも遠くまで響きそうだが、雲のあるところまで届くかどうかはわからない。
他方、今朝のラジオはオレンジ色の落語家の訃報を不意に伝える。その声は確実に山脈を越えて、新潟にまで、届いているだろう。とにかく声が大きいことで知られるその落語家が、自らの故郷として喧伝していた新潟県チャーザー村……。市町村合併によって、行政上の地名として現在も存続しているかどうかは詳らかではないが、かつてチャーザー村と呼ばれていた土地に所縁のある人々の所にまで、確実に届いていることだろう。
 この数日間は、ずっとこんな感じの青天が続いている。感染者数は増え続けている。天気予報によると、クリスマス頃には雨が降るらしい。

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冬空に訃報が届く。
どこまでも、青くて、遠く、
そして冷たい。

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