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第1話: 13日未明、農園地域の情報が入る

13日の未明、千曲川氾濫のニュース。

フルプロ農園がある赤沼地域は、長野市が誇るりんごの名産地であると同時に、台風19号で千曲川が決壊した穂保地区の隣に位置していた。

明け方には、事務所(といっても、代表・徳永の代々続くりんご農家の1階部分に間借りしていたため、建物自体はこの地域にありふれた日本家屋である)と、玄関横にある倉庫が全て水没したとの情報が入った。

倉庫には、台風前日の11日金曜にはすでに梱包を終えて、運送業者さんに引き取ってもらうはずだったシャインマスカットが200箱ほどと、台風前にせっせと収穫したりんご(シナノスイートとシナノゴールド)が保管されていたが、すべて濁流に浸かってしまったというのか...。

さらに、農薬散布に使う"SS"(どこの農家も持っている赤い車で、農薬散布の朝には、この地域一帯のりんご畑の脇や道路で、夜明け前の4時頃からこの車で農薬をまくりんご農家の姿が見られる)や草刈機なども、エンジン部分ごと水に浸かってしまった。

そしてりんご畑は...。



山手にある畑以外は見た目で2m以上がつかり、樹の先端部分のみが水面から頭を出している。
テレビのニュースによると、この台風被害による浸水は、最大で4m32cm。それがまさに赤沼地域だった。

水が引いても、下水などを含んだ汚水にいちど浸かってしまうと、大腸菌などさまざまな菌がついてしまい、表面部だけでなく中にまでしみ込んでしまう。...そして、そういったりんごはもはや通常の状態では市場には出せないことになっている。

今年のりんごはもうダメかも知れない...。
事務所には、お客さんから予約があったりんごの発注書が今年はたくさん置かれていた。
そのほとんどが、11月から収穫され、春先にかけて出荷される「ふじ」の注文だったが、蜜がたっぷり入るうちの看板品種であり、農園の樹の7割を占める「ふじ」が、今年はたったの一玉も収穫されることなく、誰の口にも入らないのか...。
これが現実だとは、まだ受け止めたくはなかった。

第2回:「今年のりんごは出来が良さそうだ」へ続く。

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