背景

課題

　「既存配線を維持したまま、新しいネットワーク機器と配線を導入してほしい」という要望を実現するにはいくつかの課題が存在します。

1. 既存配線の状況を見る限り、ラック間を接続する新たなケーブルを導入するスペースはなさそうです。しかも一定のネットワーク冗長化と安定性を実現するためにケーブル配線も必要です。

2. EU離脱に伴う関税の引上げへの配慮。

3. かなり短い納期：新倉庫施工の完成に備え、ITインフラ基盤の導入作業を３カ月内に完成しなければなりません。

4. ネットワーク全体の高い冗長性・安定性

取り組み

　遠隔会議を通して、FSの専門家チームはBuy It Direct社のIT担当と様々な意見と情報を交わしました。各ラックの配置、具体的な配線状況など既存のネットワーク構成を把握したあと、お客様の要望に応じて柔軟な構築ソリューションをFSは２案提案しました。

１、スタック構成

　故障時でも通信できるように、コアスイッチ間の接続を1ペア増設しました。スタック接続によるスイッチの冗長化はより多くの接続口を提供し、高い柔軟性・拡張性を実現するだけでなく、コスト削減にも繋がります。

２、スタック接続＋MLAG

　MLAG構成を利用することで、STPによるトラフィックの輻輳を回避し、コアスイッチの性能を最大限に引き出せます。独立したコントロールプレーンと障害ドメイン（Fault domain）により、リンク帯域幅の配分を適切に制御・監視することが可能になります。アップリンク障害を防ぐためのS5850シリーズスイッチを選びました。オフィス内の可能な有線接続台数を確保するために、スタック接続を利用し、ネットワークセキュリティの強化を狙いました。

　倉庫エリアとオフィスエリアのネットワークを別々で管理するために、FS専門家チームはコアスイッチのスイッチング容量を細かく計算しました（スタック接続・MLAGを含む）。２レイヤを構成するPoEスイッチとコアスイッチの組み合わせは、１レイヤごとに４−５台PoEスイッチを設置しました。

効果