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ウクライナ軍総司令官、苦戦認める 「ロシア軍が複数方面で戦術的成功」

(今まで、散々、フェイクニュースを発信していたヤフーが、
珍しくウクライナ苦戦の記事を載せたので、
メモとして残しておく:フランク)


2024年04月29日(月) 

ロシアによるウクライナ侵略で、
ウクライナ軍のシルスキー総司令官は28日、
「露軍があらゆる前線で活発な攻勢を展開し、
いくつかの方面で戦術的成功を収めている」
とSNS(交流サイト)で発表し、
自軍の苦戦を認めた。
同氏は「過去1週間、各前線で激戦が続き、戦局は劇的に動いている」
とも述べた。

米シンクタンク「戦争研究所」は25日、
「米国の軍事支援が到着してウクライナ軍が戦力を回復させる前に、
露軍が攻勢に出ている」と分析。

2022年4月15日のBBCNewsJapanの記事から

シルスキー氏の発表はこれを裏付けた形だ。
シルスキー氏は、
東部ドネツク州アブデーフカの北西方面が
「最も困難な状況」にあるとし、
この方面でウクライナ軍が後退していることを認めた。

一方で、露軍のさらなる前進を防ぐために
損耗した部隊の交代を進めていると説明した。

2022年4月15日のBBCNewsJapanの記事から

シルスキー氏は、現在の最大の焦点となっている
ドネツク州チャソフヤル方面も「激戦地のままだ」と述べた。
チャソフヤルは、
ウクライナ側が保持する同州の主要都市クラマトルスクや
スラビャンスクを守る防衛線の一角。

露軍がチャソフヤルを制圧した場合、
主目標とするドネツク州全域の制圧に近づく。
シルスキー氏は、
東部ハリコフ州や
南部ザポロジエ州の戦況も緊迫しているものの、
両方面では露軍に目立った前進を許していないとした。

ウクライナは現在、
米軍事支援や今後の追加動員で戦力を回復させ、
将来的な反撃につなげたい構えだ。

ただ、専門家の間では、
ウクライナはこれらの措置で劣勢を相当程度解消できるものの、
優勢を得るまでには至らないとの見方が強い。
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戦争研究所
Institute for the Study of War

2007年キンバリー・ケーガンによって設立。

キンバリー・エレン・ケーガン(Kimberly Ellen Kagan
ニューヨーク市出身のユダヤ人会計士兼学校教師のカルマン・ケスラーと
妻のフランシスの娘です。

ロシア・ウクライナ戦争を分析する“基礎資料”

戦争研究所(ISW)のレポートが連日メディアに登場するが、
同研究所そのものが表舞台に出ることは稀だろう。
創設は有名なネオコン一族、幹部には軍の有力OBが名を連ねる一方で、
研究員は若手中心に30人ほどであり組織の収入も多くはない。
近年主流の「アドボカシー・タンク(唱導型のシンクタンク)」から敢えて
距離を置くかのような戦争研究所には謎も多い。

ロシア・ウクライナ戦争勃発以来、
アメリカの戦争研究所(ISW)が発表する戦況レポートは、
メディアで紹介されない日はないと言ってもよいほど、注目を集めている。しかし、奇妙なことに、その注目度の高さに反して
戦争研究所それ自体の情報は乏しい。

事実、アメリカのメディアでこのシンクタンクに焦点を当てたものは、
2014年に国際政治学者のスティーブン・ウォルト
『フォーリン・ポリシー』誌上で発表したレポート [1]や、
同時期に発表された『ネイション』誌のレポート[2] ぐらいであり、
しかも前者は戦争研究所そのものを取り上げたものではない。
シンクタンク・ウォッチ」というアメリカのシンクタンク情報を
定期的に更新しているサイトを見ても、
戦争研究所についての情報はごくわずかである。

ISWの企業評議会の元および現在のメンバーには、
レイセオン
マイクロソフト
パランティア、
ゼネラルモーターズ
ジェネラル・ダイナミクスおよび
カークランド&エリス

が含まれる

ISWとはいったいどのような組織なのか

https://nihonkosoforum.org/report/20220823/2/

ISWは、2007年にレイセオン社とゼネラル・ダイナミックス社が
資金提供をして設立された、防衛と外交政策をメインに取り扱う
シンクタンクです。
ご存知の方もおられるかもしれませんが、
このレイセオン社とゼネラル・ダイナミックス社というのは、
いずれもアメリカを代表する巨大軍需企業です。
今はこの2社以外にも、ISWの出資者の中には
複数の軍事産業が含まれていますが、設立時の出資者はこの2社です。

レイセオンと言えば、
今回の戦争で話題となったジャベリンやスティンガーミサイルなどは、
いずれもレイセオンの商品です。
要するに、この戦争の一番の利害当事者なわけです。
まずはISWが、アメリカ軍需産業と密接な関係を持つ
シンクタンクであることを理解しておいてください。

そしてさらに重要なのは、
このISWがどのような人々からなる機関かということです。
ISWの所長を務めているのはキンバリー・ケーガンという女性なのですが、実はこのケーガンという名前は、
現代アメリカの政治に多少詳しい方であれば聞いた瞬間に
「ああ、あのケーガンか」とピンとくるくらいには有名な名前です。
というのも、ケーガン一家はいわゆる「ネオコン」の有力者として、
アメリカにおいてたいへんよく知られる一族だからです。

ネオコンとは
「ネオコンサバティズム(neoconservatism)」の略語です。
端的にこれは何かと言いますと、
いわゆるアメリカ的な民主主義思想・政治思想を、
場合によっては武力を用いてでも世界に広めていこうという思想です。

ネオコンの人々は、他国との協力や合意に向けた交渉を嫌って
自国の理念や国益を一方的に推進しようとする、
いわゆるユニラテラリズム
(日本語では「一国主義」「単独行動主義」といった訳語をあてられる)の側面を持ちます。

しかも少々厄介なことに、
こうした理念を、経済的な動機というよりは、
宗教的とも言える情熱的なモチベーションで
熱心に推し進めているところがあります。
元々のルーツは、
ソ連のスターリン的な共産主義に幻滅した
ロシア系ユダヤ人のトロツキストたちが、
民主主義に宗旨替えして
理想の国家や世界を建設しようとしはじめたところにある
とされています。

ネオコンの大きな特徴として挙げられるのは2つです。

一つは
「武力を用いてでもアメリカ的な民主主義を世界に
あまねく広げていくべきである」という思想というか信念が
根底にあることから、自ずと軍需産業と強い結びつきを有していること。
軍需産業の側からすれば、
ネオコンが政治の舵を取ることが自動的に自分たちの利益増大に
直結しますし、ネオコンの側も軍需産業から
お金を引っ張ってくることができるので、
両者の間には相互依存的な関係が成立します。
後に詳しくお話ししますが、
このことはロシア – ウクライナ戦争の構造を読み解くうえでの
一つの重要なポイントになると私は考えています。

そしてもう一つの特徴は、
圧倒的にユダヤ系の理論家的な人々が大半を占めていることです。
イェールやハーバード、MITといった名門大学の出身者が多く、
その多くは修士課程はおろか大抵は博士号を持っている
超エリートでもあり、理論面での修練を十二分に積んだ人たちです。

彼らの主張は
一見かなり荒唐無稽だったり無謀だったりするように見えますが、
Ph. Dも持っていない論者が下手に彼らに正面から議論を挑もうものなら、
5分で論破されて返り討ちにあうことが必至です。
それほど優秀な専門家や理論家が集まっていることも、
ネオコンの大きな特徴の一つです。

このネオコン勢力における現在の「スター」が、
先に述べたケーガン一家ですが、
キンバリー・ケーガンの義父にあたるドナルド・ケーガン(2021年に死去)は、イェール大学で教鞭を執っていた著名なネオコンの論客でした。

また、キンバリーの夫のフレデリック・ケーガンは、
現在AEI(アメリカン・エンタープライズ・インスティチュート)の
研究員ですが、このAEIも時折日本のメディアが
ウクライナの戦況分析でISWを補足するかたちで引用しています。
要するに我々は、ケーガン夫妻の戦況分析をもとに
ウクライナ戦争を理解してきたわけです。

フレデリックの兄、
つまりドナルド・ケーガン教授の長男ロバートも
有名なネオコン論者なのですが、
最も驚くべきは、このロバートの奥さんであるビクトリア・ヌーランドは
現在、アメリカ外務省で現在ウクライナ政策を担当している、
現役の国務次官であることです。

こうした人々が中枢にいる組織から得た情報が、
日本では客観的かつ中立的なもののようにして扱われ、
戦況判断の材料としてさしたる論評もなく用いられているのです。

ISWの所長がキンバリー・ケーガンであることは先にお話ししましたが、
その夫であるフレデリック氏も、
AEIのほうでシニアフェローを務めています。
そして、これらのシンクタンクに対して出資を行っているのが、
レイセオン社やゼネラル・ダイナミックス社をはじめとする軍需企業、
つまり今回のロシア – ウクライナ戦争の利害当事者であるわけです。

この戦争に対してお金がつぎ込まれればつぎ込まれるだけ売上が増える、
そういう立場の組織から出された情報を、
一も二もなく素直に受け取るべきなのか。
少なくともこれらの組織の性格を考慮したうえで
情報を読み解いていかないと、
判断を誤る場面もありうるのではないかと、私は考えざるを得ません。

以下省略。全文はリンク先を参考にして下さい。

フレデリック・ケーガン Frederick Kagan
キンバリー・ケーガン(Kimberly Ellen Kaganの配偶者
アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の米国駐在学者
ロバート・ケーガン(Robert Kagan
ネオコンの代表的論者
イラク侵攻推進者
ビクトリア・ヌーランドビクトリア・ヌーランド Victoria Nuland
ロバート・ケーガン Robert Kaganの妻
ドナルド・ケーガン(Donald Kagan
リトアニアのユダヤ人の家庭に生まれる。
フレデリック・ケイガンとロバート・ケイガンの父親
新保守主義(ネオコン)論者

ロバート・ケーガンの品性
https://isfweb.org/post-31181/

彼の人となり、品性について紹介したい。
拙著『復讐としてのウクライナ戦争』で紹介したように、
ジェフリー・サックスが2022年6月27日付で公開した、
ウクライナは最新のネオコン災害である」という
タイトルの小論において、
「米国は
世界のあらゆる地域で軍事的に優位に立たなければならず、
いつの日か米国の世界または地域の支配に挑戦する可能性のある
地域の新興勢力、とくにロシアと中国に立ち向かわなければならない」
を主要メッセージとする「ネオコン」(新保守主義者)の源流が
説明されている。

私はこの拙著のなかで、つぎのように記述しておいた。
「このネオコンの源流については、
1970年代にシカゴ大学の政治学者レオ・シュトラウスと
イェール大学の古典学者ドナルド・ケーガンの影響を受けた
数人の知識人のグループを中心に発生したとしている。

前者は1937年に米国に移住したドイツ生まれのユダヤ人であり、
後者はリトアニア生まれのユダヤ系で、幼少期に米国に移住した。

ネオコンの指導者には、
ノーマン・ポドレツ、
アーヴィング・クリストル、
ポール・ウォルフォウィッツ、
ロバート・ケーガン(ドナルドの息子)、
フレデリック・ケーガン(ドナルドの息子)、
ヴィクトリア・ヌーランド(ロバートの妻)、
エリオット・アブラムズ、
キンバリー・アレン・ケーガン(フレデリックの妻)などがいる。」

このロバート・ケーガンの品性については、
拙著『知られざる地政学』〈上巻〉の
第5章 覇権国アメリカの煽動とエスタブリッシュメントの正体」
において書いておいた。
ニコラス・スカウ著『驚くべきCIAの世論操作』に登場する
ケーガンについて紹介したのである。
少し長い引用になるが、サービスしよう。

「そこで、ニコラス・スカウ著『驚くべきCIAの世論操作』を
紹介しておきたい。
そこには、調査報道記者として名高いシーモア・ハーシュが、
ホワイトハウスはいまに至るまで、
ビンラディン殺害作戦は米国単独の企てであったと主張しつづけ、
パキスタン軍の情報機関である軍統合情報局(ISI)トップの将軍たちには、奇襲作戦について事前に知らせていなかったとしてきたことについて、
「しかし、それは虚偽であり、
オバマ政権の説明に含まれる多くの点も同様である」
と報じた話が紹介されている。

このスクープに対して、
政権側の反論を最初に掲載したのが
「CIAの忠実な友である『ワシントン・ポスト』紙だった」と、
スカウは書いている。
ハーシュの話は「まったくのナンセンス」と、
匿名のCIA職員がのべたというのだ。
ハーシュの記事が基本的に正しかったことはその後証明されている。
つまり、「ワシントン・ポスト」は「仲間」のCIAを守るため、
平然と「嘘」を垂れ流しつづけたのである。

1980年代のCIAとホワイトハウスによる
メディア操作のもっとも顕著な例として、
ニカラグアの反政府武装組織「コントラ」をめぐる話も紹介されている。
このコントラをめぐる問題でスクープを書いた
AP通信のロバート・パリーの話が実に興味深い。

彼は1980年代半ばに、
国家安全保障会議(NSC)の外交広報局
(OPD、正式には国務省のラテンアメリカとカリブ海地域に関する外交広報局[S/LPD])のロバート・ケーガンと親しく話しているとき、
彼がのべた内容をつぎのように書いている。
なお、ケーガンはすでに紹介したようにネオコンの論客であり、
「ワシントン・ポスト」のコラムニストを務めるまでになった人物だ。

「私はそうした話題を取材してみて、
誇張されたり、
正確ではないと判明したりすればそう書くわけですが、
彼らとしては気に入らない。
だから私はもう取り合わないようにしました。
するとあるときケイガン(ママ、引用者注)がこう言ったのです。
『その調子でやり続けるおつもりなら、
われわれはあなたを問題視化(´´´´)せざるを得なくなりますね』と。
さりげない口調でしたが、それが相手の本音でした。
いわば手の込んだ情報管理作戦といったところですね。」

いわば、30年以上も前から、
国家とマスメディアは「癒着」関係にあり、
国家の指示通り報道することが慣例化してことになる。

このように、ケーガンは、「
当局」のためには、
公然と「問題視化」によって、
ジャーナリストを排斥・排除することを厭わない人物ということになる。

「権力」に擦り寄るという目的のためには、
手段を選ばず、
情報操作など当然と考える人物ということになる。

そんなネオコンだからこそ、
大量破壊兵器開発というまったく根拠のない情報をもとに、
イラク戦争をはじめさせたことを想起してほしい。

ケーガンの全体としての主張

まず、全体として、
「トランプ独裁は不可避になりつつある。
私たちはふりをするのをやめるべきだ」において、
ケーガンが言いたかったことをのべておこう。

要するに、トランプ大統領が誕生すると、
米国はトランプ独裁になる可能性が高い。
ゆえに、希望的観測はやめて、
厳しい現実を直視しようというのである。
それは、安易な妥協やふりをするのをやめる主張となって提言されている。

どうやら、トランプ独裁という「脅し」をアピールして、
多くの読者に反トランプ感情を煽り立てようとしているかにみえる。
だが、民主党については、その分裂を嘆くだけで、
バイデン大統領候補の魅力については何も書かれていない。

以下省略。全文はリンク先を参考にして下さい。


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