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「腸は第二の脳」……ではない。腸内システムは脳をも支配している「第一の脳」である可能性が高まる。それが意味するところは「人間は細菌に理性までをも支配されている」ということで

投稿日:2018年6月2日 更新日:2020年9月22日

腸管神経系

現代の医学では「腸」は「第二の脳」と考えられている

「脳と腸」がきわめて密接な関係があることは知られていまして、
脳腸相関というように言われていますが、
平易に書かれてある記事から抜粋しますと、下のようなことです。

腸が「第2の脳」と呼ばれる理由は? 目には見えない「脳腸相関」のメカニズム
ヘルスプレス 2015/08/21

腸は「第2の脳」と呼ばれる。
脳と腸は、自律神経、ホルモンやサイトカインなどの
情報伝達物質を通して、互いに密接に影響を及ぼし合っている。
脳がストレスを感じると、自律神経から腸にストレスの刺激が伝わるので、お腹が痛くなったり、便意をもよおしたりする。
腸が病原菌に感染すると、脳は不安を感じる。
腸からホルモンが放出されると、脳は食欲を感じる。
まさに、腸は「第2の脳」だ。

腸内細菌のなかで神経伝達物資であるγアミノ酸(GABA)を産生する菌があることも確認されています。この菌が少ない子どもは、行動異常、自閉症などになりやすいとされています。自閉症の子どもに対して腸内環境の改善による治療が試みられています。

(ページ「脳腸相関が科学的に説明できるようになってきています」より)

私たち人間の遺伝子情報(ゲノム)は「自らの腸内細菌によってコントロールされている」ことが判明
投稿日:2018年1月17日
この記事はタイトル通り、
私たちの遺伝子情報は、腸内の細菌に支配されている」ことがわかったということが書かれてあるものです。

まずは、ロシアの記事です。


Ученые полагают, что у нас имеется нервная система, независимая от мозга
earth-chronicles.ru 2018/06/02

科学者たちは、私たち人間は、脳から独立した神経系を持っていると確信した

2016年に出版された
『あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた』
という著作です。
その内容は一言でいうと、
抗生物質により腸内の細菌環境が破壊されたことによる自閉症の発症」(もっと具体的な機序が本には書かれています)ということになるのですが、もちろん、これは一例であり、自閉症の原因の大半は今でもわからないままですけれど、問題は自閉症そのものの話ではなく、

「腸が理性をコントロールしている」

ということが、この本の中のいくつかのくだりなどでよくわかるのです。

脳が健全で正常であっても、細菌を含む腸のシステムが破壊されることで、「理性は消えていく」のです。

そして、おそらくとしか言いようがないですが、他のさまざまなメンタルに関する病気や症状の中にも、「腸内のシステムが破壊されることによって起きているものがある」という気がします。

なお、私個人が思う「腸内の状況に異変をもたらすものの代表格」は……
これは決して「全体に言えることではない」ということを
強調しておきたいですが、

・抗生物質
・グルテン

だというように、今は思います。

いずれにしましても、ずいぶんと長い間、私たちは「脳が人間の知性をコントロールしている」と教えられ、そう思い込んでいたわけですけれど、

「脳も腸にコントロールされている一部に過ぎない」

ということが最近の医学的研究でさらに明確になってきている
感があります。

正確にいえば、それは「腸」ではないのです。

それは、腸の「細菌」です。

人間の遺伝子が腸内の細菌にコントロールされているように、
脳が支配していると思われてきた「理性」や「人格」さえも、
私たちは腸内の細菌に支配されている可能性が高いようです。

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