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ケーガニズム:私たちを再び世界大戦へと導く人々

(この記事1本で現在のアメリカ政権の支配構造が理解できる。)

AUGUST 10, 2023 ERIC STRIKER
Kaganism: The People Steering Us Into Another World War, by Eric Striker - The Unz Review

イラク戦争の大失敗、オバマ政権の(ブッシュに対する)相対的な抑制、
そしてドナルド・トランプの2016年の反介入主義キャンペーンは、
新保守主義運動とその個性を一見失墜させたように見えたかもしれないが、彼らは轟音を立てて戻ってきた。

アメリカの外交政策におけるこの新たな段階は、
民主党でも共和党でもなく、
むしろ "リベラリズム "を求める超党派の21世紀の十字軍である
ケーガニズムとして特徴づけられるだろう。

リトアニアのユダヤ人の家庭に生まれ
1997年にはアメリカ新世紀プロジェクトの始動を考える新保守主義(ネオコン)
主要な声明書に自ら著名するようになっている。

ケーガニズムの家長であるドナルド・ケーガンは、
同僚のアーヴィング・クリストルやノーマン・ポドレツと
同様の知的軌跡をたどった:
1960年代にソ連がアラブ民族主義や反シオニズムを支援したことに反発し、レーガノイドの熱狂的な冷戦戦士へと変貌した
マルクス主義の学者たちである。

ドナルドは明らかに共和党陣営に属していたが、
彼の子供たちは新保守主義
(以前は福音主義キリスト教の票田を動員するために使われていた)の
「右翼」的要素を捨て、民主党にも共和党にも馴染む
統一アメリカ国家イデオロギーに置き換えている。

ドナルドの息子たち、
アメリカン・エンタープライズ研究所のフレデリック・ケイガンと

Frederick and Kimberly Kagan touring Basra in 2008.

ブルッキングス研究所のロバート・ケイガンは、

ロバート・ケーガン(Robert Kagan、1958年9月26日 - )

ジョージ・W・ブッシュ政権時代には
新アメリカ世紀プロジェクト
(Project for the New American Century, PNAC)
「フォーリン・ポリシー・イニシアティブ」といった
シンクタンクを通じて大きな影響力を持っていたが、
現在ではトランプ化によって
共和党がユダヤ系エリートから疎外されたことを受けて、
共和党から大きく距離を置いている。
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アメリカ新世紀プロジェクト

( Project for the New American Century, PNAC
メンバー
PNACの議長はウィリアム・クリストル
現会員及び元会員には、
ドナルド・ラムズフェルドポール・ウォルフォウィッツ
ジェブ・ブッシュリチャード・パールディック・チェイニー
ルイス・リビーウィリアム・ジョン・ベネットザルメイ・ハリルザド、エレン・ボーグ(ロバート・ボーグ裁判官の妻)、ジョン・ボルトン

新しい真珠湾攻撃

PNACは、アメリカ同時多発テロ事件の1年前に当たる2000年9月に、
アメリカ防衛再建計画[10]を公表した。
同文書では、「アメリカの防衛体制は、
新しい真珠湾攻撃のような破滅的な出来事抜きには、
その再建のプロセスは長期間を要するものになるであろう」
と述べられており、同時多発テロ事件後に、
これを口実にアフガニスタン紛争イラク戦争対テロ戦争に介入。

PNACがアメリカ同時多発テロ事件に関与していたという
陰謀論の論拠のひとつとなっている。
その思想とメンバーの多くは、タカ派アメリカ新保守主義(ネオコン)の政治理論に関係している。
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PNACでは、
ケイガン一家は主に、
サダム・フセインやバッシャール・アル=アサドを打倒し、
イランの首を絞めるために米国を利用することで、
イスラエルの権力を拡大することに関心を寄せていたが、
2006年までには、ロシアや中国が西側(ユダヤ系と読む)の金融機関や
文化的価値観とどのように接するかを
よりコントロールしようとすることで、
ロシアや中国に対する疑念や敵対心を強めていった

ロシアと中国が国連での乱暴な投票から、
ワシントンの介入者と直接対決する
準備の整った修正主義的な大国へと進化したように、
時間の経過とともに、ケーガニズムの懸念は正当化された。

ケーガン主義者たちは、中国、ロシア、イランの台頭を、
戦争と自由貿易に疲弊したアメリカ国民のせいにしている。

彼らは2016年、ヒラリー・クリントンに圧力をかけ、
TPPへの支持を撤回させる戦術をとった
(この動きはケーガンを激怒させた)。

ほとんどのアメリカ人にとって、
国家を破壊するような貿易赤字
(その実、従属を買うための補助金である)、
何兆ドルもの戦争、世界帝国を監督するために必要な死体袋の山は、
地理的に恵まれ、資源に恵まれたアメリカの幸福にとって
必要でも価値もない。

2019年、現国務長官のアントニー・ブリンケンと、
ヴィクトリア・ヌーランド国務次官の夫であるロバート・ケーガンは、
両党の一部で受け入れられている
「アメリカ・ファースト」のメッセージを非難する
論説を発表し
ユダヤ人が保有する少数派の国際主義エリート・コンセンサスを
シンクタンクが数十年にわたって作り出してきたことを繰り返した。

ブリンケンとケーガンによれば、
現実主義の世界とは、各国がユダヤ人の手先から解放され、
アメリカの血と財宝がアメリカ人の利益のためだけに
確保されるような世界であり、
新進のヒトラー(プーチン)、ムッソリーニ(イラン)、
ヒロヒト(中国)が
(ケーガン主義者たちは、
英語圏におけるヨーロッパ人の人口置換を支持しながらも、
自分たちの文明プロジェクトを特定するためにこの言葉を使う)
「英米」リベラル・グローバリズムの覇権に対抗する
「反民主主義」革命を広めることを許す「ジャングル」なのだという。

ケーガニズムの教義のもとでは、

世界的な紛争に対する唯一の解決策は、
文化や政治的伝統の異なる主権国家との外交を拒否し、
代わりにニューヨーク
金融と自由貿易の優位性として説明される
「アメリカ的」価値観を世界中にボルシェビズム的に
輸出することによって、彼らを殺し、置き換えることである

恣意的で非合法な政権交代戦争、開かれた国境と人々の自由な移動、
人種的多数派
の積極的な士気低下と無力化、
その他ユダヤ開放社会の綱領は、
「ファシズム」や「反ユダヤ主義」の潜在的な種を
すべて塩漬けにすることを意図している。

ケーガニズムの中心的な国内政治理論は、

リベラリズムは「ポピュリズム」
(ケーガン派はこれをファシズムの一系統と見なしている)、
言い換えれば民意と常に拮抗していると主張している。

ケーガン主義者は、

政治指導者の民主的説明責任、
(少なくとも異邦人の場合には)利己的なトレードオフ、
思想の自由な議論などを、
抑圧し押し通すための気晴らしや些細な不都合とみなしている。

ケーガン主義者は、

フランクリン・デラノ・ルーズベルトがアメリカ国民を欺いて
ドイツと日本を相手に世界大戦を戦わせたことを
称える最新の著書で示している

戦争研究所(ISW)では、
フレデリック・ケーガンとISW創設者のキンバリー・ケーガン
(フレデリックの妻)が、
陸・海・空と変わらない戦闘領域としての情報空間について
幅広く執筆している

ケイガニズムのもとでは、

市民の心は型にはめられるべき粘土であり、
アメリカ政府とビジネスエリートの役割は、
"誤報 "を取り締まるという名目で、サイバー空間とマスメディアを
コントロールし操作することによって、
ユダヤ人政策決定者の決定に対するコンセンサスを作り出すことである。

国土安全保障省は、

国内スパイに特化したアメリカ政府の極めて偏狭なユダヤ人部門であり、
この指令を正式に実施しようとしたが、民衆の反発を受け、
正式な設立を一時停止した。

この「偽情報」委員会の閉鎖は無意味だった。

最近のジャーナリズムの記事によれば、
フェイスブック、グーグル、ツイッターでユーザーが
消費している政治的コンテンツの多くは、
ソーシャルメディア企業に常勤している
大勢のFBIやCIAの諜報員による直接的な編集監視を受けているという。

近年、欧米やシオニストの諜報機関は、
外国の介入に対する大衆の支持を作り出そうと非常に積極的である。

それは、10年前の素人的でアナログなシリアの情報戦から、
はるかに洗練された、非常にオンライン的で、
より有機的に見える親ウクライナの後押しにまで及ぶ。

ケーガン一族の大半は、
ワシントンのイデオロギー的枠組みを提供することに専念しているが、
その中でも最も著名なメンバーである
ロバート・ケーガンの妻ヴィクトリア・ヌーランドは、
世界中でイデオロギーの実践に尽力してきた。

ビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland、1961年7月1日 - )
父方の祖父はロシアから移民したウクライナ系のユダヤ人

以前はそれほど知られていなかったが、
ヌーランドは悲惨な外交政策の決定について知らないわけではない。
オバマの下で働く前は、第一次ブッシュ政権下で
ディック・チェイニーのために
イラクに電話をかける重要な国家安全保障アドバイザーだった。
彼女の夫が、
サダム・フセインに対する「有志連合」への参加を
拒否したヨーロッパ人を女々しいと罵るのに忙しかった一方で、
ヌーランドは、イラクにおけるアメリカの後方支援を容易にする一方で、
占領を維持するためにヨーロッパをアフガニスタンの泥沼に
引きずり込む
のに忙しかった。

ヌーランドが最も有名になったのは2014年のことで、
アメリカ大使館にかかってきた電話が公になり
彼女が民主的に選出されたウクライナ政府を転覆させ、
同国が現在巻き込まれている血なまぐさい戦争へと
突き進むきっかけとなったクーデターの背後にいる
影武者のひとりであることが暴露された。

ヌーランドは、このクーデターが
アメリカの納税者に50億ドルの損害を与えたことを認めている

ヌーランドにとって、
「同盟国」や罪のない人々の命は、
チェス盤の上の使い捨ての駒なのだ。

ユダヤ系リベラリストのマデリン・オルブライトが、
イラク経済を弱体化させるために50万人のイラクの子どもたちの命を
交換するという、有名なおぞましい評価を下したように、
ウクライナで何十万人もの犠牲者を出し、
ウクライナ国家に取り返しのつかない損害を与えることは、
世界舞台でのロシアと中国の威信を傷つけ、
ワシントンの普遍的な覇権を数年延長する可能性があるのなら、
価値のある交換だと考えているのだ

戦争が長引くなか、世論調査によれば、
アメリカ人の大多数がウクライナにこれ以上の援助を与えることに
反対している。
ウクライナ側にとって心強いニュースはますます乏しくなり、
有名な「反攻」は何もなかったように見える。
しかし、フレデリック・ケーガン
悲惨な2007年のイラク軍急増の背後にいる歪んだ精神であり、
第二の急増を提唱している)は、
"How The Ukraine Counter-Offensive Can Still Succeed"
ウクライナの反攻はいかにしてまだ成功しうるか)のような
タイトルの記事を発表し続けている。

ウクライナは決してケーガニズムの最後の姿ではない。
ウクライナ紛争に対して世界は予想以上に微妙な反応を示し、
アメリカは
世界の大半を反ロシアキャンペーンに引き込むのに苦労しているが、
新保守主義者のドクトリンは再び台頭している。

昨年7月、ヌーランドは国務省次官として、
より強力な役割を新たに担うことになった。
政治問題担当の国務次官だったヌーランドは、
現在収監中のパキスタンの指導者イムラン・カーンが、
ウクライナ戦争に関するカーンの中立政策への報復として実行された、
米国が画策したクーデターの主要な立役者であることを公にした。

1000人の米軍が駐留し、退去を拒んでいるニジェールでは、
ヌーランドは同国の新政府と会談し、
退去した傀儡政権を復活させなければ暴力をふるうと脅した
ワシントンとパリの代理アフリカ同盟であるECOWASが
公然と予告している脅威である。

ヌーランドは地球上のあらゆる大陸で火をつけているが、
ケーガニズムの最も特徴的なエスカレーションは、
イスラエルの戦略的利益を促進するために
ペルシャ湾に数千人の米海兵隊を派遣したことである。

ヌーランドが大統領に就任した直後、米国務省は、サウジアラビアとイスラエルの間に反イラン・反パレスチナ同盟を結ぶというトランプ時代のプロジェクトを継続することが、今や中東の最優先事項であると発表した

ワシントンが2018年にイラン核合意を恣意的に離脱して以来、
アメリカはイラン経済にダメージを与えるために、
サウジアラビアのような猫の手も借りたいような国に金を払い、
この地域でイランの石油船を拿捕してきた。

国際法上、これは海賊行為であり、
イランは軍事的手段によって自国の船舶を防衛することが
法的に認められている。
拿捕が始まって以来、イランは敵対国に対し、
船をハイジャックし返したり、
サウジの石油インフラにドローン攻撃を仕掛けたりして対応している。

サウジは損切りをし、
昨年春に中国が仲介した和平協定にテヘランと調印したようだ
このイランとの新たな理解を打ち破ろうとするリヤドの要求は、
ワシントンがイスラエルの利益を増進させることに
どれほど必死であるかを理解し、刻々と大胆さを増している。
サウジはイスラエルとの関係を正常化する代わりに、
核拡散に関与する権利、数十億ドル相当のハイテク攻撃兵器、
そしてバイデン政権でさえ悪用されることを知っている
安全保障を求めている。

これまでのところ、ワシントンはリヤドの望みをすべて叶えることには
消極的だが、国務省は依然として中東に大きな投資を
していることを示したがっている。
戦争の足場を固めようとしているとさえ言える。

今週、国防総省は、数千人の米兵と海軍戦艦をホルムズ海峡に配備し、
船舶を奪取しようとするイラン軍に発砲するよう指示すると発表した
この配備は公然の挑発であり、イラン側は必要であれば
極超音速ミサイルを使うなど、それなりの対応をすると宣言している。

これには歴史的な前例がある。
これまでの米政権は、エリートたちがすでに計画していた
戦争への民衆の支持を得るために、
カサを作り出す目的で海上での交戦を利用してきた。
もしワシントンが海上での安全な通商を本当に望んでいるのであれば、
イラン船をハイジャックするよう近隣諸国に命令するのをやめるだろう。

この非道な行為は、1940年と1941年に起きたことを思い起こさせる。
フランクリン・デラノ・ルーズベルトは、公式には中立を保っていたが、
アメリカには北大西洋におけるより大きな安全保障圏があると判断し、
ドイツとの海戦に敗れていたイギリス艦船の護衛のために海軍を派遣した。

大西洋でイギリス艦船を保護すると同時に、
連合軍がドイツ艦船を攻撃できるようにすることで、
アメリカは枢軸国を公然の衝突に追い込むことを望んだのである。
この点については、ロバート・ケーガンが
20世紀前半のアメリカ外交政策に関する最新刊で熱狂的に認めている。

FDRは1941年9月、真珠湾攻撃の3ヵ月前にドイツの潜水艦が誤って
USSグリアに発砲したことで、ついにその望みをかなえた。
ケーガンを含む歴史家たちは、USSグリア号事件は
アメリカの海上での好戦的な行動によって引き起こされた
正直な事故であったが、FDRはそれについてあからさまな嘘をつき
反ドイツ、反イタリアのジンゴイズムを煽るためにこの事件を利用した。

FDR政権がさらに大げさなエスカレーションを行った後、
ドイツ、イタリア、日本は賭けに出て、
大西洋横断のジャガーノートと二正面戦争で戦おうと決めた。

ケーガンは2023年の著書で、
第三次世界大戦を人類が避けるべき紛争としてではなく、
アメリカ帝国の無敵の証であり、リベラリズム、資本主義、
グローバリズムのイデオロギーを広めるための戦争の必要性を説いている。

ケーガニストたちは、核武装した中国、ロシア、
そして

(もうすぐ始まる)

イランとの多方面にわたる戦争は、
彼らが "反民主主義者 "や "ファシスト "と分類する
誰とでも世界を共有するよりはましだと信じている。

この非常識な見通しにどれだけのアメリカ人が同意するだろうか?

ケーガニストたちは気にしない。
私たちが政治的に組織化して彼らを止めない限り、
好むと好まざるとにかかわらず、彼らは私たちを道連れにする。

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