全然違うけどその名前で何度でも呼んで
夏の盛りを過ぎた頃、どうしても私の声が聞きたいと親戚のお婆ちゃんから毎年電話がかかってくる。
声が聞きたいだけらしく、内容は他愛ない世間話。
ある年は「免許を取ったよ」と報告するだけで良かったねと泣きじゃくる。
「バイトを始めて立ち仕事が辛い」と言うだけで大変だねと泣きじゃくる。
祖母方面の親戚で、関係性を何回も聞いたけどさっぱり覚えられない。
それくらい遠い親戚のお婆ちゃん。
子供の頃にお会いした記憶はあるものの姿形もぼんやりとして記憶も曖昧。優しそうな目とシワシワの痩せ