福岡から見た”Stage:0" ~甲子園にあってeスポーツ甲子園に無かったもの~

こんにちは。初めまして。
福岡からesportsを見届ける「おたけ」です。
esportsがバズワードから浸透していくかどうか、分水嶺を迎えている今、
地方都市から見たesports業界について感じたことを不定期に書き連ねていきます。

”Stage:0”を終えて

さて、8月14日(水)、15日(木)と舞浜アンフィシアターで開催された、Stage:0ファイナルステージが無事?終わりました。
私も現地に行きたかったのですが、あいにくの台風と金銭的な理由により、現地観戦は断念せざるを得ず、やむなくyoutubeの配信を断続的に眺めるにとどめることにしました。

中継を見てると、ひな壇でアンガールズの田中さんやアルコ&ピースのお二人や日向坂46の方など、いかにもテレビ映えを狙ったかのような演出で盛り上げようと一生懸命な姿が見て取れます。
現地の観客に渡されたバルーンでしょうか、司会者の方があおるたびに「バンバンバンバン」という音が聞こえて、なぜかバレーボールの世界大会を思い出してしまいました。

それぞれのゲームタイトルでは、「フォートナイト」部門は千葉県立下総高等学校 とうもろこし畑 が、「クラッシュ・ロワイヤル」部門は渋谷教育学園渋谷高等学校 Intuitionが、「リーグオブレジェンド」部門では学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校 KDG N1がそれぞれ優勝しました。
優勝したチームも、途中で敗戦したチームも皆さまお疲れさまでした。

その中で福岡から眺めていて感じたことを2点書き連ねたいと思います。

「プレイ画面」より盛り上がる「裏配信」

初日、フォートナイトの配信があっているときでしょうか。同時に日向坂46のフォートナイト初体験?の配信が裏で行われていました。
気になったのが視聴者数。
学生たちが必死に腕を競い合っているStage:0の本来のコンテンツより、日向坂の配信の方が視聴者を多く集めていたのです。
とはいうものの、これはやむを得ないことかと思います。
だって、アイドルがゲームやっている貴重な映像の方が、皆さんも好きでしょ?
問題は、これをStage:0の大会中に配信する必要があったのか?ということです。
つまり、現時点ではテレビ局の方も電通の方も「学生がゲームやってるだけじゃ盛り上げるの無理だべ、アイドルに配信させて期間中の視聴者数だけ合計で集計するようにしよ」という事情があったのではと邪推してしまいました。
できれば、本来のコンテンツである「学生」が「esports」に真剣に取り組んでいるところをもっと魅力的にする方法はなかったのかなと感じました。

「甲子園」と「eスポーツの甲子園」の差

「甲子園」
皆さんはこの言葉から、何を想像しますか?
暑い夏、強い日差し、かち割りの冷たさ、泥だらけのユニフォーム
総合して非常に魅力的なコンテンツとなってます。
もちろん、これらは一朝一夕に成り立ったものではなく、これまでの歴史、ドラマ、悲劇、歓喜などによってできているものです。

さて、今回、Stage:0は「eスポーツの甲子園」と銘打ち、高校対抗の形式をとっておりました。
甲子園の魅力の一つとして、おらが村のチームを応援することがあると思います。
まして、九州の人あるあるなのですが、九州の人は自分の県勢の高校が負けても、「九州勢」というくくりで九州のチームもまるで自分事のように応援するのです。

そんな中、Stage:0には九州代表として角川ドワンゴN高校(以下「N高」)がほとんどを占めておりました。(フォートナイト部門は8チーム中5チームがN高!)
しかし、私はLoL部門でN高が優勝しても、なんだか変な気持ちにしかなれませんでした。
これは、N高が通信制で実際は九州にいないからじゃないの?という指摘もありますが、それだけではないと思います。
(実際、甲子園でも強豪校で地元の人は全然いない高校もありますが、その高校は応援されます)

一つに、その高校を応援させるようなドラマ作りが不十分だったのかなと感じてます。
九州では8月12日(月)にStage:0直前番組が30分放送され、Stage:0に向け盛り上げていく機運が見られました。
しかし、Stage:0のサイトにしても全国大会のチームの紹介は全くなく、Stage:0の各チームを特集して盛り上げようという記事もあまり見当たらず、チームに対して、感情移入ができないまま、本番の大会を迎えてしまったような気がします。

それは、予算や時間の都合で「できなかった」のか「やらなかった」のか、何とも言えませんが、テレビ東京さんはeスポーツの番組を多く立ち上げ、eスポーツというコンテンツに対する期待や力の入れ方もうかがえますので、次回、もしStage:0が行われるようであれば、甲子園のコンテンツに負けないような高校生のチームが魅力的に映るよう期待しております。
(余談ですが、高専ロボコンなどはなんとなく見ちゃうんですよね)

ともあれ、Stage:0でうまくいったこと、うまくいかなかったことをしっかり業界内で共有して、スポンサー企業側から見て、良いコンテンツになるよう玄界灘の向こうから願っております。

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