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プロダクティブエキスポ2023への道①

7月5日は「切削工具の日」。

今年に入って初めて知った。

私はこの世に生を受けて以来、この切削工具で生命を繋がせていただいている。

幼少のころは、祖父が創業した会社が何をしているか全くわからなかった・・・

「工具屋・・・」と言われても、ハンマーとかドライバーしか思いつかない。

しかし今思えばそれとなく「触れる」機会は身の回りにあった。

小学校2年生の時「SANDVIK」というロゴが印字されたシャープペンシルを使っていたことを想い出す。

当社の主力取引先メーカーであるこの会社に10数年後入社することになるなど夢にも思わなった。

学校を卒業し、社会人となった私は上述の外資系切削工具メーカーに勤務することになる。

その時初めて切削工具に直接ふれ、その用途を理解すると、
「自分は今までこれで命を繋いていたのか・・・」という自己発見があった。

2009年3月13日(金)前社長である父の急逝と共に、私は故郷である長岡に戻り、当社の代表取締役社長に就任することとなる。

時はリーマンショックにより惨憺たる経済状況。

製造業であるお客様の機械はほとんど稼働しておらず、当社も毎月赤字を垂れ流していた。

時と共に経済も上向き、業績も回復していったが、
この時代の変わり目に多くの課題が山積した。

特にここ数年、業界の商売は「粗く」なった。

一刻も早く業績を回復しようとメーカー各社はいたずらに「無償キャンペーン」を連発する。

デモテストなどきちんとした技術的検証もなく、財布の紐を緩めてくれるキャンペーン頼みの販売・・・

当社も否応なく価格競争に巻き込まれていった。

「これは本来のあるべき姿なのか・・・」

この状況を打破しようと発足したプロジェクトメンバーとの話し合いを重ね、出した答えが「金属加工の総合展示会プロダクティブフェアの開催」であった。

私は前職でよくこの「Productive=プロダクティブ」という言葉を耳や目にした。

「利益をもたらす」や「生産性を高める」という意味だ。

この展示会ではいわゆる「即売」という要素を限りなくゼロに近づけている。

金属加工に関するお客様の課題に寄り添い、その課題を解決することがコンセプトだ。


お客様の課題に寄り添う

お客様も日々生産に追われ、課題と向き合う時間を充分にはつくれない。

また我々販売側も近年価格のみの提案で、本質的な課題解決に関するソリューションは提供できていなかった。

だからこそこのプロダクティブフェアという展示会=非日常空間では「課題解決」という要素を全面に出し、お客様との対話を重視した。

またあらゆる課題解決に対応するため、できる限り多くのメーカー様に協賛をいただいた。

「販売」よりも「対話」を重視する。

この積み重ねが、通常の営業活動では取得することができない案件を産み、
ビジネスに「厚み」を付加する。

このような信念のもと、このプロダクティブフェアを2014年~2019年まで
6回開催することとなる。

(続く)




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