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AR謎解きゲームが大ヒット!2.8億円調達のプレティア・テクノロジーズがARクラウドで本領発揮の秋(とき)

皆さんこんにちは。藤原です。今回のスタートアップ取材記事は、ARクラウドのプレティア・テクノロジーズ(以下プレティア)です。

プレティアは、現在渋谷で展開しているAR謎解きゲーム『サラと謎のハッカークラブ』が大ヒットしていると言えばご存じの方も多いと思います。彼らのAR謎解きゲームももちろん秀逸なんですが、実は、彼らはそのゲームを支えるARクラウドという技術に長けたテクノロジースタートアップで、僕がベンチャーキャピタリストだったときの投資先でもあります。この夏、新たに2.8億円を調達し、ますます絶賛急成長中です。

今回はCEOの牛尾さんの他、プレティア創業時からのコアメンバーである2名にも加わっていただき、これまでの歩みや苦労などをうかがうことができました。ぜひご一読ください。プレティアはいいぞ。

この記事の登場人物

藤原弘之(質問内容を太字で記載)
牛尾湧氏 プレティア創業者 CEO(バナー写真中央)
李禎み(よしみ)氏 プレティア 共同創業者(バナー写真左)
Gary Forster氏 プレティア 創業メンバー・エンジニア(バナー写真右)

好調なサラ謎

今日はよろしくお願いします。まずは、サラ謎、ヒットおめでとうございます。第3弾もそろそろですよね。
牛尾「はい、今は年末年始頃リリースで開発を進めています。場所も同じく渋谷で開催予定です。詳しいことはまだ言えませんが、これまでとはまたちょっと変わった展開もありますので、楽しみにしていただけたらと思います。」

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そう言えば、第1弾って第2弾が始まった後に復活したじゃないですか?あれって、何でだったんですか?
牛尾「第2弾で初めてウチのゲームをプレイしたお客様から、第1弾もプレイしたいという声を結構いただいたんです。我々としても多くの人に体験してもらいたいという気持ちはずっとあったので、良い機会だと思い、少し作り直して再リリースしました。」

作り直したんですか?
牛尾「はい、結構変えた部分もありまして、第1弾では実は不便なところもあったんですね。」

あ〜、確かに、マップの所とかありましたね
牛尾「マップや、途中で電源を切れないなどがありましたね。当時はスタートアップとしてリーンに素早く出そうというところがありましたが、今回はプロダクトのクオリティをちゃんと向上させたうえで再ローンチしようと。そうしたら満足度も上がって、また多くのお客様に第1弾を遊んでいただけてますね。」

場所は変わらず?あの○○へ最初に行って、とか。
牛尾「ちょっと、ネタバレはやめてくださいよ(笑)。ただ、少し変わっているところもありますよ。ぜひもう一回遊んでみてください。」

確かに行き先のターゲットの設定が難しいですよね。勝手に移動されちゃったりとかしたら。
牛尾「そこは確かに大変なところでもあるのですが、でも、最初からなるべく変わらないような所とか、ちゃんとお話ができるところをチェックポイントにする工夫をしているので、予想の範囲内ですね。」

何か文句とか言われないですか?
牛尾「なくはないですけど、だいたい実験のプロトタイピングの段階で見つかっているので、それは開発の途中で回避していますね。サービス開始して1年以上経ってますし。それより、例えば行き先の場所のオーナーさんが変わっちゃったりして、また改めてお話ししないといけない、というのはありますけどね。ただ、基本的には地域の理解なしではできないサービスですので、そういう方々ともちゃんとお話しして、地域にも還元していくというループをしっかり回せるように気をつけています。」

ARクラウド事業

ARクラウドの方はどうですか?
牛尾「それも継続して開発していて、チームの規模もどんどん大きくなっています。ARクラウドの分野では国内最大規模のR&D組織になってきているんじゃないかと。そう遠くないうちに大きなアナウンスができるんじゃないかなと思っています。色々ユーザー候補となる企業からもご連絡をいただいていたりしますね。」

用途ってやはりゲームが多いんですか?
牛尾「もちろんゲームもありますし、我々のAR謎解きゲームもそうなんですが、やはり『集客』というのがキーワードになると思っています。僕らのサービスは人をその場所に呼び込むじゃないですか。だから特定の場所に人を集めたいところとかがARで何かやろう、となった時にお問い合わせいただく、というのが多いですかね。」

そうか。ARで集客したい、となって、でもコンテンツだけじゃダメでその裏にはARクラウドというテクノロジーが必要だと知り、それを研究しているのがプレティアテクノロジーズだと分かって、お問合せが来ると。
牛尾「そうですね。技術的には僕らはユニークなものを作っていますし、さらに一気通貫で企画から体験、運営まで、運営は李がやっていますけども、全部できるというのが強みですね。」

なるほど。ARクラウドでも良い流れができそうですね。
牛尾「ARクラウドの方はまだ詳しい話は控えますが、『集客』の方で言えば、僕らのゲーム体験の中で通った商業施設の中で何らかの購買行動をした人の割合が56%あるんですね。」

すごいですね。半分以上の人が現地で何か買うんですね。
牛尾「この数値には驚かれることが多いです。しかも少しずつ上がってきてるんです。集客面でARもARクラウドも益々注目されていくのではないかなと思いますね。」

そっか、楽しみですね。プレティアの真の実力というのはARクラウドからですもんね。単なるAR脱出ゲーム屋さんじゃないよっていう本領発揮がそろそろ始まるんですね。
牛尾「そうです。そういう意味でも、社名にテクノロジーズを付けたんです。最先端のエンターテインメントサービスを技術を使って切り開いていきたいと。」

良いですね。どなたが言い出したんですか?禎みさん?
李「誰がというより、会社のアイデンティティーとしてテクノロジーがコアにあるというのはずっとあったので、ちゃんとそれを社名にも反映した方が良いよね、という全員の想いですね。」

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Gary「新しい社名は、僕たちがARコンテンツを創っているだけでなく、テクノロジー開発もやっているということを表していて、次のステップとして良い社名変更だと思っています。」

確かに。そう言えば2年前に牛尾さんとお会いしたときから、ピッチの資料の中にエンジニアの顔写真がいっぱい入ってましたよね。そこにGaryさんもいて、当時からテクノロジー企業ですって言ってましたもんね。
牛尾「そうですね。今はもっとエンジニアが増えてるので、もうあの資料には入りきらないですね(笑)」

Garyさんが他のエンジニアを連れてきたりするんですか?
Gary「僕はNII(国立情報学研究所)のOBなんですが、そこのコミュニティーが大きいかなと思います。ただ、実は今の同僚たちは、僕がNIIにいたときに一緒に働いていた訳ではないんですよ。ちょっと時期がずれてて。」
牛尾「最近は友達を紹介してくれて、というのも結構多いですね。」

牛尾CEOとの出会い

じゃあその流れでうかがいたいのですが、禎みさんがCEOと出会ったのはどういうきっかけで?
李「大学1年生のときですね。彼が2回目の東大1年生だったときに同級生になったんです。」

あぁ、あの仮面浪人の後?
牛尾「いや、僕は阪大で仮面浪人やったあとに、東大の1年生のときに一回留年してるんです(笑)。大学1年生を3回やってるんで。東大の留年のルールをよく分かってなくて。」

CEOってその時どんな人でした?
李「今とそんなに変わらないですよ。もともと根明(ネアカ)な感じで。」

牛尾さん今日は結構日焼けしてますよね。
牛尾「それは沖縄に行ったからですよ。ビーチでずっと仕事してました。」
李「彼はずっと起業する起業するって言ってましたよ。私と知り合う前に、TNK(東大起業家サークル)の代表もやってましたしね。」

禎みさんもTNKに?
李「いえ、私は入っていなくて、別のゼミの活動で一緒になって。その時から事ある毎に『絶対起業するんだ』って言ってましたよね。」
牛尾「瀧本ゼミというゼミの東京支部の立ち上げに関わっていて、その時に李がスターティングメンバーで居たというのが最初の縁ですね。」

そうだったんですか。今回残念ですよね。瀧本先生がお亡くなりになってしまって。
牛尾「そうですね。大恩師なんで。先生からは経営哲学を沢山いただいたので、この先しっかり自分で活かして恩返ししたいですね。」

北京留学時代

大学時代、北京にも行ってましたよね?
李「2人ともたまたま同じ時期に北京に留学していました。牛尾は北京大学で、私は清華大学なので、大学は別々だったんですが、場所的にすごく近いんですよ。自転車で15分とか。」
牛尾「僕はすでにビジネスとして政策コンサルティング企業(※1)をやっていたので、日本にいるメンバーとやりとりしながら、大学で知り合った中国共産党の知人の話を聞いたり、いろんな勉強をしていましたね。留学先に中国を選んだのもそこが大きいです。変わった体制なのにすごく経済が伸びてるじゃないですか。そこに興味がありましたね。」

(※1:トリニティーネットワークというプレティアの前身となる政策助言企業。プレティアの登記簿にはまだ「政策研究並びに提言事業」という目的が残っているほど思い入れのある事業。)

確かAR事業と政策提言ってかなり距離が遠いなと思った記憶があります。
牛尾「実は、ARビジネスをやってると、地方創生とかで地方自治体と関わる事があるので、自治体さんとお話をするときに、この政策提言ビジネスの経験が活きて、彼らの感覚が分かるんですよね。『何でそんなに詳しいんですか?ブレーンとか付いてるんですか?』って聞かれることもありますよ(笑)」

確かに元専門家ですもんね。
牛尾「そうですね。その流れで行くとGaryもバックグラウンドはソフトウェアエンジニアリングではなくて物理学なんですよ。」

エンジニアGary氏との出会い

Garyさんは物理の何を勉強されてたんですか?
Gary「Quantum physics(量子物理学)ですね。」

なぜソフトウェアエンジニアになろうと?
Gary「大学のコースの中にプログラミングの講義があったんです。量子の動きは非常に複雑なので、それを解き明かすツールとしてプログラミングは必須だったんですが、プログラミング自体がすごく好きになったんです。」

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それで進む道を変えたんですね。そのまま量子物理学を続けていたら普通はどういうところに就職するものなんですか?
Gary「大学の研究者とか、リサーチャーとか、あとはNTTの研究所とかですかね。いずれにしてもそれほどJob opportuityは多くないんですよ。」

日本に来たきっかけってどういう?
Gary「イギリスのUniversity of Bath(バース大学)を出た後に2年くらい現地で働いていましたが、ライフスタイルを変えてみようと思ったときに、日本の文化とか、食事とか、あと生活が楽しそうだと思いまして。実は、僕は大学生時代に6ヶ月間くらいNII(国立情報学研究所)でインターンシップをやっていたんです。神保町の近くですね。その時に日本の食べ物とかが好きになりましたね。」

プレティアからスカウトが来たとき胡散臭いと思いませんでした?胡散臭いって英語で何て言うんだろう? 
牛尾「So, you didn't think like we are kind of...」
李「scam?」
Gary「No, no, no(笑)」
李「Yesとは言えないよね(笑)」
Gary「最初のインタビューのときから、CEOのパッションがすごく伝わってきて、全然Scamとは思いませんでした。メンバーみんなが、人々から愛されて楽しまれるプロダクトを開発することにすごくフォーカスしていて。テクノロジーもとてもエキサイティングなものですし。」

すごいじゃないですか牛尾さん!
牛尾「良かったです(笑)。あのタイミングでGary含めて5名コアエンジニアが入ってくれたんですが、そのおかげで今のAR謎解きゲームがあると言ってもよいと思います。彼が入った後にVR旅行サービスからピボットしているんですが、Garyもさっき言っていたように、人々から愛されるプロダクトを作ろうとずっと筋を通していたから、彼らも今まで残ってくれてるのかなと思います。」
Gary「僕も、うまくいかないことをずっとやり続けるよりは、しっかりPDCAを回して、より良いものを作ろうとする方が、断然良いと思っています。」

ピボットの歴史

今ピボットの話が出たのですが、初めは政策提言のビジネスで始まって、あれは実際どうだったんですか?結構稼げたりしたんですか?
牛尾「いや、稼げたってほどではないですね。地方自治体もそんなにおカネがある訳ではないので。ただ、今思えば、地方自治体って最もアクセスしにくいというか、パスもないですし、アプローチする難易度がいちばん高い部類なんですよね。そこをどうこじ開けてお話を持ちかけていくか考える、という活動ができたことは、今かなり自分たちに取ってプラスになっていますね。」

なるほど。その後、VR旅行サービスに進出される訳ですが、政策提言からいきなりVRってどういう考えで決められたんですか?
牛尾「地方コンサルティングやってたときに、地方間の格差って結構あるなって思っていまして。うまく観光資源を活かせているところと、あまり見所が伝えられていないところとか。僕たちは旅行で地方に行ったりしやすい年代ではありますが、忙しくてそういうことができない人達向けに、VRで旅行して、綺麗な景色を見たり感動したりという体験を提供できたら面白いだろうと思いまして。それで始めたものの、あまり使ってもらえませんでした。」

それっていつ頃ですか?
牛尾「それが2016年の夏頃ですかね。」

そのサービスも地方自治体とか観光協会みたいなところから仕事を取って、やろうとしてたんですか?
牛尾「はい、そういうことをやろうとしていましたが、売れませんでしたね。めっちゃ営業行きましたけどね。」
李「行きましたね〜。静岡県回ったりとか、それこそレンタカー借りて牛尾の運転で。あとは、福島の方とか、富山、金沢も行きましたね。」

それでも売れなかった。
牛尾「実績がなかったのが大きくて。もちろん色んなデモとかも作って見せるんですが、もう実績だけで決まるんですよ。地方自治体と仕事したことがあるか?ってことですね。いきなりスタートアップがこじ開けるって難しかったですね。」

雰囲気的に今も同じですか?ちょっとはスタートアップに対する理解も出てきてるのかなって。
牛尾「いや、今でも同じだと思いますよ。基本的に大手が取ってるっていう。」

その時は全部自分たちの資本でやってたんですか?エンジェルとかは?
牛尾「入っていますよ。ファーストラウンドでインキュベイトファンドが入っていて、あとエンジェル投資家も。ただこのまま地味に線形関数的に改善を続けていても望んだ状態にならないんじゃないかと思って、いったん踏ん切りをつけて、よし違うところに振ろう、と決めました。」

VR旅行事業をやめて、Tokyo XR Startupsの第3期に入られて、2017年末ですかね、そのデモデイのときに初めて牛尾さんにお会いして、そのときのは確かARのSNSでしたよね。あれも面白そうでしたよ。
牛尾「あのちょっと前くらいからARクラウドというコンセプトは掲げていましたね。ウチにはそれを作れる技術者がいたので。今でこそARクラウドがハイプサイクルをようやく登り始めているんですが、当時はあまり話題になっていないというか。」

そうそう。ハイプサイクルにARクラウドが入ったのが感動ですよね。
牛尾「そうですね。でもその社会的価値を考えれば当然なんですけどね。それに乗せるコンテンツとしてソーシャルメディアをやっていて、それこそ街頭に出てユーザーヒアリングをめっちゃやってましたね。渋谷の街で通報されないように、李と一緒に気をつけながら(笑)」

根本にあるのはARクラウドというテクノロジーなんだけど、それをどう見せていくかというところに出会うまでちょっと時間がかかったって感じですか。
牛尾「かかりましたね。これでお客さんが満足できる、ちゃんとお客さんを幸せにできる、楽しんでもらえるプロダクトを作るって途中で、結構うまくいかないことが続きました。今のAR謎解きゲームで、ようやくお客さんが喜んでくれて、しかもおカネを払ってもらえるようなものができた、というのが僕たちにとって画期的なところでしたね。」

ピボットを重ねたことによる社内の反応

そのAR謎解きゲームにたどり着くまで、政策提言をやめて、VR旅行サービスをやめて、ARのSNSをやめて、3回やめる決断をされていますよね。
牛尾「細かいのを入れるともっとですけどね(笑)。1週間でやめてるやつも。」

そういうときって、CEO以外の方ってどう思ってたのかなって。
李「私は政策やってたのをプレティアに変えて、テクノロジースタートアップやるんだ!というステージから細かいピボットもずっと見てきているのでわかるのですが、この会社にずっと一貫してあるのが、牛尾が大学1年生の時に『俺は起業家になるんだ』って言ってた時から掲げている、《世の中に良いインパクトを持続的にもたらすことができる大きな会社を創る》ということなんです。そのゴールに向かって、どういうことをやらなければならないか、1つ1つの失敗から学んでいるんですよ。実は政策の後にIT使わないとってことでファッションメディアやって失敗したりしているんですが、それでも一貫して目標に向かって筋が通っているので、苦しくはなかったですね。」

とは言ってもですよ、4回目にやめたときには「あいつ、またやめたぞ」とか、思いませんでした?
李「いやいや(笑)、やめるときって別に牛尾のトップダウンでいきなり『今日からやりません!』ってなるというよりは、ファクトの数値を見たりしながら、みんなで『これ、このままやっててもうまく行きそうにないよね』と何となく思っていたところで、CEOの決断としてやめるのを決めているので、またかよ、みたいなことにはなっていないですよ。」

Garyさんも同じですか?
Gary「そうですね。新しいことを始めるのはチャンスでもあるので。最新テクノロジーも扱えるし楽しいですよ。」

皆さんは経営層だからそういう反応かもしれませんが、一般社員の方々の反応ってどうでした?不安になって辞めるとか、そういうのはありました?
牛尾「もちろん辞めた社員もいましたよ。ただVR旅行やらないんだったら辞めるとか、そういう特定の技術・サービスに紐付いてというよりは、やっぱりカルチャーの違いでフィットしなくて、というケースでしたね。時間がかかっても影響力を持った大きな会社を創ろうとか、広く愛されるサービスを創ろうという僕らの想いに対して、残念ながらあまりフィットしなかった方が辞めてるので、ピボットそのものがどうとかいうことはないですかね。」

辞めるのはピボットで不安になって、というよりも価値観の部分なんですね。ということは逆にこのピボットを乗り切って残っている方々はプレティアの想いに賛同しているエンゲージメントが高い方々なんですね。
牛尾「それは間違いないと思いますし、今は採用面接のときにも僕らのミッション・バリューの話は絶対にしていて、入り口の所でもすごく手間とコストをかけてますね。」
Gary「実際に会社のミッション・バリューの価値観が合わない人が抜けた後は、むしろすごく働きやすくなりました。それは実感します。」
牛尾「僕もこれまではサービス開発に多く携わってきましたけど、これから会社が30人40人とどんどん大きくなる中での時間配分としては、もっと会社のミッション・バリューの浸透であったり組織であったり、そちら側にシフトしていかないとな、と思っているところですね。」

こういう経営の悩みとかよく相談されるエンジェルの方っていらっしゃるんですか?さっきのピボットの件とかも。
牛尾「いますよ。よく相談するエンジェルは國光さん、佐藤さん、塩田さん、吉田さん、あと非公開の方もいて、皆さんそれぞれ得意分野がおありなので、そのテーマごとにアドバイスいただいて、言うことを聞いたり聞かなかったり(笑)。特定の意思決定を強制されたことは一切ないですが、皆さん経験がすごくある方々なので『これは絶対やった方が良い』というような助言についてはノールックですぐやります。」

後輩ARスタートアップへのメッセージ

では最後に、これからARで何かビジネスをやろうと考えている後輩起業家にメッセージがあればぜひ。
牛尾「そうですね。技術の価値というのは、『お客さんやユーザーに最終的にどういう価値を与えられるか』だと思っています。やっぱりXRの分野においても、最後は人と人とが出会って交流を深めていく中で、楽しい気持ちを共有するということは絶対に必要不可欠なことで、それをある種効率的・効果的に提供していくのに、ARという技術がすごく向いている、というのが僕たちが発見したことなんですね。でもその『AR』ってだけで走っちゃうとどうしてもうまく行かない、一発屋になってしまうというか。僕たちも最初のプロトタイプではそういう失敗をしてきましたけども、僕たちのサービスが今一定程度受け入れられているのも、ARというより、まずはお客さんを幸せにしていこうという想いにフォーカスし続けていた結果だと思います。それを叶えるためにARをどう使うかということを考え抜けると良いのかなと思います。僕らがやっている謎解きゲーム以外にも、ユースケースはいっぱいあると思っていますので。」

禎みさんはどうですか?
李「今牛尾が言ったことがもう全てだと思います。あと後輩とはいえ、まだ始まったばかりの業界でもあるので、一緒に盛り上がっていけたら良いなと思っています。ウチがリーディングカンパニーになるぞという気概は持ちつつも、ウチ一社だけで業界全体を牽引するのは難しいので、ぜひ一緒に盛り上げてくれる方達がいっぱい増えてくれたら嬉しいです。」

Garyさんは今後どんな人に入ってきてもらいたいですか?
Gary「ARという技術を扱おうとすると、困難な問題がたくさん出てくると思います。それでもARは、例えば、今皆さんが電車でスマホを見ているように、様々なサービスがそのデバイス依存になっているような現状を解放してくれる可能性を秘めています。そのような新しいイノベーションに一緒に取り組むことに喜びを感じ、情熱が持てる方に入ってきてもらいたいですね。」
李「まだまだ採用募集しています。HERPのリンクをぜひ!(笑)」

今日は皆さんありがとうございました
牛尾・李・Gary「ありがとうございました!」

プレティア・テクノロジーズについて

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日本のARクラウド技術でトップを走るテクノロジースタートアップです。その技術を用いて現在渋谷で展開しているAR脱出ゲーム『サラと謎のハッカークラブ』(第1弾・第2弾)が大ヒット中。彼らのゲームでは記事中にもある通り、特定の場所にプレイヤーを誘導でき、その半分以上がそこで消費行動を行うので、商業施設や地方自治体などの誘客施策と非常に相性が良いものになっています。『サラと謎のハッカークラブ』第3弾のリリースも年末に予定され、またARクラウド技術自体のサービス展開も近々発表があるようで、ますます目が離せません。

プレティア・テクノロジーズではARクラウド技術やサービス開発を一緒にやってくれるメンバーをまだまだ募集しています。興味がある方はぜひ下記まで連絡してみてください。


さて、時間のキリがちょうど良いので今回はこれくらいにして、また次のnoteにつなげていきましょう。良かったらコメント・高評価・チャンネル登録・あとTweetをしてくださると嬉しいです。では次回、スタートアップ取材記事でお会いいたしましょう。今回はこの辺で。

サポート代は大好きなスタートアップへの取材費に充てさせていただきます