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「砂のしろ」の歌詞解釈

小松未歩さんの「砂のしろ」から思い出した、少女漫画を元にまた物語を書きました(また…)
良かったら読んでみて下さい。


いつもあなたのためらう声に気付いてた。
彼とは夏のちょっと手前に実家とは離れたところで出会った。
今度いつ会えるのかも、あんまりハッキリと言ってくれない。
だんだん知っていくことなんだけど、彼は医療に関わる研究者をしているらしい。
彼のことをもっと知りたくて、ネットで色々調べていた。
私のダメなくせだ。
そうして彼が昔、私の離れて暮らす家族と地元が同じだったことを知る。
そして私は自分が砂のしろのような運命に巻き込まれていることに気づく。
彼に追求していくと答えてくれたのだが
実は彼は私の生き別れた双子の妹の恋人であり、妹の病気を治そうとする研究者だった。
私のことを調べて海の近くに訪れていた私を説得して、妹の治療に協力させようとしていたのだ。
涙が流れてきた。私は彼を好きになりかけていた。
まぶしい陽射しに色づいた街は嫌い。
みんな幸せそうに見えて。
もういいよ、妹が好きでも。
昔、少女漫画で見た「自分が実は妹のクローンで妹のために臓器を提供して、自分は死ななきゃならない」ってまではいかないみたいだし?
それ犯罪だしね。
妹とは二卵性の双子で、似てない部分も多いのに、どんどん彼は私のことも興味を持ってくれたけど、それが逆に許せなくて。。。
妹に不誠実なことをしないで、と思った。
あなたには妹と過ごしてきた素敵な時間があるでしょう。
離れて暮らす、もうほとんど会っていない妹は昔から病弱で、私より自由がなかったんだから。
私とあなたが結ばれるという夢は、海の底に他人事のように揺れてて。。。
彼には、もう恋愛感情を持たないと誓った。
まだ失恋の痛みから立ち直れないけれど。
まぶしい陽射しと涙で前が見られないけど、
明るい街が私を前向きに立ち直らせようとする。
今はまだ無理、妹と彼との幸せを祈ることで精一杯。
私の身体のどこかを使って、妹が治ってくれたら、私は彼の前から姿を消すから。
まだ自分だけのためには進めない。
砂に縺れて進めない。
(終)

昔見た少女漫画で、自分が実はクローンで、双子の妹に臓器提供をするために育てられたってゆう話があって。立ち読みして、ラストは知らないけど、ずっと心にひっかかってて、「砂のしろ」とは禁断な感じがちょっと共通点な気がして、今回こんな物語を書いてみました。
お読み頂き、ありがとうございました。


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