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コメダに行く度思い出す17歳の恋バナ。

彼氏がこの22年間出来たことの無い私。

でも、一時の恋バナを誰かに自慢したい
惚気たいので、聞いてください。

っていうマガジンを作ろうと思う。



惚気けます。




18歳の頃の話。
私はバイト先の某コンビニの社員である
U輔さんに恋をしていた。

その頃私は高校生で、週に3.4回、
決まった曜日に入っていて、
人が少ないこともあってある時期の
日曜日の夕勤メンバーは

私・U輔さん・橋田さん(男)であった。

これは私がまだ、U輔さんのことを好きだと自覚して、高校の部活の先生友達に打ち明けたことがきっかけで起きた。

「畔°は、もっとアピールした方がいいよ!ご飯に誘うとか、二人きりになる機会をつくるとか!!」

男友達はよく続いて多いものの、
恋愛に発展したことがなく、
かと言って私が恋愛に興味がなかったわけでもなくて、好きになってもアタックや接し方が分からなくて本人を目の前にすると、つい天邪鬼に「別に」態度を取ってしまう程の恋愛音痴な私は、
部活の先生や友達にいつも私の恋事情で呆れられていた。

そんな私だったが、
修学旅行で沖縄から帰ってきたその日、
同じバイト先の友達に無理やり連れてかれて顔を出しに行ったら思わぬ展開が。

「近くにコメダが出来たから、今度コーヒー飲み行こうな?」

タイミングもまた、
私が友達の買い物に付き合って会計をしてる友達の隣にちょこんと突っ立っていたら、会計を打ってるバイトの横で商品の袋詰めしてるU輔さんが、言ってきた。

私は突然のことにテンパってしまうが、
「え?コ、コーヒー??いくいくぅ」と
ノリで対応出来た。

後々、(え。今あの人ご飯誘った…?!)と
思い出してはにやけてしまい、
無理やりバイト先に連れてった友達と喜んだ。

が。しかし、
その後U輔さんから 日曜で被っても
なかなか日程や詳細、
もうコーヒーの話すら出ないで
2週間経った。

私は、もしかしたら聞き間違い?
もしかしたら勘違い?あれ?やっぱり無かったことになったのかな??と
自分からも言い出せずにずっとモヤモヤ。

そんな状況の中 2週間経った日曜日。
勇気を振り絞ってU輔さんに聞いた。
「そういえば…コメダって行くの??」

「ああ〜…いつにしようか。」

そういえば…と思い出したようにU輔さん。

ちょちょ、私のこの2週間のドキドキに対して
やっぱりそれ程張り切った誘いではなくて
思いつきの誘いだったんだ。

元々U輔さんはマイペースでのんびり屋で
そんな所が好きだったんだけど
そりゃあそんな人がスパンスパンと予定立てるタイプじゃないもんね…と自分の行動不足をまた反省する。

「じゃあ、この日にしよう。」

カレンダーで、
U輔さんは次の次の週の土曜日を指さした。

週6で働くU輔さんの唯一の休みは土曜日だった。

「再来週ね!わかった!!」
とコーヒーの約束がやっと確定した。


しかしまた私の失態。

日程は決まったが、何時に何処に集合なのか。
聞かないままに刻々と前日と迫ってしまった。

そんな状況になったということを、
部活の部室で先生と友達に相談した。

「明日なのに何も決まってない……!
連絡先も知らないし、行けないのかなぁ…」

涙目になって落ち込む私に部活の顧問が立ち上がる。

「よし。畔°ちゃん。今からバイト先に行こう!!」

その発言に友達が賛同。
「なんなら、私バイト先まで送ろうか??」

これ程私の恋に協力的な仲間は他いるだろうか。

そう言われてしまったら、断れない。

不安と恐怖は募るものの、
友達と一緒に帰る支度をして
顧問の見送りまでされて友達と学校を出た。

学校の最寄り駅まで着いて、
私は覚悟を決めた。

「ありがとう。私、1人で頑張ってくる」

相当な覚悟の中、私は友達と別れて
1人でバイト先へ向かうことにした。

(まず、なんて言えばいいんだろう。
出だしの言葉は何だろう。てかまず、U輔さん帰ってないかなぁ……。)

色んなことを考えながら、駅からバイト先まで自転車のペダルを勢いよく漕ぐ。

バイト先に着いて、一呼吸。入店した。

しかし、U輔さんはレジ先には姿がなく、
バイトの男の子に「あの…U輔さんまだ居る?」
と平気な顔を装って聞いた。
すると、まだU輔さんはバックヤードで仕事をしていた。
私は恐る恐るバックヤードに向かった。

パソコンでキーボードを叩くU輔さんの姿があった。

本人の姿を目にして、急に私はまた色々な不安とわざわざこの為に学校帰りにここまで来た恥ずかしさが湧いて咄嗟に

「制服取りに来た。」と嘘をついてしまった。

しかし、本当の目的はそうじゃない!

ロッカーから距離は離れたままだけど、
拳に力をいれてU輔さんの方向へ大きな独り言のように「あれ、そういえば明日だったよなぁ……」と声に出した。

U輔さんは、キーボードから手を離して
「あ〜……」とまた思い出したような返事をして、突然。なにやら紙に何かを書き出した。

そして、私の方まで来てその紙を渡してきた。

「これ、俺の電話番号。10時に起こして。」

U輔さんは、私に自分の電話番号の書いた紙を渡してきたのだった。

予期せぬ事態に私はテンパりを隠せなかったが、「お、おう……」と返事をして
「じゃあ。」とその場を離れた。

その後の私の心臓はバクバクで、
口元は緩みが止まらなくて、
夜も寝れなくて、すぐさま友達にラインをした。

友達もその展開に「なんだそれ!」と言いつつ、応援してくれた。「お前が寝坊すんなよ!」と言われたが、私はその日、結局ほぼ一睡も出来ないまま朝9時を迎えた。
1時間前から心臓のバクバクが止まらなかった。

9時59分になって、紙に書いてある電話番号通り数字を打ち込んだ。
10時01分を迎えてから私は発信ボタンを押した。

2コールで出た。

通話先の声は、寝起きだった。

「畔°です。おはよう。時間だよ。」
2.3コの単語のみの端的な私の言葉に、
U輔さんはムニャムニャと聞き取れない言葉をいくらか零してから「どうする?行く?」と言ってきた。

とにかくド緊張の中スマホを片手に正座をして聞いた私は、その発言に「はぁ?!」と言ってしまった。
しかし彼は「じゃ、11時に迎えいくから。」と言って電話を切った。

とんでもないモーニングコールだったけど、
初めてのモーニングコールだった。

それから支度をして服装も昨日の夜決めたのにも関わらずまた決め直して化粧も万全な状態で、また11時を待つ。

U輔さんの乗ってる86の音が聞こえて
私は玄関の前に立った。
また電話がかかってきて、ドアを開けない玄関先で取って「着いた。」と3文字だけ言って切られた。

わたしは恐る恐る玄関を開けて、86の窓から顔を出すU輔さんを確認して走って向かった。

会って一番最初に何を言ったのかは全く覚えてないけど、車体の低い86の助っ席に座って
コメダまで私はアレやコレや最近のことや友達の話をしまくったのは覚えてる。

コメダの先でも、私は話を切らさないように
色んな話をして、「眠い」と寝ようとするU輔さんを眺めてはいじったり、ふざけた。

喋りすぎたせいなのか、
緊張しすぎたせいなのか、
私がずっと楽しみにしていたミニシロノワールは、全部食べきれそうになかった。
無理に食べようとしたら、U輔さんに止められた。

「よし、出るか。」と席を立ったU輔さんは、私を置いて会計に向かった。
走って追いかけようとしたら、
あっち居ろ。と投げ出された。
だから私は子供用の絵本の棚を眺めながら
この一時の幸せを踏みしめた。

会計を済ませたU輔さんに、「ガキ」と呼ばれたが、そんなカッコつけなU輔さんも格好悪くてでも可愛くて好きだった。

86に戻ると、U輔さんは発した。

「この後どこ行こうか。」

私は、U輔さんは面倒臭がりで寝ることが大好きで、今日もコメダに行くという約束だったから、もうこれで終わりなのかなとおもっていたから、この発言にびっくりした。

「え………。カラオケとか?あ、ボーリングとか?」

「俺は歌わないしボーリングはまた今度でいい。そういえば、俺靴が欲しかった。靴買いに行こう。」とそのままショッピングモールまで車を走らせた。

でも、結局ショッピングモールでは
靴は買わなかった。私が入ろうと誘って入ったビレバンで、タバコを吸うU輔さんはZIPPOを眺めていた。

他にも服を見たり、色んなところを回ったが、靴は見なかった。

後々思うと、もしかしたら言い訳だったのかもしれない。と気づいた。

帰りのエスカレーターで、U輔さんは「まだコメダで食べたハンバーガーがお腹に残ってる。」と言って、その後バッティングセンターで車を停めた。

バッティングセンターは、初めてだった。
野球が好きなのかな。と思ったら、
全然打ててなかった。
バットの振り方も知らない私が何故かいい当たり方をして、U輔さんは悔しがった。
バッティングセンターの外にはちょっとしたゲーム機と自動販売機が並んでいた。
そこで、少し疲れた顔をしたU輔さんは、
「なんか飲む?」と言ってくれた。
私はワガママを言って「アイスが食べたい」と呟いた。でも、アイスの機械なんてそこにはなかった。

私が如何にも動かなさそうな古いゲーム機に夢中になってると、U輔さんの姿は消えていて、焦って駐車場の車を確認すると、そこに86はあったが、U輔さんは居なかった。

建物に戻ると、奥の方から出てきたU輔さんに「私を置いて帰ったのかと思った!」と発すると、U輔さんは、「アイスなかった。」と言ってきた。

私のためにアイスを探してくれていたU輔さんに、素直に嬉しさを言葉に出来ず、
興奮した気持ちを抑えて「別にいいよ」と冷たい態度を取ってしまった。
でもU輔さんは「飲み物でいい?」と私に飲み物を選ばせた。私は缶のラムネを選んで、
缶コーヒーを買ったU輔さんと車に戻って少しゆっくりした。

「帰ろっか。」というU輔さんの言葉で、車は発信した。

私の家まで着いて、私を降ろすとU輔さんは「じゃまた。」と言った。
私はキチンと素直に「楽しかった」と言えずに、「ご馳走様でした」だけ伝えてドアを閉めた。

U輔さんが車を動かし出して、すぐ、
私が動き出した86の背中を眺めてると、
車は止まって窓が開いた。
その様子に気づいた私が「どしたのー?」と聞くと、U輔さんは「なんか言ったー?」と聞いてきた。私は「何も言ってないよ!」と笑って返したけど、今思うとあの時、この感謝の気持ちとこの幸せな一時を伝えるチャンスだったんだと気づいた。


家に帰ると、飲みきれなかったラムネを飲みながらコタツに置いて眺めて、つい5分前30分前1時間前のことを思い出して、ぶり返してドキドキがまた押し寄せてきた。

結局、私はU輔さんに想いを伝えることが出来ないまま、地元を離れてしまった。

U輔さんは、両親にお見合いをさせられては、結婚する気がないから断ると後でそのバイト先のパートの人から聞いたけど、
この時のこのひと時は、今思い出してもうっとりドキドキする。

U輔さんにはもう未練はなくなったけど、
あの頃にもっと私が積極的だったらな。と後悔した。そして今も。

私はいま、恋愛ドラマを観すぎて、
ハッピーエンドは勝手に訪れるものだと思ってしまって恋愛クソ音痴になってしまったが。

いい青春を送っていたな。

ありがとう。U輔さん。




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