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備忘録8:口腔咽喉薬と含嗽薬

【登録販売者資格の勉強備忘録:呼吸器官に作用する薬】


1⃣口腔咽喉薬と含嗽薬の働き

【口腔咽喉薬】
口腔内または咽頭部の粘膜に局所的に作用し、炎症による痛み、腫れなどの症状の緩和を目的とする医薬品
(トローチ剤、ドロップ剤、咽頭の殺菌消毒を目的とする外用液剤)
(鎮咳成分、気管支拡張成分、去痰成分は配合されていない)
【含嗽薬:うがい薬】
口腔および咽頭の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去などを目的
希釈または溶解してうがい、もしくは患部に散布後水でうがいする外用液剤

【医薬部外品】
胸やのどの部分に適用し体温などで暖められて揮散した有効成分が吸入されることにより鼻づまりやくしゃみなどを緩和する外用剤(ビックスベポラップ?)は医薬部外品で医薬品ではない
*医薬部外品の効能効果の範囲*
痰、喉の炎症による声枯れ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み、喉の腫れ、口腔内や喉の殺菌・消毒・洗浄または口臭の除去

【口腔咽喉薬・含嗽薬に関する注意事項】
*トローチ剤、ドロップ剤は有効成分が口や喉にいきわたるよう噛まずにゆっくり溶かすようにして使用する
*噴射式の液剤は軽く息を吐きながら使用する
*含嗽薬では濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分に得られない
*一般的に薬液を10~20㎖程度口に含み顔を上向きにして喉の奥まで液剤がいきわたるようにガラガラ繰り返す
*配合成分によってはその一部が口腔や咽頭の粘膜から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じる
*口内炎など口腔内にひどいただれがある人は刺激感などが現れやすい。循環血液中の移行による全身的な影響も出やすい

2⃣主な配合成分

  • 抗炎症成分
    喉の炎症を和らげ、声枯れ、喉の荒れや不快感、喉の痛みや腫れなどを鎮める目的
    (グリチルリチン酸二カリウム、トラネキサム酸)

  • 殺菌消毒成分
    口腔内や喉に付着した細菌などを死滅または増殖を抑える目的
    (セチルピリジニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、チモール、
    クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩)
    ≪殺菌消毒成分の適正使用情報≫
    *ヨウ素系殺菌消毒成分、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩はアレルギーの既往歴がある人への使用は避ける
    *ヨウ素系殺菌消毒成分は甲状腺疾患の診断を受けた人に使用する場合は医師や薬剤師へ相談する
    *ヨウ素系殺菌消毒成分は妊婦が長期間にわたって大量に摂取した場合胎児のヨウ素過剰摂取による甲状腺機能障害を起こす恐れあり(血液ー胎盤関門を通過し胎児に影響与えるため)
    *ヨウ素系殺菌消毒成分は授乳婦が長期間にわたって使用した場合、乳児にヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能障害を生じる恐れあり(乳汁中に移行)
    *ヨウ素系殺菌消毒成分は口腔粘膜の荒れ、しみる、灼熱感、吐き気、不快感の副作用あり
    *ポピドンヨードは銀を含有する歯科材料の変色を起こす
    *クロルヘキシジングルコン酸塩は口腔内に傷やひどいただれのある人への使用を避ける(強い刺激を生じるため)

  • 局所保護成分
    喉の粘膜を刺激から保護する
    (グリセリン)
    *複方ヨード・グリセリン:喉の患部に散布して殺菌・消毒
     >グリセリンにヨウ化カリウム、ヨウ素、はっか水、液状フェノールを加えたもの

  • 抗ヒスタミン成分
    咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感を鎮める
    (クロルフェニラミンマレイン酸塩)
    *ただし咳に対する薬効は記載できない。内服薬と同じ副作用が現れることがある

  • 生薬成分
    *ラタニア:クラメリア科の根>炎症の寛解
    *ミルラ:カンラン科の樹皮>抗菌
    *ハッカ:ハッカの地上部>鎮痛・鎮痒
    *ウイキョウ:せり科ウイキョウの果実>健胃
    *チョウジ:フトモモ科のチョウジの蕾>健胃・殺菌消毒・抗炎症
    *ユーカリ:ユーカリの木または葉>鎮痛・鎮痒

  • 漢方処方製剤
    *桔梗湯(カンゾウ):喉の痛み/体力に関わらず使用可
    *駆風解毒散・駆風解毒湯(カンゾウ):喉の痛み/体力に関わらず
    *白虎化人参湯(カンゾウ):喉の痛み/体力中程度・口渇あり
    *響声破笛丸(カンゾウ・ダイオウ):喉の痛み/体力に関わらず

3⃣相互作用と受診勧奨

  • 相互作用
    ヨウ素はビタミンCと反応すると脱色し殺菌作用が失われる
    >ビタミンCを接種直後の服用避ける

  • 受診勧奨
    以下のような症状は受診を勧める
    *飲食物を飲み込むときに激しい痛みを感じる
    (扁桃蜂巣炎・扁桃膿瘍の疑い)
    *喉を駆使していないにも関わらず数週間以上続く場合

+++++今日のひとこと+++++
甲状腺機能低下症の私はイソジンでうがいはできません~


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