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排水処理設備:固形物を除去するスクリーン

・スクリーン:流入排水中から20μm程度以上の粒子状物質を分離(捕捉)する装置。工場排水中の残渣(原料のくずごみなど)を除去する。
→固形の有機物を分解するのに時間がかかる。汚泥発生量も増加する。
→処理能力は処理前後のSS濃度の測定で判定可能。

スクリーン処理能力(実機結果の一例)

(1) 織金網(最も一般的)
材料となる丸線を縦と横に一定の間隔をあけて交互に織り込んで製作。
・1本ずつ交互に織る平織は、材料の丸線太さより小さな隙間を作れない。  
→織り方を変えることで、小さな隙間にすることも可能。
・隙間を小さくするためには、丸線を細くする必要がある。
→丸線が細いものほど強度は弱くなり消耗頻度が高くなる。

fig.織金網型

(2) パンチングプレート(金属製板ふるい)
鋼板にプレス機などで、多数の孔を開けたスクリーンです。
 材料が鋼板なため、強度や摩耗に優れている。孔の形は丸孔、角孔、長孔などがある。
 小さな孔を開ける場合は、鋼板を薄くする必要がある。孔と孔の間にそれなりに骨を残す必要があることから、開孔率が低くなり通過時の圧力損失が高くなる。
 配管中のストレーナーや、金網の補強材として組み合わせて使用。

fig パンチングプレート式

(3) ウェッジワイヤースクリーン(産業用で使用)
・水切れが良いことから、特に液体と固体を分離に使用。
・ウェッジワイヤーと呼ぶ三角形型の線材を使っている。
 ウェッジワイヤーを支持材の上に逆向きで等間隔に溶接固定することで、隙間を作る。
・流れ方向に対して、隙間の断面が末広がりになるので、通過する固形物との接触点が小さいことから目詰まりを起こしにくい。
→洗浄により再生がしやすい。
・織金網のように織る工程がない。
→太いワイヤーで小さなスリットを製作可能。
・ワイヤーは溶接固定
→ワイヤーがずれて目幅が変わる心配はない。
・隙間は長方形になるため、大きくても厚みの薄い対象物は漏れる可能性がある。
・高価なものになります。


fig ウェッジワイヤースクリーン
fig ウェッジワイヤースクリーンの仕組み
各スクリーンの特徴


傾斜スクリーンのイメージ
fig 傾斜スクリーンの仕組み
傾斜スクリーンの特徴
傾斜スクリーンのメリット


参考文献:東洋スクリーン工業株式会社
https://www.toyoscreen.co.jp/

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