平日の夜、妥協飯について

仕事帰りは、空腹との戦いだ。

私の帰宅時間は、ものすごく早くて20時、遅いと終電と、かなりバラバラ。どうしても時間が遅いと旦那さんに作ってもらうこともあるし、すき家の牛丼を買うこともあるし、サイゼリヤで爆食いすることもある。

私はあまり料理が好きではない。そして、食いしん坊だ。
情緒不安定な空腹時なんかに、キッチンに1時間以上立つと、「たかが飯になぜここまで頑張る必要があるのか?????」と、罪もない食材たちに”キレ”てしまう。とにかく頑張りたくない。

ただ、矛盾しているのだが、食事は出来るだけ「作りたい派」なのだ。

食事を作ることが、唯一「ちゃんと、生活できてるな」と身に染みて感じることがきる手段なのだ。忙しすぎて死にそうになってるときだからこそ、深夜に味噌汁を作って飲む。そうすると、身体がすーっと浄化され「外の世界」から「じぶんの家」に帰ってきたことに気付く。会社と家だけの往復ではなく、きちんと生きてる。人間らしい生活をしているな、と。まぁ、要は、私の最も手頃な、仕事のストレスの発散方法なのです。

時間はかけたくないし難しいことは苦手だが、食事は作りたい。
となると、夕飯の準備は30分が限度だ。朝ごはんのお皿を洗って、食材を引っ張り出して、調理をして、お箸を並べて、「いただきます」をするまで30分。そして食後の片付けは5分で終わらせたい。

スタートからゴールまで30分は、意外と短い。

社会人になってからの数年間は、土日に「作り置きおかず」をしていた。しかし、大量に作りすぎて腐らせてしまうことが多く、(作り置き冷凍、という方法もあるのだけど)その上、作りたてのほうが美味い、という身も蓋もない結論に辿り着いてやめた。

次に出てきたのは、下味冷凍。
これは結婚してからちょくちょく作るようになった。
だが、下味冷凍の場合は当日の朝、冷凍庫から冷蔵庫に移し、「自然解凍」をしないといけない。これが、できないのだ。すっかり忘れてしまう。帰宅すると、解凍し忘れた豚の生姜焼きがカチンコチンで「おかえり(笑)」と微笑みかける。しょうがないので(生姜だけに?!)、帰ってきてから「オォリャー!!」と解凍をするのだが、時間がかかるのなんの。巨大なzipファイルの入稿データを解凍してるみたいで苛立つ。

なので、最近は作り置きも下味冷凍も、ほどほどにしている。

最近のトレンドは「コンロを使わず、家電フル稼働」だ。

SNSで話題の山本ゆりさんの本を買って、「電子レンジレシピ」を作り始めた。写真のは、旦那さん作の鶏肉とほうれん草のクリーム煮。

旦那さんが電子レンジで温めている間にパンを焼き、桃とクリームチーズが余っていたので、桃モッツアレラ的なキーワードをぼんやりと思い出した。生ハムをどさっと乗せて、オリープオイルとブラックペッパーを振った。常備菜の赤タマネギのマリネを入れて、焼きたてのパンに挟んだら大正解。

トースター、電子レンジ、火を使わない作業を同時並行フル稼働をした結果、謎の国の郷土料理のようなものが、できた。
まぁ美味しかったので良しとしよう。

別の日。
豚肩ロースを取り出し、フォークで突いた後、塩・ブラックペッパー、オリーブオイルを垂らして、乾燥ディルをかけてみた。(乾燥ディルはとても便利だ。これはまた別に書きたい)最後にニンニクを適当に置く。後は魚焼きグリルで焼くだけ。魚焼きグリルは魚だけのものではない。というのに、27歳になって気付く。

その間にナスを切って、醤油・みりん・砂糖・出汁で電子レンジでチン。煮浸しなのかこれは。ごまと冷凍刻みネギをふりかける。冷凍ご飯もチン。あとはインスタント味噌汁と付け合わせキムチでなんとなく。

まぁ美味しかったので良しとしよう。

別の日。
スーパーで安売りしていた2個入り80円の厚揚げ。ふと見たレシピアプリが「厚揚げの豚バラ包み焼き」を紹介してきて、脂ぎった画面に心がグッと揺らぐ。しかし、冷蔵庫には豚バラがない。っていうか、肉がねぇ。今スーパーに行ったら、空腹魔により、確実に350円ののり弁を買ってしまう。

てな訳で、厚揚げに切り込みを入れ、ほうれん草を茹でる。ピザ用チーズを詰め込み、茹でたほうれん草も詰めて、トースターで焼いてみた。その間に、魚焼きグリルで鮭を焼きながら、冷凍ご飯をチン。ほうれん草を茹でた後の片手鍋は、ざっと洗ったら出汁を入れる。さっき茹でたほうれん草のあまりとキノコを入れて味噌汁にした。あっ、もしかして厚揚げの外に味ないんじゃ・・・と気がついたので、めんつゆとごま油と砂糖を入れて混ぜ、さっとかけた。味付けしてから焼いた方が良かったなと思いつつ、食べる。

(なんだこれ・・?)
まぁ美味しかったので良しとしよう。

こんな感じで、私の毎日の料理はかなり実験的で、時間が最優先だ。そして「まあ美味いからいいか」くらいの妥協した食事作りをしている。
冴えない、栄養バランスとかもよくわからない。「絶品!」というほどでもない。そこそこ美味しい。妥協をすることで、調理にストレスも感じず、自炊をしているという満足感も得て、何より空腹を即時に満たす。結構幸せだ。

節約にもなってるし(多分)、妥協飯は素晴らしい。腹を満たし、今日も、眠りにつく。



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ネギ中

アコーディオン弾きで大食いの女です Yann Tiersenは神
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