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レコーディング2

written by 大江友海

当番制なので、わたしも書きます。
録音の概要については赤須くんが大体書いてくれているので、わたしの印象的だったことを。

身内を褒めるなんて、なんだか気持ち悪いから、最初で最後ね。

今回のレコーディングで印象的だったのは、彼の強烈な才能。

まずギターとマンドリン。集中力も発想も、アイデアを形にするときの瞬発力も、どかーんと見せつけられたました。くやしいくらい。いつもはただのお茶目なひげもじゃおじさんなのになあ。 この時ばかりはかっこいいなあと思った。

演奏だけでなくて、彼の曲も素晴らしい。
歌詞は一緒に書いたものとかわたしが書いたものもあるけれど、曲はほぼ、彼のもの。
彼といえば、な、面白い曲ももちろん好きなんだけど、実は今回、面白いのは1曲も録ってない。なんかどっかキュンキュンしちゃうやつ。
独特のひねくれ加減がメロディとコードによく表れていて、一度聴いたら忘れない。言葉の響きやリズムに無理も無駄もない。あとの記事で読めると思うのだけれど、このあたりは強いこだわりがありそう。
ほんとに、どれもいい曲だよ。ソングライターとしての赤須くんの魅力もいっぱい詰まった作品になりました。

あとは声のこと。

声を合わせて、ここまで心地いい人いたことない。
彼の声の倍音の豊かさに包容力があるのと、音程感とかタイム感とかちょうどいいせいかな。癖やエラーの仕方もなんだか似ていて、寄り添うことに一生懸命にならなくてもしっくりくる。声も歌も全く似ていないのに、不思議。

それからプレイバックを聞いて思ったのだけれど、
赤須くんの声には、外側へとんでくエネルギーがあって、わたしは反対に内側に集まっていくエネルギーがあるように思う。二人で歌うとき、赤須くんの歌の、自由で散って消えてっちゃいそうな音の粒を、わたしの歌が集めてひとつにしてる感じ。(男と女って、宇宙エネルギー的にそういうもんだなあ、と、ふと思う。)
客観的にきいてみて、ああいいデュオだなあと思った。

実は、初めて高尾であった時のサウンドチェック(たぶん即興だったかと思う)で、彼の声と世界観にひと聴き惚れした。
わたしはシャイなので、「一緒にやってみませんか(当時は敬語)」とメールするまで数週間かかったけど、勇気を出した自分を褒めてあげたい。

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