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ロシアの戦争映画

「フロンティア」

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2018年の映画。ベタベタ愛国である。現在の情勢の参考にはなる。十分面白い。テンポが良い。内容は時をかける実業家である。
背景になっているレニングラード包囲戦は、膨大な犠牲者を出した戦いである。大多数が餓死だったとも言われているが、そこの描写はあまりない。しかし犠牲を払いながらも、当時のソヴィエトは耐えきった。

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作中昏々と眠る女性は、ロシアの大地である。

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ドストエフスキーの「白痴」のヒロイン、ナスターシャはラストで死ぬ。「タタールロシア」と「キリスト教ロシア」がナスターシャのそばに居続ける。ナスターシャはロシアの大地である。これほどまでに美しく、これほどまでに男性に愛されたのだから、ロシアの大地はかならず復活する、というポジティブな力を秘めた悲劇が、「白痴」である。
本作でも、眠る女性はロシアの大地である。ただし、昏睡しているだけで死んだわけではない。そして男性の強い願いによって蘇生する、と思いきや、実は逆だったのがだが、詳細はご覧いただきたい。

全編塗り絵である。機械も建物も服も草木も、絵の具で塗りたくっている。動くシャガールである。

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タルコフスキーも、

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ズビャギンツェフも、

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減色気味の作家である。そんなロシア映画に、こんなカラフルな作家が出てきていることに驚いた。映画全般としては大変出来が良い。戦闘シーンもかなり見れる。風景シーンはロシア安定のクオリティーである。

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そして、音楽使いはかなりダサい。音量は絞り気味で鑑賞いただきたい。ともかくここまで愛国が強いと、なるほどそれは軍事行動になるだろうなと納得した次第である。


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