それでも玄関の灯りは点いている

眠れずに1階へ降りていくと、玄関の灯りが煌々と点いていた。
そうか、まだ弟が帰ってきていないんだ。
この灯りに気づかされた。

最近帰ってこないことの方が多くなった弟。
それに慣れてしまった私たち家族は、帰ってこないことにあまり疑問を抱かなくなり、心配もしなくなった。
今弟の身に何か起こっても気づかないのではないかというレベルで弟を気にかけなくなってしまっている。

良くないと思いながらも、家族みんなそれぞれが自分を守ることに必死になっている、気がする。

私も今の生活をどうにか変えたい。
転職、一人暮らし、いろんな人から誘われる旅行のこと、体調のこと。
自分の悩みが尽きず、弟のことを考える余裕がない。

お母さんもお父さんもなんとかこの家で家族として暮らすことに一生懸命になっている、ように見える。
今まで順風満帆に見えた私がフリーのアルバイターとして働いていたり、お兄ちゃんや弟が家になかなか帰ってこなくなったり、思い通りにならないことが多いようだ。
子どもがもうすぐ巣立っていくことに焦りを感じているようにも見える。

お父さんはもうすぐ定年を迎える。
今まで忙しさや時間のすれ違いにより、向き合えていなかった問題に、もうすぐ向き合わないとならなくなる。
そんな空気を両親から感じる。

みんながみんな自分を守ることに精一杯になっていて、悲しいことに家族であっても気にかける余裕がない。
それに、たまに帰ってくる弟がいつもケロっとしているものだから、そんな弟に家族はみんな甘えてしまっている。
ごはんだけ食べて再び出かけていく弟を誰も止めはしない。
さみしいけれど、止められない。

一度長く家に居ない生活をしてしまうと、戻ってくることは難しいだろうなと私も思う。
私も一人暮らしを始めてしまったら、本当にたまにしか帰ってこなくなりそうな気しかしない。

弟が何か危ないことに巻き込まれてないといいけど。
としか考えられない。
私が弟にできることってなんだろう。
ただでさえ自分のことで手一杯なのに、なにかしてあげられるのだろうか。
そんなことを考え始めるとつらくなって考えるのをやめてしまう。
なにもできないんじゃない?という答えに辿り着きそうでこわい。

弟に今日は家に帰るの?とLINEしようかと思ったけれど、やめた。
もしひさびさに家に帰ってきたときに、玄関の灯りが消えていて、カギが閉まっていたらさみしいだろうなと思い、そのままにしておいた。
今夜は帰ってくるのだろうか。
もうすぐ深夜2時を迎える。

#エッセイ #夜 #灯り #日記 #夜のエッセイ

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藤岡ぴぴ

ワンピースと本、早朝のマックで考えごとをする時間が好きです。ついついかわいいノートや本、雑貨を集めてしまう癖があります。社会人なりたての23歳まだまだひよっこ。大好きなものたちや日々考えることについて書きます。

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