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いつまでもやっぱりお姉ちゃん

今朝は珍しく弟が午前中に起きてきていた。
私も遅番の日はギリギリまで寝てしまうタイプなので、早起きではないけれど、朝弟の顔を見るなんて久しぶり。
今日はインターンらしい。

今朝はなかなか着ていく服が決まらず、鏡の前でうろうろしていたら、家を出る時間がギリギリになってしまった。
そうやってバタバタたどり着いたバス停に弟がスーツを着て並んでいた。

一緒にバスに乗り込むと、「バイト何時から?」と聞いてきた。
私はバイトと言われるのが嫌なので、「12時半から仕事」と答えた。
そうやってバスに揺られていると、「姉ちゃんそろそろ就活するやろ?」と聞いてきた。
出た。この話題が大っ嫌いだ。

文字にするとやわらかく感じるかもしれないけれど、口調は荒い。
え?バイトのまんまとかやばいよ、それ。早く就活せんと、まじでやばいから。と声にならない言葉が聞こえてくる。

弟は現在大学3年生。
もうすぐ就活がはじまる。
そこまで就活の準備をしているようではないけれど、インターンにはそこそこ参加しているらしい。
まわりの人と同じようにレールに乗っかり始めた普通の大学生。
そんな興味ないけど、受かったらラッキーという気持ちで大手を受けるつもりらしい。
それは危険だねと相槌を打った。

弟にとっては、みんなと同じようにスーツを着て、同じようにインターンにそこそこ行き、就活をすることこそが正しい道なのだろう。
弟はレールに上手く乗れるタイプだ。
私は就活を控えていたころから、真っ黒でタイトなスーツを着たくなかったし、真っ黒な髪も嫌で上手くレールに乗れなかった、というより乗りきれなかったから、弟には私の気持ちがわからないのだろう。

何が正しいとかそんなものはなくて、自分がいいなと思えるようにしたらいいのだけれど、弟の言葉を気にしてしまっている私にも、なんだかわかったような顔でとやかく言ってくる弟にも嫌になって違う席に座った。

弁がたつ弟と、頭の中を言葉にするのに時間がかかる私。
上手くやっていける弟と生きていくのが下手な私。

小さい頃から私の後をついて習い事も学校も塾も一緒だった弟だけれど、よく考えてみたら性格も考え方も正反対だったんだなと気づいた。
勉強嫌いな弟とは対照的に勉強だけは私の方が好きだったっけ。
歳が2歳しか違わないせいか、よく喧嘩をしたのは兄ではなく弟だった。
歳下の弟にムキになってしまうところは今も変わっていなくて、たまにそんな自分が嫌になる。
今日も自分にやれやれという感じだ。

天神に着くと電車を降りていく弟を目で追っている自分がいた。
私が電車を降りるころには、弟は人混みに消えていたけれど、弟を探す姉の私がいた。

腹を立てていたけれど、私はやっぱり弟のお姉ちゃんだったみたい。
弟へインターンがんばれ!というメッセージと変なスタンプをLINEで送り、職場に向かったのだった。
2月の終わりのまだ肌寒い朝だった。

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今日のダイアリー
「あっという間の4ヶ月ダイアリー」

こちらは以前にも紹介したCHICさんの手帳の中の画像をコラージュしたものです。
毎月かわいい柄のダイアリーは月が変わるごとにワクワクします。

それにしてもこの4ヶ月本当に早かったです。
みなさんはどうでしたか?
1ヶ月と言わず、1日1日を大切に過ごしたいですね。

#エッセイ #弟

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