傷ついたとき

テーブルの足に小指をぶつけたみたいに、怪我と言うには大したことのないことが、グズグズと痛んで離れないとき、どうしていますか?
毎日、こころにかすり傷。仕事で、家庭で、ちょっとした小競り合い。行き違い。イライラもやもや。うまく言葉にできないときも、心は確かに傷ついている。

頭の中を覗き見ることはできないから、ほんとうの意味で理解し合うことはできない。わかっていても、この気持ちを理解して、いたわってほしいと思ってしまうものですが、それが許されるのは、こどものうち。大人だって、「よくがんばってるよ。大丈夫。」と、受け止めてほしいけれど、自分だってボロボロなのだから、相手だってボロボロ。みんな、角が欠けると痛い。そしてだんだん丸くなっていく。

大好きな梨木香歩さんの「裏庭」の中で、主人公の心の傷が具現化し、血が止まらなくなる場面があります。その村では、みんな血を流し、治療をし、癒やし癒やされ続けている。でも、癒やしを求めている限り、永遠にそこから出られないことに主人公が気づき、癒やしに後ろ髪をひかれながら、その場所を離れ、旅を続けることをにするのです。

傷ついても、無理をしてでも前に進めというわけではなくて、
「いてて…」と痛みをこらえ、痛みが薄くなるまでさすったり、立ち止まることは普通なのに、心の傷は、見えないから、小さいからと後回しにしてしまいがちです。立ち止まり、次へ進むために、気持ちを文字にして押し出すと、ちょっと落ち着くような気がします。SNSでもらえた「いいね」が、さらに自分を癒やし、背中を押してくれます。

気持ちを文字にする。SNSで公開しなくても、日記やメモに書いてみる。すると、頭の血溜まりがコロっと落ちて、少しスッキリするかもしれません。

もっともっとGIVEできるように、精進します!