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ネットワークと居場所

今、組織やネットワークに関する本を読んでいて思ったことがあります。
人は脳と同じように、人同士がつながり、組織をつくりますが、「組織」という言葉は、捉え方の幅が広い言葉だなと思ったのです。

企業、コミュニティ、チーム、サークル、協同組合、ギルド、家族、友達…。「組織」という言葉から連想する言葉はたくさんあります。見る角度を変えれば、組織に当てはまるコミュニティはいくらでもあります。

「仕事」の視点で「組織」を考えたとき、「企業」という組織が一番に浮かびます。仕事をしようと思ったとき、まず「企業」へ所属することを考えがちです。ですが、もっと広い視点で「仕事」と「組織」を見てみると、実際にはそれ以外にも、居場所を見つけている人がいます。
一人でハンドメイド作品を作り、社会へ発信する人は「個人事業主」と「社会」のつながりですし、企業に所属しながら、副業をする人も珍しくないように思います。

梨木香歩さんの「雪と珊瑚と」を、コミュニティづくりの視点で読むと面白いかもしれません。21歳の「珊瑚」はシングルマザー。雪はまだ生まれたばかりで、これからどうしようか途方にくれていたとき、「赤ちゃん、お預かりします」の張り紙をみつけます。張り紙の主は年配の女性「くらら」。最初は雪を預けることに不安だった珊瑚ですが、くららに雪を預け、紆余曲折を経て自分の惣菜カフェをオープンさせるお話です。

社会とのつながりも少なく、親にも頼れず、まだ小さな子どもを抱えた女性が、「くらら」との出会いをきっかけに、様々な人と出会い、結果的にカフェという居場所と、それを取り巻くコミュニティが作られていく様子が描かれています。

人が集まり、協力し、何かを得る組織は「企業」だけではない。私=「何か」を見つけ、人が集まる先で自分に何ができるのか。珊瑚にとっての惣菜カフェを自分も見つけるには、人と人の出会いとつながりがヒントになるのではと思うのです。

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