俺の「大作戦」

俺が作っている奇妙なラジオ番組「A-wave」。この番組のメインパーソナリティをやっているのが、特長ある声を持った「伊藤綾子」である。
先日、この伊藤さんの声を真似てみろ、「A-waveをパクってみろ」と煽ってみた。結果、何人もの伊藤さんが登場し、俺を楽しませてくれた。

しろさんが、4コマ漫画制作承ります」という企画を行っていたので、「A-wave」の2人が登場する漫画を発注してみた。完成した漫画には安野ジョーこと俺と、そして伊藤さんも描かれていた。その時俺ははっとした。伊藤さんがビジュアル化されたのはこれが初めてだという事実に。

伊藤綾子さんは、「声」は存在するが、訳あって「姿」はないのだ。ビジュアルが存在しない。それが「しろさん」の漫画によって、初めて具現化されたのだ。しかし、しろさんの「絵」は個性的であり、4コマでは映えるが「イメージ画」のそれとは違う。俺の脳内になんとなく伊藤さんのビジュアルはあるのだが、絵が苦手な俺はそれを表現することができない。

伊藤さんのビジュアルがあったら面白いんじゃないか……、そう思った俺は、ダメもとでnoterさんたちに呼びかけることにした。「伊藤綾子ビジュアル化大作戦」と大仰なタグをつけ、「伊藤綾子のサウンドノート」を使って募集を行った。すぐに反応がくるはずはないと思った。金を払うわけでなし、相手には何得でもない大作戦だからだ。

ところが作戦2日目にして、しろさん含め6人(現時点で)の伊藤さんにお会いすることとなった。正直このレスポンスの速さと量には驚いた。当初は長期計画で「大作戦」と言い続ければ、いずれ誰かが……くらいの気持ちでいたのに2日で6作品だ。

「note」はやっぱり面白い。その面白さは、人と関われば関わるほど大きさを増すもののようだ。

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