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進化を続けるディシプリンド・アジャイルの今を知るページ:番外編

「新しいPMBOKガイド(第7版)は、かなりアジャイル色が濃くなるらしい」
…なんて噂を耳にするようになって久しいですが、やっと公開されましたね。
第7版をつまみ食いした印象では…
「想像していた以上に、ディシプリンド・アジャイル色が強い」
という一言に尽きます。
PMBOKといえば、ウォーターフォールの聖地みたいな印象もあり、ぼんやりしてると、「ウォーターフォール視点から都合よく歪められた解釈」が横行するかも…なんて気もしてきました。
そこで、なんやかやと10年近くディシプリンド・アジャイルに携わってきた立場から、「ディシプリンド・アジャイル屋の視点から見た第7版」をご紹介しようと思います。
※なお、ご存知のように、PMBOKガイドは有償の商品ですから、ここで細かく引用するわけにはいきません。そこで、
・主に、目次やPrefaceレベルで、
・あまりアジャイルやディシプリンド・アジャイル(DA)をよく知らない人が、第7版を手にした時に、「なぜそうなっているのか?」という点がわかりやすいように
…といった点を意識し、ポイントを絞ってご紹介しようと思います。

ポイント1)「一気に薄くなった」→情報提示のやり方がWebベースになる
英語版で、ページ数だけを比較すると、次のようになります
・第6版:938ページ(PMBOK Guide第6版+Agile Practice Guide)
・第7版:274ページ
ここでのページ数は、「PMIのサイトからダウンロードできるPDF1ファイルのページ数」を比較したもので、表紙やら目次やらも含めたページ数です。
第7版から、
・頻繁に知見が組み込まれ、更新されるであろう細かいモノはWeb上で、
・(おそらく)それを理解する上で必要な世界観のような、更新頻度が(相対的に)低いモノがPDFや印刷物として、
共有されるようです。
このWeb上のコンテンツライブラリは、”PMIstandards+(TM)Digital Contents Platform”と呼ばれ、PMIの会員はすでにアクセスできるようです。
https://www.pmi.org/pmbok-guide-standards/standards-plus
※Prefaceでも「PMBOKガイドの歴史の中で最も大きな進歩」(筆者訳)と謳っております。
【アジャイル/DAの影響】
アジャイルの世界では、多くの有用なプラクティスが日々提案され実践されており、それらの情報が「まずはWebサイトやSNS上で開示される」のが当たり前となっています。DAは、提唱以来進化を続け、今では”意思決定のツールキット”として、Webサイト上でコンテンツを公開しています。
最近では、”DAブラウザー”と称するサイトを立ち上げています。
https://www.pmi.org/disciplined-agile/da-browser
(※ちなみに、友人の話では、PMIの会員でなくとも、ユーザー登録すれば使えるらしい)
つまり、
・日々の活動で有用な情報はDAブラウザーで、
・世界観を理解するための基礎知識はPDFや書籍で、
というDAにおける情報開示のあり方がPMBOKガイドでも同様になった、というところでしょう。
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でも、「ウォーターフォールだったら、そんな頻繁に変更する?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。それには、「ウォーターフォールの位置付けがどう変わったか」を理解する必要がありますが、それは”その2”で取り上げたいと思います。

P.S.
ところで、本稿は「進化を続けるディシプリンド・アジャイルの今を知るページ:番外編」と謳ってますが、本編あっての番外編、でもまだ本編は書いてませんw
まぁ、おいおい・・・


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