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『今日からできるPR』マスメディアが思わず反応してしまうプレスリリースのテクニック

広報、PRは重要なのか

スタートアップ企業、ベンチャー企業にとって最も重要なことは

『自分たちの企業がどのようなことをしているのか』

『どのような商品を発売しているのか』

を消費者に知ってもらうことです。

そのため、広報やPRは非常に重要な仕事と言えます。

企業のことを知ってもらうことで、企業の売り上げだけでなく繋がりを確保することができるからです。スタートアップ企業などの壁である資金調達に関しても、企業を事前に知ってもらっておくことでスムーズに進むことができます。

広報やPRと似たような言葉に、宣伝やマーケティングがあります。やること自体はそこまで変わらないのですが、宣伝やマーケティングではどうしても費用が高くなってしまう傾向があるのです。

それに比べて広報、PRですと工夫次第で低費用の運用が可能になります。それに加えて、大きなリターンにも期待できるのです。

広報やPRというのは時間が勝負になります。どれだけ早い段階で自分たちの企業を知ってもらうかが重要になるからです。現在では、情報発信するツールは数多く存在しています。少しずつで良いので、情報発信してみましょう。

まずはプレリリースから始めよう

費用も少なく、スタートアップ企業でも簡単にできるPR戦略として『プレリリース』があります。

プレリリースとは、お客様や消費者様に直接PRするのではなく、新聞社や雑誌社、テレビ局に対して情報を提供することです。

プレリリースは別名『ニュースリリース』とも呼ばれており、弊社の商品を多くの人に認知してもらうためには必ずやっておきたい広報活動の一環で、もっともベターな方法とも言えます。

提供する内容としては、商品の特徴やメリットを簡潔にまとめたり、使用するシーンなどを想定して解説するなどでも大丈夫です。

それをメールやFAX、郵送などにてメディアに送信します。

データの中には大切なものが詰まっていますので、メールであればウイルス対策、郵送であれば特定記録郵便や書留を使うと良いでしょう

メディアが受け取った後は、担当の記者が確認します。そこで興味を持ってもらえれば情報を元に記事が作られます。場合によっては、取材依頼がくることもあるくらいです。

各メディアへの連絡先が分からない場合などは、プレスリリース配信会社のサービスを利用してみましょう。

1配信の相場は約3万円前後と言われていますが、スタートアップ企業限定で、一定期間のプレスリリース配信サービスを無料もしくは割安で利用できることもあります。

プレスリリースを月4件発信することを目標にする

プレリリースの情報を不特定多数のメディアに送ったとしても、すぐに反応があるわけではありません。

プレリリースを行っている企業は多く、メディア関係者には1日に何百通ものリリースが届くのです。それをすべて確認するのは膨大な作業量ですし、どうしてもスルーされてしまうことがあります。

実績のないスタートアップ企業よりも実績のある大手企業のリリースの方が気になってしまいますよね。

そういったこともあり、最初の方は取材の依頼もなければ、たとえ記事を書いてもらったとしてもすぐに反響があるわけでもないのです。

しかし、それでも諦めてはいけません。

担当者の目に止まるためにも、多くの情報提供をするようにしましょう。おすすめは月に4件ですが、それ以下でも構いません。とにかく、毎月送るのが大事なことなのです。

メディアに情報を送り続けているうちに、どのようなものが反響なあるのかが分かってきます。それを基にメディア毎に送るリリースを決めていくのも一つの手です。提供する情報に困った場合は、

『製品の新機能』『累計顧客数〇〇人突破しました』などの事業進捗だけでなく、業界に関するレポートでも大丈夫です。


スタートアップ企業がプレリリースする際の注意点

プレリリースは、広報活動の代表的なものであり、多くの企業が新しい商品などを開発したりリリースする際に利用されます。

大手企業も活用していることもあり、とにかくプレリリースを出すことが大事だと思われがちです。その考え自体は間違いではないのですが、闇雲にプレリリースをやっても意味がありません。

特にスタートアップ企業はプレリリースを出す際に注意しなくてはいけないことがあります。

それが、プレリリースを出した際の費用対効果が合わないというものです。

プレスリリースを1本作成するだけでも、多くの時間とコストがかかってきます。時間という部分で考えれば、以下のようなものがあります。

・広報する情報を社内でヒアリングする
・その情報を基にプレスリリースを作成する
・完成したプレリリースを上司に確認してもらう
・すべての関係者にチェックしてもらう

これらをすべてやっていたら時間がかかりますよね。

そして、コストの面だと人件費などの目に見えないコストが発生しています。

イメージされにくいと思いますが、実は莫大なコストなんです。

ただし、これだけのコストをかけて結果に繋がることもあります。スタートアップ企業などの資金面に不安がある企業は、無理しない程度のプレリリースを目指すことも大事です。


プレスリリースの結果を受け入れて改善しよう

『プレスリリースを送ったが、取材依頼どころか何も反応がなかった』なんてことは珍しくありません。スタートアップ企業の場合であれば、最初の取材依頼をもらうまでが一つの壁になります。

取材依頼がこなかったことは仕方ないのですが、問題なのは『なぜ取材依頼がこなかったのか』という部分です。

その原因が分からなければ改善することはできません。できる限り理由を検証・分析してみましょう。

・文章の書き方が悪くて読みにくかったのか

・魅力が伝わらずに飽きられてしまったのか

・送ったメディアが興味ない情報だったのか

・リリースするタイミングは合っていたのか

・そもそもPRする情報にニュース性がなかったのか

・それ以外の理由なのか

少し考えただけでもこれだけ出てきます。

プレリリースをメディアに送って終わりにするのではなく、次に繋がるように努力しましょう。

どうしても分からない場合は、メディアに直接連絡を取って意見を聞くのも必要です。答えてくれないメディアも多いと思いますが、しっかりと細かく教えてくれるメディアもあります。

その意見をフィードバックして魅力のあるプレリリースを送れるようになりましょう。

そうすれば全体的なコストも減って満足のいくPRが行えます。


古いネタは書かれない

プレリリースを送る際には、それがいつのネタなのか確認しましょう。メディアによっても若干の誤差はありますが、どんなに良いネタを提供したとしても、基本的には1週間前の出来事を取り上げることはほとんどありません。

仮に記載されることになったとしても、大々的にアピールできる場所ではなく端にある小さいスペースに書かれる程度でしょう。

非常にもったいないですよね。

もし当日にプレリリースを送っていたら大々的に取り上げられていたかもしれないのですから。

このプレリリースを送るタイミングなのですが、実は中堅企業などでも送れることが多々あります。

1週間前どころか2週間前のプレリリースを送ってくることもあるくらいです。

プレリリースが遅れる理由としては、プロジェクトの遅れと連動して広報部に情報が下りてくるのが遅くなるからというのが一番大きいです。プレスリリースは公式の発表と同義ですので、上司や役員の確認が必須になります。文章作成から確認まで行っていたら遅くなりますよね。

逆に考えれば、それらのフローを完璧にこなせればスタートアップ企業でも、当日にプレスリリースを送ることができるのです。

それによって中堅企業を出し抜くことができますし、大々的に取り上げられる可能性が上がります。最初は難しいかもしれませんが、意識して取り組んでいきましょう。

特定のメディアに企画を持ち込む

プレリリースは、一度に多種多様のメディアに情報を提供して記事を書いてもらいます。しかし、多くのメディアを使わずに特定のメディアだけに対して情報を提供するのも一つのPR戦略です。

不特定多数のメディアに情報発信をするよりも、そちらの方がコストを抑えて高いPR効果を発揮することがあります。

たとえば、自社の商品やサービスに興味を持ってくれそうな記事を書いている記者や編集者に直接情報を持っていくなどです。

そこで気に入られれば、取材依頼や交渉などもあるでしょうし、大々的に記事として取り上げてもらえる可能性も上がります。売り込み営業みたいな感じだとイメージしてください。

ただし、この方法を成功させるためには指定のメディアや媒体研究は必須になります。

この雑誌なら自社製品でも興味を持ってもらえそう、この記者の書く記事は自社の製品にマッチしている、など研究してみましょう。

もしライバル会社の似たような商品がすでに取り上げている場合、その媒体は同じジャンルの商品に興味がある可能性がります。

担当者が分からない場合などは、企業の窓口に連絡するなどして積極的にアプローチする行動力が、PR・広報には必要なのです。


プレスリリースに関して

それではここから、プレスリリースの具体的なやり方から失敗例、改善方法など解説します。プレスリリースが上手くいってない企業は思い当たるフシがないか確認してみましょう。

プレスリリースを送るタイミング

プレスリリースはどのようなタイミングで各メディアに送るべきなのか、意外と知らない人もいます。基本的に、プレスリリースはいつでも送ることが可能です。ただ、以下のようなタイミングで送るのが一般的なので、ぜひ参考にしてみてください。

【事業のスタート】

・会社設立

・お店の開店

など

いわゆるスタートアップ企業などが該当します。新しい会社を設立して、『どのような事業を行っていきたいのか』『どのような目標を持っているのか』などをプレスリリースを通して知ってもらうのです。

【新商品・サービスの発表】

・新商品開発への着手

・新商品の完成

・発売時期

・発売後の反応や結果様子

これもプレスリリースでよく取り上げられる項目になります。新しい商品を作る・発売するというのは、会社にとって大きな出来事です。知ってもらう、もらわないで売り上げが激変しますので、メディアにプレスリリースは多く送られます。

『イベントの開催』

・交流会

・無料相談会(セミナーなど)

・ボランティア活動

など

イベントへの参加やセミナーの開催を記事にしてほしいときに利用します。

社会貢献にも繋がりますし、会社の評判を上げる手段にもなります。

プレスリリースは郵送するだけで完了

プレスリリースは、個人事業主から中小企業、スタートアップ企業でも気軽にできるPR方法です。

極端に言ってしまえば、ペンと封筒さえあればプレスリリースを提供することができます。

新製品やサービスの内容を書いて、テレビ局や新聞社などのメディアに送るだけで完了するわけです。メディアからすれば、そのような情報はいつでも送ってくれて構わないのです。有効な情報であれば記事にしたくなります。

このように、プレスリリース自体は非常に簡単なのですが、それが成功するかどうかは工夫が必要なのです。

プレスリリースはメールで大量に送るだけという簡単なイメージがありますが、実際はメールでのプレスリリースはあまりおすすめできません。

確かに簡単に大量のプレスリリースを送ることはできますが、メディア側からしたら『迷惑メール』になりかねないのです。

そのため、おすすめなのは手書きで送ることです。

メールでのプレスリリースと郵送で届くプレスリリースでは、3倍4倍もの効果があると言われており、場合によっては10倍もの差が出てきます。

これだけ取材に至る確率が違うのですから、プレスリリースはできる限り手書きで送るようにしましょう。数多くのメディアに送るのは大変ですので、送り先を厳選する気持ちも上がります。

プレスリリース・ニュースリリースの送り先の調べ方

プレスリリースの方法はメディアに『ニュース情報郵を送する』ことで完了する非常にシンプルなものです。

ここで問題になってくるのが、『プレスリリースの送り先が分からないからどうしよう』という部分になります。

せっかく良い情報をまとめたとしても、送り先が分からなかったり、自分たちの企業に合ったメディアに送らなければ意味がありません。では、どのように調べるのか解説しましょう。

最も簡単な方法は、広報やマスコミの連絡先が記載されている書籍を購入するというものです。

簡単に言ってしまえば、マスコミ専用の電話帳みたいな感じをイメージしてください。意外と簡単に入手することができるんです。書店やAmazonなどでも売っていますので、まずはこれを入手してください。テレビ局、新聞社、雑誌などのメディアの所在地だけでなく電話番号、マールアドレスも載ってるので便利です。

他の入手方法としてはネットを利用してみましょう。

いろいろと検索すれば所在地などが分かると思いますが、おすすめなのはメディアリストを公開しているページです。

国内のメディアリストが載っていますので、送り先の候補をピックアップしやすくなっています。ただし、限定公開の場合もありますので注意しましょう。


地方のプレスリリースの送り先を調べる方法(各社ウェブサイトで調査編)

広報ハンドブックには、多くの新聞社やテレビ局の本社は載っている便利なものですが、実はある情報は載っていません。

それが『地方の取材拠点』です。

地方の取材拠点よりも本社の方が良いと思われがちですが、実はその逆だということを今回覚えておきましょう。地方の取材拠点の方が、圧倒的に担当者や記者を接触しやすいのです。このメリットはぜひ活かしましょう。

では、どのような方法で地方のテレビ局や新聞の連絡先を調べるのか解説します。

今回紹介するのは最も簡単な方法である『ネット』を利用するものです。

取材拠点は各社のウェブサイトで見つけることができます。会社によって取材拠点がある県とない県がありますが、

下記の会社は全国47都道府県に取材拠点を構えています。

約10人前後の担当者を配置していますので、それを頭に入れて魅力的なプレスリリースを送りましょう。

・読売新聞
・朝日新聞
・毎日新聞
・産経新聞
・日本経済新聞
・NHK

基本的に、有名な新聞会社であれば全国に拠点を構えていることが分かりました。ぜひ活用してみてください。


地方のプレスリリースの送り先を調べる方法(iタウンページで調査編)

地方の送り先を調べる方法としては『iタウンページ』というものを利用するのも有効です。調べ方は会社によって違いますので、それぞれ解説します。

・新聞社の場合

『あなたの地域名、勤めている会社の所在地』と『新聞社』で検索します。

すると、あなたの地元や会社の所在地に近い新聞社が表示されます。そこには、所在地だけでなく電話番号も載っているので利用しましょう。

たとえば、『山口市』『新聞社』と検索すれば、山口市にある新聞社がピックアップされて表示されるのです。

その中で、『〇〇新聞 山口支局』と表示されるのが取材拠点となります。

ここれに電話してアポを取って、リリース情報を郵送してみましょう。注意点としては『ご購読お申し込み専用』などは取材拠点とは関係ありませんのでスルーしてください。

・テレビ局の場合

テレビ局を検索する場合も『あなたの地域名、勤めている会社の所在地』と『放送局』で検索してみると良いでしょう。

テレビ局だけでなく、ラジオ局の検索結果が表示されます。どちらにもプレスリリースを送ることができるので活用してみてください。地方だからこそ取材の機会が多いと覚えておきましょう。

地方のプレスリリースの送り先を調べる方法(公共図書館で調査編)

意外と知られていない方法として、地元にある公共の図書館などを利用してみましょう。『図書館に住所などが載っている書籍なんてあるのか?』と思われるかもしれませんが、注目すべきなのは新聞コーナーです。公共図書館であれば、ほとんどの場合でその地域で発行されている新聞を置いています。

新聞のどこを見るのかというと、『地域面』をチェックしてみましょう。

題字の下などに『所在地』と『電話番号』などが記されています。場合によってはメールアドレスも載っているので活用してみてください。

ただし、メールアドレスに関しては『捨てアドレス』の可能性もあり、メールでプレスリリースや連絡を取ったとしても開封すらされていない場合もあります。

プレスリリースを読まれるためには、メールではなく極力紙媒体で所在地に送るようにしましょう。

電話でも問い合わせも可能ですが、記者というのは非常に忙しいのでアポが取れる可能性は低いです。

スタートアップ企業などであれば、地道に所在地にプレスリリースを送ることをおすすめします。


業者は本当はおすすめできない

「プレスリリースを送りたいけどメディアのリストがない。検索するのも書籍を入手するのもコストをかけたくない。

であれば、プレスリリース配信サービスを利用した方がお得なのではないか?」と感じる人もいます。

しかし、これはおすすめできません。

理由はいろいろあるのですが、やはり『業者の所持しているメディアリストの送り先は、依頼した会社・事業に最適化されたリストではない』という部分が大きいです。

簡単に言ってしまえば、不特定多数のメディアに一気に送信されることになります。

プレスリリースというのは、見られることが第一条件になります

興味のないメディアにプレスリリースを送られたとしても、そもそも見られることがないのです。

それに加えて、配信サービス自体が『この配信サービスから送られるプレスリリースはクオリティが低いから一つも見る気がない』と一括りにされるかもしれません。

そのため、いつまで経っても『その他大勢のひとつ』という印象を持たれてしまう危険性があるのです。

そして、このようなサービスを利用すると費用が発生してきます。効果が薄いのに、利用し続ける限りお金を払い続けるのはもったいないです。

絶対に利用するな、とは言いませんが、楽な分効果が薄いという点、コストは必ずのしかかってくるという点を頭に入れておきましょう。


メディアリストを自社保有しよう

ビジネスにおける『顧客リスト』というのは非常に重要なものであり、外部に漏らしてはいけないものです。

たとえ火事や地震などの有事が起こったとしても、顧客リストが残っていれば再びビジネスを始めることができるからです

それと同じように、自社保有しているメディアリストというのは広報の生命線と言われています。メディアも『この企業であれば任せられる』という気持ちを込めてリストを提供しているのです。

そのため、リストを外部に握らせ続けるのは、自らの生殺与奪を預けているのと同じとも言えます。

そういったことも考えながらプレスリリースを行っていく必要があるのです。

スタートアップ企業などは、どうしてもプレスリリースを成功させたいと考えて最初から大きいことをしようと考えがちですが、その気持ちは一旦抑えましょう。

始める際には、新聞社やテレビ局など1社に1通送る程度の小さいスタートでも良いのです。

大量生産して大量消費する時代は受け入れられなくなりました。

それはプレスリリースにも言えることなのです。不特定多数のメディアに無差別に送るという行為には、効果がないどころか『迷惑企業』というらく印を押される可能性もあります。

1つ1つのメディアを大切にし、それを受け入れてくれたメディアのリストをしっかりと自社で保有するようにしてください。


メディア各社の送り先を細かくターゲティングする

メディア各社の連絡先は分かったら、次は送る『部署』を厳選しましょう。

プレスリリースを送る際には『〇〇新聞社 御中』や『〇〇テレビ放送 御中』と宛名を書いて送ると思います。

しかし、これでは不十分なのです。ここに一つの工夫を加えることで、大きな差が出てきます。その工夫というのが最初にも書いた『部署』を厳選することです。

新聞社やテレビ局に着いただけでは、担当者に読んでもらえる可能性は低いです。

新聞社もテレビ局も、扱うジャンルは非常に多く、それぞれに部署が別れています。芸能面があればスポーツ面、経済面などもあるのです。

朝刊だけでも30ページ近くあるので、宛名に部署を書かなかったあなたのプレスリリースは、社内でたらい回しにされるか、そのまま放置されてしまうでしょう。

そうならないためにも、あなたの送った情報に興味を持つ部署や担当者に届くようにしていくのです

新聞であれば『社会面』『経済面』『生活面』など多くの部署があるので、しっかりと厳選してください。

テレビ局であれば、番組ごとに送るようにしましょう。どの番組であれば取り上げられる可能性があるのか考えるのです。各局のホームページを見ながら、番組内容を確認しましょう、


記者やディレクターの名前を特定して送る

プレスリリースを送るメディアや部署が厳選できたら、次は『その部署の誰に送るべきなのか』という部分を考えてみましょう。

部署の中でも専門する分野が違うことはよくあります。

たとえば、芸能面だとしても男性アイドルに強いのか女性アイドルに強いのか子役に強いのかで分かれるのです。

そのため、その部署の中でも自分たちのリリース情報に興味を持ってくれそうな人物を特定・厳選しましょう。

指名を特定するのは難しいですが、スタートアップ企業としてはその担当者とこれから出会い、関係を築いていくのがもっとも大切なことになります。

なぜなら、それが自社に最適化された『メディアリスト』になっていくからです。

最初は部署名だけでも構いません。何回もコンタクトを重ね、電話や名刺交換をしていくうちに少しずつ名前が分かる人を増やしていくのです。

テレビ局に送る場合であれば、その番組の中の『コーナー』まで指定できるくらいにはなっておきたいです。

このようにして、記者やディレククターらと親密な接触を繰り返すことで、個人的な関係を築いていきましょう。

そうすれば、電話一本で取材から掲載まで獲得することも夢ではありません。

ただし、これはあくまでスタートラインの話で、もっとも大切なのは『内容』だということは忘れないようにしましょう。


プレスリリースは水曜日16時台の配信が効果的

仕事というのは、『〇曜日の〇〇時に行った方が良い、行わない方が良い』というものがあります。

たとえば、営業職の場合は金曜の18時以降に電話をしない方が良いと言われています。

あくまで暗黙のルールなので、必ずしも間違いではないのですが実際に相手側に悪い印象を与えることもあるのです。そういった中、プレスリリースにも配信するべきタイミングや、避けるべきタイミングが存在します。

PDBマーケティングが、配信されたプレスリリースが『何曜日』の『何時台』に読まれやすいのかクリック率を元に算出しました。

その結果、もっともリリースがクリックされる可能性が高いタイミングは『水曜日16時台』というデータが出たのです。

水曜日に次いでは火曜日、金曜日と続き、時間帯で言えば16時台に次いで8時台、17時台、14時台となっています。

逆にもっともクリック率が低いのは木曜日、時間帯で言えば10時台、19時台、15時台というデータです。

これはあくまで傾向であり、確実なものではありません。他の企業との兼ね合いやリリース内容、タイトルによってクリック率は変わってきますが、ここを押さえておくだけでもプレスリリースが成功する可能性は上がるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。


悪いプレスリリースを参照してみる

これは悪いプレスリリースを参考にするのではなく、あくまで『参照』してみるのです。

悪いプレスリリースを読んでみることで、送付するプレスリリースの最後のチェックポイントができます。

参考にするのは、もちろん良いプレスリリースの書き方です。

それを基に、プレスリリースが完成したとします。

確かに、参考にした部分は完璧にできているかもしれません。しかし、全体を見渡したときに文面がおかしいことに気付くこともあります。

しかし、どこが悪いのかイマイチ分からないときに便利なのが『悪いプレスリリースの例』なのです。

『内容にニュース性が感じられない』

『結論ファーストになっていない』

『情報量が適切ではない』

『内容がまとまっておらず、何の情報をリリースしたいのか要点が掴みにくい』

などの点が見つかるでしょう。そういった欠点が見つかるのは悪いことではなく、良いことなのです。

プレスリリースする前に見つかった訳ですから。

そういった不安をなくすためにも、すべて書き上げた後に悪いプレスリリースと読み比べてみましょう。

良い部分の中に悪い部分があれば効果は半減してしまいます。

良い部分はそのまま残しつつ、悪いプレスリリースに当てはまる部分が見つかれば修正するようにしてください

それだけでもタイトルや内容に大きな変化が生まれるのです。


紙媒体で送付する際のマナー

紙媒体でプレスリリースを出す場合、メールリリースとは異なるマナーを用いる必要があります。

基本的には、以下のようなポイントを押さえて描くようにしましょう。

①紙の大きさはA4サイズ1枚になるように意識し、各要素を集める

②タイトルは魅力のあるものにし、目につくようにヘッダー上部中央に配置する

③見出しは2~3行を目安に大きく太い文字で書く

④リード(内容の要約)は350文字程度にし、本文とは区別して書く

⑤本文は明朝体で書く事ことを意識する。文字サイズや図版で行間を調整して見やすいようにしよう。

⑥1枚目の末尾には問い合わせ先を明記してください

⑦補足的な要素は別紙に記載します。さらに細かく説明するために写真やCD-ROMの同封も効果的です

内容自体はメールリリースと同じでも問題ありませんが同一、ポイントを押さえた紙媒体のプレスリリースの方が見栄えが良くなります。

担当者が興味を示してもらえるように、上記のポイントを参考にしてみてください。なんとなく作るのと、ポイントを一つでも押さえているのでは完成品の品質に差が出てくるのです。

構成をしっかりと組み立てよう

記事を執筆したり、マニュアルを作成するときにも重要なのが『構成作り』です。

構成というのは、簡単に言ってしまえば骨組みみたいなものです。家でもそうですが、最初に骨組みをしっかりと組み立てることでどのような家を建てていくのかイメージできますし、順序通りに進めていけるので作業がブレることは少なくなります。

それと同じように、プレスリリースも構成をしっかりと組み立てることで、内容のブレが少ないものが完成するのです。いろいろと書きたいこともあると思いますが、書式に関しては以下の項目を入れることをおすすめします。

・タイトル(魅力のあるもの)

・要約文(これだけで内容の全貌が掴めるように)

・見出し

・特徴や詳細(読みやすく理解しやすいレベルで)

・背景

・今後の展望(到達目標など)

・企業情報

・お問い合わせ先

大切なことは、専門用語を並べて詳しく説明するよりも『読みやすさ』『理解のしやすさ』を意識することです。

それを達成するためにも、構成作りに力を入れて取り組む必要があります。詳しい話や細かい点については、興味を持って取材依頼があった際にすれば良いのです。

プレスリリース作成の10大原則

プレスリリースは昔からあるPR方法です。

そのため、プレスリリースを成功させるための基本的なスタイルや書き方というものが確立されています。

その基本的スタイルをしっかりと押さえることで、メディアの担当者に分かりやすく印象に残るプレスリリースが作成できるのです。


では、作成時にもっとも大切な10原則を紹介するので参考にしてみてください。

①タイトルと見出し、リード(要約)文が勝負を分ける

②情報は正確なものだけを使う

③結論を先に名言しておく

④専門用語は極力少なくし、誰でも分かる言葉を使うようにする

⑤告的な表現や余分な形容詞は使わないようにする

⑥具体的な数字データを挿入する。場合によっては図や表も使う

⑦1センテンスは50字以内にし、3行止まりを目安に記載する

⑧資料は別添にする

⑨読み手が読みやすいようにレイアウトを変更する

⑩情報によって提供するメディアを厳選する


上記の10原則は、必ず守らないといけないというものではありません。

しかし、これらの原則を押さえたプレスリリースは非常に分かりやすく、読んでもらえる可能性が高まります。

それが取材に繋がって大々的に宣伝してくれるかもしれません。まずは、『メディアに興味を持ってもらうこと』を第一に考えましょう。

レイアウトを整えてみよう

紙媒体でなくメールでプレスリリースを送る際には、内容だけでなくレイアウトに気を使うことが大事になります。

タイトルで魅力が伝われば、担当者はその内容を読んでくれます。

しかし、内容自体が良くても読みにくかったら半分も魅力が伝えられないでしょう。そこで、以下のポイントを押さえたレイアウトに挑戦してみてください。それだけで取材に繋がる可能性は上がります。

①飾りの要素は最低限に抑える

②1行は全角35文字程度に抑えるように調整

③本文の書き出しには発行日と会社名、タイトルを添えることが大事

④リード(要約)はあくまで簡潔にまとめる。空白行を活用して文章を区切ることも忘れずに

⑤段落は行間を空けることで読みやすさがアップ

⑥補足資料は本文との情報と結びつけるように工夫する

⑦図版などの詳細情報はサイト上に掲載して誘導する

⑧文末には問い合わせ先だけでなく『会社概要』を忘れずに


内容自体は紙媒体のプレスリリースと同じで問題ありません。

ただし、メールによるプレスリリースは紙媒体よりも多く送られてくるので、なかなか読まれません。

せっかく読まれたときのために、レイアウトを整えておきましょう。そうすれば、今後の印象も良くなってプレスリリースが成功しやすくなります。


5W1Hを考える

プレスリリースの構成を考える際には、まず情報収集をしてからまとめてみましょう。

情報を断片的に集めるのではなく、必要となる情報はできる限り集めることが大事です。

そうしないと、書き始めてから『あの情報を入れたい』『この情報が欠けている』なんてことも珍しくありません。

このようことになると、まとまりもなければ内容にブレが生じる魅力のないプレスリリースになってしまうでしょう。

それを防ぐために覚えておいて欲しいのが、『5W1H』です。

記事の作成やマニュアル作成にも使われる用語ですが、

WHO(誰が)

WHAT(何を)

WHEN(いつ)

WHERE(どこで)

WHY(なぜ)

HOW(どのように)

の頭文字を取ったものとなっています。

この5W1Hをきちんと導入するだけでも文章として完成したものに近付けるのです。分かりやすい情報伝達に欠かせないフレームワークになります。

プレスリリースでは正確な情報と、それを漏れなく伝えることが大事です。

そのため、5W1Hを意識することでそれを防ぎましょう。プレスリリースの構成などで手が止まっている人などは、5W1Hを一つずつ整理していくと効果的です。

どういった内容のものを誰に向けたものなのか分かるだけで読みたくなるプレスリリースになります。


業界や使用用途によって、雛形やテンプレートを使い分ける

プレスリリースと聞くと『新製品の宣伝』のイメージが強いですが、実際はそれだけではありません。

新しく開催されるイベント情報や新しい部署の設立、他の企業との業務提携や合併、人事異動などの会社動向などもプレスリリースとして出されることもあります。

それらの情報に価値があると思ったらプレスリリースを送り、それを見て価値があると感じたメディアが記事を製作するのです。

タイトルや内容はもちろん重要なのですが、それだけでなく雛形やテンプレートを使い分けることも考えてみましょう。

テンプレートとは、構成がすでに完成しているものです。

『構成は作ってあるから、後は文字を記入していくだけだよ』ということになります。

時間短縮だけでなく、しっかりとした構成が作られているので読みやすく理解しやすいようになっています。

プレスリリースの用途によって合っている雛形やテンプレートは異なり、それを活用することで受けても読んで理解する気になるのです。

ただし、すべてをテンプレートで作ってしまうのではなく、自分なりのアレンジを加えるのも大切になります。

同じテンプレートばかり使っていたら、『構成をまったく考える気がないのか?』と考えるメディアも出てきますので印象を悪くしてしまうでしょう。

プレスリリースタイトルの失敗

プレスリリースというのは、送り先であるメディアの担当者が読んで『このニュースには記事にするだけの価値がある』と思わせる必要があります。

そのためには、まず中身を読んでもらわなければいけません。ここで問題になってくるのが、『中身を見てもらえるような魅力のあるタイトル』を付けれているのか、という部分です。タイトルに魅力がなければ、内容に価値があっても読む前にゴミ箱行きになってしまうことも珍しくありません。

もしプレスリリースで良い返事がもらえない場合は、すぐにタイトルを見直してみると良いでしょう。

内容にどれだけの価値があるのか、ストレートに伝わるように表現してみるのです。

ただし、ここで注意してもらいたいのが『コピーライティングテクニック』を用いたタイトルは付けないことです。いわゆる、消費者に対して煽っているような書き方のことになります。

消費者に対しては効果もありますし、とくに問題はありませんが、記者に対して煽るようなタイトル付けはご法度です。

こうした煽り文句で提出するプレスリリースが実はかなり多いのです。

担当者に対する煽り文句は逆効果で、これを見た瞬間にゴミ箱に捨てられるでしょう。

必ずプレスリリースのタイトル付けのポイントを押さえるようにしてください。ここがプレスリリースが成功する第一歩です。


プレスリリースタイトルの基本

送られてきたプレスリリースの中で担当者が一番最初に注目するのは『タイトル』です。

如何に魅力のあるタイトル、インパクトのあるタイトルを付けるかがポイントになります。

そうでなくてば、内容が良くても内容まで読んでくれません。では、どのような感じで作れば良いのかを解説します。

まず長さですが、できるだけ『見た』だけで全体像が把握できる長さが望ましいです。

ここれ大事になってくるのが、読むのではなく見るという部分になります。

多くの担当者はタイトルを最初から最後までしっかりと読むことはありません。

大量のプレスリリースが届いていますので、タイトルだけに時間を取っている暇はないのです。

パッと見て興味が引かれるくらいのタイトルにしましょう。どんなに長くなっても30文字程度に抑えてください。

横で一文に収めることも意識しましょう。改行でタイトルが折り返してしまうと非常に読みにくいです。

『主タイトル(30字以内)』と『サブタイトル(30字以内)』という構成で分かりやすくする方法も使ってみましょう。

注意点としては、インパクトを付けようと思っても誇張した表現をしないことです。たとえば、『!』の多用や文字の色を目立つ色にしたりすることです。これらは逆効果になり、『中身がない宣伝』だと判断されてしまいます。


基本を押さえつつインパクトのあるタイトルをつけるには

ダメなプレスリリースのタイトルとしては、『抽象的』で大げさなタイトルが挙げられます。実は非常に多くのプレスリリースが陥ってるミスで、担当者からしたらまったく印象に残らないものです。

一瞬は目が留まるかもしれませんが、よく読んでみると意味が伝わらないということで放置されることも珍しくありません。それでは非常にもったいないのでポイントをしっかり覚えておきましょう。

タイトル付けで大事なのは、基本を押さえつつ

『正確な情報だけを伝える』

『インパクトのある表現』

の2点に気を付けることです。

『インパクト=大げさ・誇張』ではないことを覚えておきましょう。

正確性とインパクトを同時にタイトルに落とし込むには、『具体的に書く』のが一番です。

具体的な書き方とは、『数字』と『固有名詞』を盛り込むことで解決できます。

すごく簡単に作ってしまえば、『〇〇するために〇〇をすると、結果的に〇〇になる』のような感じで明確に具体的なタイトルを書くようにしましょう。

ダメなタイトルほど使いがちなのが形容詞です。

形容詞とは、人の『主観』による表現方法になります。客観報道が基本である新聞やテレビに馴染みません。できる限り形容詞を使わない表現を心がけてみましょう。

タイトルにかける時間は多くなりますが、それだけ大事ということです。


写真を挿入する

プレスリリースは文字だけで送るよりも、図や表を挟んだり写真を挿入することで成功する確率あ上がります。

とくに写真は非常に効果が高く、ぜひとも1、2枚は入れておいてほしいです。

記者が送られてきたプレスリリースを『価値のあるものか、ないものか』を判断するのに使う時間は数秒~数十秒程度になります。

タイトルだけでも判断材料になりますが、写真があることによって判断材料が増えるのです。

それに加えて、写真であればほんの一瞬で多くの情報を担当者に伝えられるメリットがあります。

『この画像の商品はインパクトがあって興味がある』や『このイベントは消費者に伝える価値がある』などの判断がしやすいのです。

これは新聞社でもテレビ局でも同じで、とにかく『良い画が取れそうだ』と感じてもらえれば一歩取材に近付いたも同然なのです。

写真を撮るコツとしては、1枚で分かるインパクトたっぷりの写真と別角度から撮った写真を用意すると良いでしょう

プレスリリースで成功する第一歩は、『興味を惹かれるタイトル付け』と『インパクトのある写真』を準備することです。

この2つで最初の勝負に勝てるのかどうかが決まると言っても過言ではありません。

文字だけのプレスリリースで取材に結び付かない企業などはぜひ試してみてください。


リード(要約)文のコツ

リード(要約)文とは、プレスリリースの導入文であり、タイトルの次に重要な部分になります。

リード文の役割としては、『このプレスリリースの内容とそれによってどのような結果が得られるのか』ということが読んだだけで分かるようにします。

簡単に言ってしまえば、このプレスリリースの全体像がリード文だけで分かるということです。

タイトルで興味を持った担当者は、このリード文を読んで本当にニュースとしての価値があるのか見極めようとします。

リード文のコツとしては、『誰が、何をするのか』ということを明確にしましょう。『主語+述語』のイメージで考えると分かりやすいです。簡単な例であれば以下のような感じになります。

・羽生選手が、オリンピックに出場する

・2人の泥棒が、銀行を襲って現金を強奪した

・新しいテーマパークが、大阪に開業する

このように、『誰が何をするか』を書いただけでも、そのニュースが伝えたい本質が分かります。

リード文では、これに少し肉付けして分かりやすくまとめるだけです。そのリード文で伝えたことを、さらに肉付けして解説するのが本文の役目になります。

まずは、本文を読んでもらうためにもリード文で担当者の心を掴めるように工夫してみましょう。

スマートな読みやすさと理解しやすさを追求してください。


重要(結論)は先に書く

物語というものには『起承転結』というものがあります。

始まりから結末まで順序通りに進むことです。起承転結がしっかりしているからこそ、矛盾などもなく読みやすく理解しやすい物語になります。

しかし、プレスリリースに関しては起承転結に固辞していると上手くいかない可能性が高いです。

そこで覚えてほしいのが、起承転結の『結(結末)』を先に書くようにしてください。

結末から書くことによって、もっとも重要な部分に目が行くようにすることができます。

プレスリリースというのは多くの企業から毎日のように送られてきますので、1日で何十通、何百通も確認しなくてはいけません。

そのような中で、起承転結を丁寧に書いていて読まれるかと聞かれれば『NO』です。

メディアの担当者は、タイトルで興味を持ち、リード文で内容を把握します。そこに行き着くまでの時間は10秒ほどです。

このように、読まれるか読まれないかは一瞬で決まります。

最初に重要なことや結論を書くことによって、『なぜそのようなことになるのか』という興味が出てくるのです。

プレスリリースを作成する際には、一番伝えたいこと、重要なことから先に書くことを意識しましょう

簡潔な文章でネタバレする勢いで構いません。

本文には社会的背景を盛り込もう

タイトルが完成し、それに合わせたリード文ができたらプレスリリースの肝である本文の作成に移りましょう。

本文の作成でやりがちなミスは『商品やサービスのスペック・使用方法の説明』に固執していることです

実は、このミスは非常に多くのプレスリリースで行われています。

確かにスペックや使用方法は非常に大切な情報ではありますが、それだけだと『ただの宣伝じゃないか』と担当者に思われてしまい、結局はゴミ箱行きになるでしょう

そこで盛り込んでほしいのが『社会的な背景』です。

たとえば、山口の会社がみかんゼリーを新発売する、というニュースが出たとします。これだけではニュースになりません。

しかし、このゼリーが『地元・山口産のみかんを使用して、それが地域おこしに貢献する』という目的があったら見方が変わります。

みかんゼリーが売れることが結果的に地域社会の役に立つことになるわけです。

その背景には、今の日本が抱える『地方創生』という大きなテーマがあります。そのため、担当者にとってみかんゼリーを取り上げる意義が出てくるのです。

つまり、プレスリリース本文には『あなたの商品やサービスが社会にどのような役に立つのか』という点をしっかりと説明する必要があります。

以上のことに注意しながら、プレスリリースでは、『社会との関わり』を意識して伝えていくようにしましょう。

そうすれば、新聞記者やテレビ記者が、取材を申し込んでくる可能性も上がります。


文章を詰め込みすぎない

プレスリリースの内容を詳しく書きたい気持ちも分かりますが、文字数には気を付けなければいけません。

結構な割合で文字数が多すぎるプレスリリースがあります。

詳しい話や詰めていきたい内容があれば、それは取材依頼がきたときにすれば良いのです。

プレスリリースでは、あくまで読みやすさと内容が理解できる程度の文字数に留めるようにしましょう。

プレスリリースで重要なのは、『ニュースのポイントを簡潔に伝えること』です。

だらだら長く書いてしまうのは、構成作りの時点で情報をまとめきれていないからです。

まずは、『どのような内容にすべきなのか』と『どういった構成で伝えるべきなのか』を最初から考え直しましょう。

できるだけ完成品のイメージとのブレをなくすようにすれば、読み手でも読みやすいプレスリリースが作れます。

長ければ長いほど読み手の時間的負担・精神的負担は大きくなります。

記者にとってのプレスリリースとは、あくまで『取材のきっかけ』であり『興味の対象になるかならないかの判断』でもあります。

それを長々と書かれていては興味がどんどん失われていくでしょう。そのため、プレスリリースは『A4判の紙1枚』に収め、文字数は多くても800~1000文字以内にすることを意識してください。

それだけで格段と読みやすくなります。

最後に問い合わせ先を書こう

本文も書き終わり、後は締めという部分になった際、意外と間違いやすいのが『問い合わせ先・連絡先』を記入し忘れていることです

プレスリリースの内容に興味が持たれれば、担当者から取材の依頼などが入るでしょう。しかし、連絡先を書いてなければせっかく読まれてもすべてが水の泡になってしまいます。

プレスリリースの末尾には、必ずあなたの連絡先を書きましょう。

連絡歳としてはメールアドレスよりも『電話番号』にするのがベターです。新聞やテレビの記者というのは、少ない時間の中で多くの仕事をしています。

そのため、返信までに時間のかかるメールよりも、すぐに連絡の取れる電話の方を好むのです。

できれば会社の固定電話ではなく、個人の携帯電話にしておくことをおすすめします。やはり、『いつでも担当者と連絡が取れる』という安心感がほしいからです。

夜中に『内容について確認したい』という電話がかかってくることも珍しくありません。

とくに新聞の締め切りは深夜という性質上、新聞社から夜中にかかってくることは比較的多く、携帯電話にしておいた方が喜ばれます。

会社の固定電話だった場合、次の日までは連絡が取れないわけですから。

そのため、プレスリリースの最後には『社名』『所在地』『担当者の指名』『電話番号』は必ず記載し、もしものときのために『メールアドレス』も記載しておくのも良いでしょう。

せっかくの取材チャンスを捨てないように気を付けてください。


内容に価値がない

プレスリリースのことを宣伝ツールだと勘違いしている人も多いのですが、実際は『ニュースを知らせるツール』なのです。

そのため、プレスリリースの内容に価値がなければ知る価値もないため返事も何もないのです。

プレスリリースを成功させるためには、タイトルを見て気になった記者や担当者を内容で引き込ませなければいけません。これが非常に難しいのです。

たとえば、上場企業がプレスリリースを記者や担当者に送った場合、『上場企業が発表しニュース』というだけで価値が多少はあります。

言い換えてしまえば、大手企業はリリース配信サービスを利用することで、『数打てば当たる』作戦でも多少は成功するということです。

しかし、それまでに実績が少ない中小企業やスタートアップ企業では、大手企業のマネをしてはいけません。必ず失敗してしまいます。

では、どうするべきなのでしょうか。会社としてのニュース価値で勝てないのであれば、正面から戦いを挑んでも意味がありません。

そのため、上場企業とは違う方向から攻める必要があります。簡単な方法としては、内容に価値があるネタを意図的につくり、各メディアに売り込んでいきます

ニュース価値は、意図すれば生み出すことができると覚えておきましょう。

実は、こういったニュース価値の創造に関してはスタートアップ企業や中小企業の方が、意思決定の遅い大企業よりも向いているのです。

記者に読まれてすらいない

『プレスリリースを送ったらとりあえずは確認してくれているだろう。取材が来ないのは内容に問題があったからだ。』と思い込んでいる人もいますが、本当にそれだけが問題なのか考えなくてはいけません。

確かに内容が悪かったのかもしれませんが、そもそも担当者にしっかりと読まれているかも定かではないのです。

一番の問題は、やはりプレスリリース配信サービスを利用した場合です。

メディアにもよると思いますが、基本的にはしっかりと読まれていません。

それは、毎日のように同じテンプレート、フォーマットでプレスリリースが送られてくるからです。

それもかなりの量が一気に送られてきますので、それを一つ一つ確認していてはメディア側も時間が足りません。

同じようなプレスリリースは一括りにされて読まれることはないでしょう。

それに加えて、『この企業はプレスリリース配信サービスを利用して、わが社だけでなく、その他大勢のメディアにも同じようなものを送っている』と判断されてしまいます。

すると、送られてきた情報には『緊急性やニュース性が低い』と判断されてしまい、積極的に読もうとはしないのです。

そういったことも含めると、取材がこないのは『ただ単に担当者に読まれなかった』という可能性が出てきます。

担当者もとても忙しい

これは企業側からはどうしようもできない事情ですが、実はよくある事情でもあるのです。

忙しい理由はさまざまですが、ほとんどの場合が別のニュースに忙殺されていることでしょう。

メディアには毎日のように多くの情報が提供されています。それを各担当者が確認して『価値のあるニュース』と『価値のないニュース』に分けるのです。

そして、価値のあるニュースを見つけたらそれを記事にしなくてはいけません。記事にすると文字にすると簡単ですが、実際は非常に大変な作業なのです。

担当者がこのような状態にいる場合、たとえ提出されたプレスリリースが『この内容であれば、ぜひとも取材してみたい』という考えになっても、時間がなくて取材されることはないというわけです。

残念ながら、このような事情の場合は企業側に落ち度や責任はありません。

タイミングが合わなかった、今回は仕方がなかったと思うしかありません。それによって、実はかなりのニュースだったのに誰にも見られないという事態になるのです。

もしタイトルや内容に問題がなかった場合、このような事情で取材がこないこともあると覚えておきましょう。

これを覚えておくことで、『自分たちのリリースには魅力がない』という誤解を生まないようにできます。

こうした外部要因に関しては、あなたはコントロールできないのですから。逆に、すべてこれが原因だと思って手を抜かないように注意しましょう。


業者が出しているメールアドレスに注意

メールでプレスリリースを送ることも可能です。しかし、この方法だとあまり効果がないのでおすすめしません。

理由としては、『自社含めて大半のメールは読まれていない』からです。

簡単に言ってしまえば、『迷惑メール』と同じような意味合いで取られてしまい、そのまま開封されないか消去フォルダに移動されるだけになるでしょう。せっかく作ったのに見られもしないなんて悲しいものです。

そういった点で注意してほしいのが、新聞社やテレビ局が外部に公開しているメールアドレスは『捨てアドレス』の可能性が非常に高いということです。

とりあえず公開だけはしておくという位置づけであることが多く、そのアドレスに送られてきたとしても見るわけではありません。

会社によっては、30分のお昼休憩から帰ってきただけで何十、何百通ものプレスリリースのメールがきていることもあります。

ほとんどの場合、件名にプレスリリースのことが書かれているので、そのまま見られずに削除されていくのです。

ただし、そんな中にも重要なニュースはあります。それを見極めるのも件名なのです。どれだけ開封されたくなるような件名を付けるのも大事になってきます

最近ではメールによる送付を歓迎しているところもありますが、やはり電話番号や所在地の方を利用してプレスリリースを送るようにしましょう。

プレスリリース配信サービスを変える

『プレスリリースが上手くいかない』というのは、スタートアップ企業から中小企業まで考えさせられる課題の一つです。

企業にとって自社製品やニュースをPRするのにプレスリリースは非常に便利であり、昔から用いられる方法なので安心感もあります。

そのため、多くの企業がプレリリースを活用したいと思っているのです。しかし、確実に記事にされるわけではなく、ときには数十件プレスリリースをしても取材にすら繋がらないこともあります。

対処方法はいくつかあるのですが、まずは『配信サービスを変えてみる』という方法を考えてみましょう。

そもそもプレスリリース配信サービスは効果が薄いので利用自体考えるべきなのですが、スタートアップ企業などはPRに時間を割けないこともあって利用に踏み切ることもあるでしょう。そういった場合に、今回の対処方法を試してみると効果があるかもしれません。

配信サービスというのはいくつも存在し、最近のメジャーなところだと電子メールによる配信です。

たしかに電子メールによる配信は楽に多くのメディアに配信することができます。多くの企業がメールだけの配信サービスを使っていますが、その他にもファクスや郵送なども活用する配信サービスに変えてみましょう。根本的な解決につながる可能性は低いですが、多少の効果は期待できます。


企画の立て方を変更する

広報担当者というのは、社内から降りてきたテーマを多くのメディアにプレスリリースします。

それが仕事なので仕方ないのですが、多くの広報担当者はテーマをそのまま、右から左にプレスリリースにしているのです。

実は、これでは取材に繋がることはほとんどありません。担当者に取材に行きたいと思わせるほどの魅力を伝えなければいけないのです。

プレスリリースにはさまざまな情報を提供します。

新商品だけでなく、新しく始めるサービスや開催されるイベントなどもプレスリリースとして贈られます。

そのため、これらのニュースは企画段階から『プレスリリースで取り上げられるニュースになる』切り口を盛り込むようにしましょう。

そのためには、広報企画の重要性を社内全体に理解してもらう必要があります。

マニュアルを使用して、しっかりとした意識の共有をしていきましょう。

自社目線で売りたいものをそのまま世の中に出す、という気持ちでは勝ち取れないということも頭に入れておく必要があります。

それよりも、メディアに歓迎される『価値のあるニュース情報とはどんなものなのか?』という点を最初に考え、そこから逆算して発表できるネタを構築する仕組みを社内に作っていきましょう。


プレスリリース送り方を根本的に変えてみる

最近のプレスリリースは記者や担当者に読まれにくくなっています。

その原因としては、『タイトルに魅力がない』など企業側で改善できるものから『担当者が他の案件で忙しい』というどうしようもできないものまであります。

できる限りのことは改善するのはとうぜんのことなのですが、一度『プレスリリースの送り方』について考えてみましょう。

最近のプレスリリースの傾向としては、単なる売り込みチラシやDM(ダイレクトメール)になっています。

決して悪いことではないのですが、その他大勢が行っていることを同時にやっていても効果はありません。

他の企業がやっていないことをやるからこそ担当者の注意や興味を引くことができるのです。少しの工夫でも多少の効果はあります。

気軽にできる部分として、宛名を『手書き』で書いて郵送してみましょう。

プレスリリースとは数多くのメディアに送るので大変だと思います。

しかし、デジタル時代だからこそ手書きが目立つのです

担当者や記者、ディレクターに個別で直筆の手紙を書いてみるのも良いでしょう。実際にこれで効果を出している企業もあります。


記者フォローは確実に行う

送られたものを担当者や記者が確認するのが第一関門です。

ここを突破しない限りプレスリリースは意味を成しません。

まずは、送った後に電話をかけるなどしてプレスリリースの内容を説明してみましょう。

そうすることによって、『プレスリリースが自分に送られている』という情報を相手に伝えられるので読まれる可能性が上がります。

しっかりと説明が終われば、面会や取材のアポをコチラから聞いてみるのも一つの手段です。

『何月何日に面会して詳しく説明したいです』のよな感じで伝えてみましょう。

ただし、あまりに露骨な方法で面会や取材のアポを取ろうとすると印象が悪くなります。相手から取材の依頼をしてくることも充分に考えられますので、コチラから誘うのはタイミングを考えてください。

このように密なコミュニケーションをやるのとやらないのとでは、プレスリリースの成功率が3倍4倍は変わってくるのです。

メディア側との距離感を詰めていくことが大切になります。

他の企業よりも目を向けてもらうためにも、しっかりとアピールするのです。最初は難しいかもしれませんが、回数を重ねていくことでメディア側の対応も変わってきます。ぜひ試してみてください。


プレスリリースの最終確認事項

メディアにプレスリリースを送る前に、もう一度以下のポイントについて確認しておきましょう。一つずつ厳守していくことで、失敗の少ないプレスリリースになります。

①プレスリリースは記者向けに書くもので、消費者向けに書くものではい

②タイトルだけ見て、小学6年生にも意味が通じるか

③新しさ・珍しさなどのインパクトはあるか

④客観性と具体性が感じられるか

⑤思いが込められているか

⑥本文に社会的な背景が組み込まれているか

⑦プレスリリースと売り込み・宣伝を間違えていないか

上記のポイントをすべてクリアする必要はありませんが、最低でも『消費者向けの宣伝チラシにしないこと』と『商品の宣伝をメインにしないこと』は必ず守るようにしましょう。

記者というのは宣伝が大嫌いですので、少しでも宣伝の匂いを感じ取ったら取材依頼が来ることは難しいでしょう。

社会との関わりだけでなく、ニュースとしての価値を持たせることを意識してつくっていきましょう!


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