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過去ブログ転載記事(大津びわこ競輪場跡地の有効活用策について。)2016/07/24

過去に別ブログで書いた記事を転載。
2011年3月11日をもって閉場となった「大津びわこ競輪場」。2016年時点ではほぼ何も活用策が決まっていませんでした。当時、この場所の有効活用を目指して様々な調査・提案を行なっていたことを思い出します。

この後ブログ記事後、急に動きがあり、敷地の借り受け期間を31年間として2019年11月に「複合商業施設が誕生 · ブランチ(BRANCH)」がこの地にオープンすることになりました。

ブログに掲載していた写真そのものがレアな資料になってくるように思いましたのでこちらにも念のため保管しておきたいと思います。

ーーー 過去ブログ記事ここからーーー 
先日少し思うところがあり、かねてから一度内部を見てみたかった大津びわこ競輪場跡地を市内視察しました。ご存知の通り、公営(大津市運営)の大津びわこ競輪事業は私が議員になるのと入れ違う時期の2011年3月に、昭和から平成をまたぐ栄光の歴史に幕を下ろしました。
 現在、施設閉鎖から6年半(事業終了から5年半)が経過し、跡地活用については市長が変わってからも延々と検討がされてきて、いまだ有効な活用策が決められていません。

(券売所前)
(バンク)
(正面入り口前)
(プレスセンター)
(選手用ラウンジ)
(選手用大広間) 
(選手用浴室)
(選手用宿舎)
(会議室)
(エネルギー棟内部 自家発電設備)
(地下通路)
(貴賓室)


 以前に「市役所に万一のことがあったら競輪場跡施設が代替機能を担うようになっていて、そうしたことを想定して、スペースにも拡張性を持たせ、また自家発電機能を持つなど自前で司令塔になりうる機能を持たせている」という話を聞いたことがありました。
 
 2010年3月に閉鎖となり、市議会では市民からの請願を受ける形で、Jリーグ1部基準に見合ったサッカー場として再整備することを当時の目片市長に要請しているわけですが、結果的には都市計画上、施設整備の関係上、なかなか難しいことが分かり、2012年1月の市長選を経て越市長体制のもとで活用策について検討が進められてきました。
 しかしながら検討を始めて6年半。市長交代からすでに4年半。検討はなかなか前に進んでいません。
 問題となるのは都市計画上、近江神宮外苑公園になっており、公園施設を前提とした活用策に制限されていることにあります。

 市長の意向としては、数十年間などの定期借地契約による例外によって、大型商業施設などを誘致しようとしたりしているようですが、競輪場はそもそもかなり頑丈・堅牢に作られていて、施設解体費などは膨大な支出を伴うことになります。
 芝生がはられているバンクだけでも有効活用しようと、地域住民による取り組みもなされていますが、これもごく限られた内容となっています。

 せめて活用方針が決まるまでの間だけでも、市民や各種団体、またはイベントなどでの暫定的な有効活用はできないものでしょうか?
 現在、消防局による訓練活動や、市選挙管理委員会の備品保管場所として、ちょろっと活用されているとは言え、それを「有効活用」とはとても言えません。

*****

 競輪場跡施設の内部を見ると、自家発電施設や、200近くの選手宿舎、大会議室、浴場や食堂、その他に大広間や貴賓室など、様々な用途に活用できるスペースがあるのが分かります。それぞれが地下通路でつながっており行き来することもできます。配管の劣化などは若干見られますが、建物自体は1980年代後半に建てられたもので、新耐震基準も満たしており、耐震性に全く問題ありませんし、各スペースもほとんど使われていませんので埃やゴミもありません。お風呂もトイレも非常にきれいです。
 また市中心部にあり、広大な敷地です。本当にもったいない!

 市内部からの話によれば、市長は市職員からの提案に聞く耳を持たず先の定期借地契約による施設誘致を進めようとしているようです。私も有効に活用されるならば今の状態よりも良いと思うので進めてもらいたいと思いますが、いやちょっとまてよ、いまの状態でも十分にリノベーションをする事によって活用できるのではないかと思います。 せめて何も使われていない現状では、暫定的にでも、全国のマニア向けに競輪場跡地ツアーを行って観光客誘致を行ったり、映画やドラマロケ、又はコンサートや、「逃走中」などのテレビ撮影場所としての貸出し、市民スポーツの場としての活用や、民泊的な活用なども考えられます。 

私のフェイスブックに寄せられたご意見の中から幾つかご紹介すると、 
・琵琶湖国体に向けて、ラグビー出来る競技場を! 
・観光客向けの宿泊施設に転用は? 
・そもそも競輪なんで、自転車のびわ1の宿泊&観光&休憩施設には? 
などなど。 

ちなみに本年3月に大津市行政は、日本総研をかませることで、「大津びわこ競輪場跡地利活用における民間活力導入の基本的な方針」をまとめています。 詳細についてはこちらをご覧ください。 

まぁこの基本的な方針を見ても、あまり検討が動いていないのがよくわかります。おそらく本年1月に行われた市長選の争点消しのためのものでしょう。 民間企業であれば、これだけのひっ迫しつつある財政状況の中で、これほどの優良資産を有効活用せずに収益を生んでいないのはあり得ない話です。 

冒頭に書きましたが、この施設は万一の場合の防災上の重要拠点になりうることも想定に入れ、大津市役所の建替え時期も勘案した暫定的な有効活用計画と、中長期的な有効活用計画を別途に考える必要があると思います。 いまのままでは本当にもったいないとしか言えません。


◇筆者プロフィール
藤井哲也(ふじい・てつや)
株式会社パブリックX 代表取締役/SOCIALX.inc 共同創業者
1978年10月生まれ、滋賀県出身の45歳。2003年に若年者就業支援に取り組む会社を設立。2011年に政治行政領域に活動の幅を広げ、地方議員として地域課題・社会課題に取り組む。3期目は立候補せず2020年に京都で第二創業。2021年からSOCIALXの事業に共同創業者として参画。
京都大学公共政策大学院修了(MPP)。日本労務学会所属。議会マニフェスト大賞グランプリ受賞。グッドデザイン賞受賞。著書いくつか。
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