私が看護師を始めた時の配属先は、整形外科病棟でした。

約3年が経過した頃、興味を持っていた循環器内科・心臓血管外科に異動になりました。

その後、約8年が経過した頃。
ずっとずっと希望を出していたICUにようやく配属されました。

そして、行きたかったICUで約3年が経過した頃。
初めて、看護師を辞めようかと思うようになりました。

『看護師を辞める』

頭に、そんな言葉が浮かんだのは、初めてだったのでビックリした。
「ずっとずっとなりたかった仕事なのに、どうして？」と。

看護師として、私はまだまだ…。

そうなんだけど、
私が看護師になって、経験したかったことを全部しちゃったんです。

そして、いつの間にか、私の前を走ってくれる人達がいなくなっていた。
私の前を走っていた人達は、
いつのまにか、職場を辞めてたり。
いつのまにか、追い越してしまっていたり。

とにかく、ある日突然。
私の目の前から、目標にする人や憧れる人が見えなくなりました。

そして、ようやく、立ち止まってみると、私の周りに人がいなかった。

だだっ広い野原に1人ポツンといる感じ。

キョロキョロと動き回って見ても、誰も見つけられなかった。

あぁ、ずっとずっと走っていたら、周りに人がいなくなっていたんだ。
そう、思った。

さてと。
これから、どうしよっか？？

看護師を始めて、約16年が経つ。

ずっとずっと、楽しく走り続けてきた。
日々コツコツと。
苦労も悔しさも、辛さも苛立ちもあったけど。
それはそれは、楽しい毎日でした。
ただ、１つのことをコツコツと続けてきて思うことは、
それはそれは、素敵な毎日だった。

『１つのことを深く知るのは楽しい。』

私は、広い野原で1人。自分に問いかけてみた。

「次は、何をしたい？
これからの人生、どうしたい？
このまま、もっと深く深く看護を追求する？
それとも、新しいことに挑戦する？」

ただ、そのシンプルな答えが出ない。
この質問の問いが、ずっとずっと出ない。

あまりにも答えが出ないから、
自分は何が向いているのだろうかと、占星術・マヤ暦・個性学・数秘術・見える系の人・ウエルスダイナミクスetc…。
色々なことを学んでみたり、みてもらったり。

かなりの時間とお金を使って、自分のことを知ろうとしてきた。
その結果、自分が何が得意とか、自分は何が向いてるとか。
そういうことを、知ることができた。

それでも…。

やっぱり、欲しかった答えが出ない。
なんなら、余計に迷子になっていた時期もある。

なんだか遠回りしたような気もしながら、
一周回って、あの広い野原に戻ってきた。

そして、もう一度、自分に聞いかけてみる。

「次は、何をしたい？」
「この人生で、何をしたい？」

立ち止まることもなく、走り続ける人は多い。
私も、ずっとそうだった。
でも、ものすごく大切な問いだと思う。

時間は大切だと、誰もが口にするのに、
その大切な人生の時間を、何のために使いたいのか、
答えられる人は多くはない。

しばらくすると、ある人がアドバイスをくれた。

「何がしたい？」ではなく、「何をするか？」って、
自分に、聞いてみたらと。

「次は、何をしたい？」
「この人生で、何をしたい？」

ではなく、

「この人生で、何をする？」

と。

この微妙な違い。

やっぱり、『自分で決めること』が全てなんだと思った。

この問いに、まっずぐに答えられるのなら、
人生の迷いは少ないだろう。

もしかすると、
自分が、本当にしたいのか分からなくても、いいのかもしれない。
自分に、本当に向いているのか分からなくても、いいのかもしれない。

自分で決めて、向き合って、コツコツと続けて…。

「あ！」って、思った。
「なんだ、今までしてきたことじゃないか！？」って、思った。

看護師に向いているのかなんて、考えたこともなかった。
看護師としての適性があるから、看護師になった訳ではない。
ICUだって、今の働き方だって、自分に合っているのかなんて分からない。

ただ、自分で決めて、コツコツと続けてきただけ…。

広い野原で1人、立ち止まってから。
ずっと、頭の中でモニョモニョいいながら、決めていなかった。
頭の中で、モニョモニョ考えるから、決められなかったのかもしれない。

純粋に「これをしよう！」と思えるもの。

私が、野原で立ち止まるまでしてきたこと。
それを、ただ続けていけば良かっただけなのかもしれない。
今、少し拍子抜けしている。

あなたは、この人生で何をするか決めている？
あなたは、自分に問いかけているだろうか？

たまには、立ち止まって考えるのも悪くないかもしれない。

ふじこ