CDを作らない理由
なぜCDではないのか
私はCDを聴きません。普段はストリーミング配信で聴き、関係者とのやり取りはデータです。そんな中で、たくさんの人に届けたいという想いと、もう聴いていないCDで届けている自分とのズレに違和感がありました。
ダウンロードすらしない今、CDを聴いてもらうことはかなりハードルが高くなっています。
CDももちろん一つの素敵な形です。私はこれまでに5枚のCDをリリースしました。パッケージのデザインや、歌詞カードの文字配列まで全て自分で手掛けた愛しの作品です。
ですがこれから先、CD売り上げが挽回することもない状況下でそれだけを食いぶちとしていたら…、アーティストが生きる道はますます厳しくなってしまいます。
CDではない物としての価値へ
新譜はCDとしてではなく、物として持っていたくなるような作品として届けるために、コード譜や歌詞、セルフライナーノーツが載ったブックレットになっています。
新しい形で届けるというメッセージを強調するために、前作の「四半世紀」とは違ってCDは付けませんでした。そんな新しい挑戦をすでに受け取ってくれた皆さんありがとうございます!!
ありがたいことに、CDショップ協力のインストアライブも決まっています。CDじゃない物を売っているインストアライブはきっと珍しいんじゃないでしょうか(笑)
CDを届けることではなく、音楽を幅広く届けることにこだわっていきたいと思っています。
音をもっと自由に
もう一つ挑戦があります。それはダウンロードを無料にするということです!YouTubeやストリーミング配信ですでに無料みたいに聴けてしまっている状態で、最早ダウンロードを閉鎖的にする必要はないと思いました。なので新譜は"音"ではなく、ブックレットという"物"を購入していることになります。無料ダウンロードにするために、音以外に物としての価値を付ける必要がありました。
前回プチ物議をかもしたロイヤルティーフリーにもします。SNSでの拡散や、友達にあげたり、お店で流したりなど、音楽を自由に楽しんでほしいという意思表示のためです。
【参考記事】
「CDが売れない」という状況は世界的な大きな流れとなっており、2014年にはデジタル音楽配信の売上がCDの売上を上回るという逆転が起こっていました。
第59回グラミー賞にて7部門ノミネート、3部門を受賞したシカゴのラッパーChance The Rapperは、全ての楽曲をフリーでリリースし、レーベルには所属せずインデペンデントで活動してきたアーティストです。
中高生がCDを買う理由はほぼ「特典」目当て。パソコンが家にない人や、パソコンが苦手な中高生は、CDを取り込まず、その曲をYouTubeで探して聞いたりするようです。
これらは、Independent Artistだからこそ出来る届け方なのではないかと思っています。音楽がデータの時代になった今、届けられる可能性はますます広がっています。一つの形にこだわらずに、もっと自由な発想で届けていきたいと思います!
藤森愛による新プロジェクト「INSIDE RECORDING」始動!春にリリースする新譜の制作過程0から最後まで見せます!
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