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競売入札シミュレーション 大阪地裁本庁編R2.8.4開札②

今回は大阪地裁本庁のファミリータイプのマンションです。

そして、今回この物件を選んだのは2点あります。
1、平成30年新築でまだ築2年しか経っていない物件が競売に!
2、個人が住むための家のシミュレーションをして欲しい。と、ご相談を頂くようになったため。

この2点から今回はこちらの物件をピックアップしました。
基本的には不動産投資向けの物件を選んでいるんですが、せっかくご相談を頂きましたので、ヒントになるようなシミュレーションもプラスしてお届けしてまいります。

では、見てきましょう。

事件番号 令和01年(ケ)第847号
売却基準価額 24,520,000円
買受申出保証額 4,910,000円
買受可能価額 19,616,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:大阪市城東区鴫野西一丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):4階部分 64.34m2
間取り:3LDK
バルコニー面積:不明
管理費等:14,147円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:平成30年1月
階:4階
総戸数:212

■ポイント■
★物件明細書より
特に気になる記載はありません。

★現況調査報告書より
・建物所有者がが住居(空家)として使用している。
・滞納があります。滞納額約17万円【令和2年1月調査時点】

※関係人の陳述等より
所有者からのコメント
1.令和元年5月頃から空家である。
2.残置動産はなし。
3.立ち入り調査に立ち会う。
4.JR環状線の高架軌道敷きが存在するが、列車の通過音などは気にならない。

管理会社・管理人からのコメント
1.管理費、修繕積立金の他にも対応がある。
駐車場代6万円、自転車置場使用料800円、いずれも調査日時点
2.駐車場台数106台。現在空きはある。

※執行官の意見等より
1.目的建物の占有関係については、関係人の陳述、提示文書、立ち入り調査などの結果から所有者が空家の状態で使用占有しているものと認めた。

※間取り及び室内写真より
1.3LDKの間取りです。すべて洋室になっています。リビングには床暖房が設置されているようです。
2.室内の写真を見ると、室内の残置物らしきものは見当たりません。
3.綺麗にご使用されている様子が窺えます。
4.設備も見る限り綺麗にご使用されているように窺えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩6分の場所にあります。約450m。
2.総戸数が212戸
3.経済的残存耐用年数は約45年とされています。
4.エレベーターあり(3基)
5.駐車場あり106台
6.マンション全体の修繕積立金は約1億5百万円となっています。
※すでに1億円の修繕積立金は凄いです。
7.調査時点での大規模修繕計画はないようです。
※まだ新築後2年なので10年程度先にされるのではないでしょうか?
8.基礎となる価格として約3724万円が評価額として算出されています。
※今回は不動産投資向けではないので、利回りの計算はしません。

【購入するための落札予測シミュレーション】

★STEP1.購入するメリットとデメリットを考えよう。
■メリット
1.空家である
2.築浅である
3.改装費がかからなさそう

■デメリット
1.滞納がある

このような形でご自身にとってのメリット、デメリットを考えてみましょう。デメリットが多い物件は選択から外すのも一つです。

★STEP2.競合他社を予測する。
1.買取再販事業者の存在
2.他の個人の住む家のために入札する方の存在

★STEP3.ご自身の予算を考える。
※入札するための資金計画を考えてどれくらいの予算であれば入札できるかご自身の懐具合を確認してください。

★STEP4.入札予測額を考える。
1.現在販売されている事例を調べる。
2.知り合いの不動産会社へ相談する。
3.街にある不動産屋さんに聞いてみる。
それらを鑑みて、現在の市場価格を確認します。
買取再販事業者が販売する価格がいくらになるのか?その辺がポイントですね。
それらの予測額が立てられたら、いくらで入札するかを決めていきます。

※私の場合は、レインズを利用して、過去の成約事例、現在の販売事例、競合他社となる買取再販事業者の入札価額を予測します。

それらから紐解いていって、入札額を算出します。

例として今回は、評価人が基準として算出している価額を販売価格として予測をシミュレーションします。

市場の販売価格が3724万円とします。

これは買取再販事業も同目線とします。

買取再販事業者はこの価格から
①自社の利益
②必要経費
こちらを含んで計算するため、実際の入札額は下がってきます。
※物件によって、買取再販事業者の利益も変動しますので、その具合を考えないといけません。

約500万円が必要経費と自社利益と算定しました。

その場合だと3724万円-500万円=3224万円となります。

この計算式だけでいうと、3250万円このあたりで落札できるのではないかと予測立てができます。

後は、買取再販事業者毎によって利益の取り方、考え方が違うのと、現在社内で抱えている在庫数によっても異なります。

本当に実際に住まわれる家の入札を考える場合は、競売のトレンドを見ながらしないとえらいことになります。

えらいこととは、2番手との差が開きすぎて落札してしまうことです。私も以前の会社で何度か経験しました。

ということで、今回はご自身が住まわれる家の入札をする際の考え方とシミュレーションをしていきました。

気になる物件がございましたら、ご相談頂けましたら入札のサポート業務を弊社では承っていますので、お気軽にご質問くださいませ。

サポート費用は、サポート内容によって異なりますのでお客様にあったサポートメニューをご案内差し上げます。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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