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足のむくみは水を飲むと治る

 足のむくみに悩んでいる人は多いと思う。
 女性に多いと言われるが、これは筋肉量の差らしい。男性の方が女性より筋肉量が多い(一般的に)のだが、むくみは、下肢のリンパなどが滞ってしまうために起こるので、下肢に筋肉がついていれば、それによってリンパは上へ押し上げられ、むくみを避けることができるという。
 同じ理屈で、歩くことで下肢の筋肉を積極的に使えば、リンパは体の上の方に押し上げられ、足のむくみは解消される。

 だいたい誰でもこのようになっており、むくみが出る人の多くは、座り仕事が多い人や、立ち仕事が多い人などに集中する。座っていると、太ももや臀部を圧迫しているので、下肢のリンパが巡るのが妨げられ、下肢にたまってきてしまうようだ。逆に立ち仕事の人は、重力によってリンパが下肢に下がってくる。これで歩き回っていればよいのだろうが、立ち仕事は、ずっと動かずにたっていることが多いので、足がぱんぱんにむくむことが少なくない。

 私は座り仕事なので、(ほぼ1日中パソコンの前に座っている)典型的な足のむくみが出ている。以前は本当にひどかったので、座っている間足を高く上げるように、足下に高い台を置いている。ちょうど座敷に長座するような形で座っている。
 これでだいぶむくみが解消された。重力のなせる技だろうか。
 しかしこの姿勢、腰には悪いようで、腰を痛めているとかなり悪影響がある。痛くなるのだ。
 それに、年齢を重なると、これではむくみの解消ができなくなる。
 足を上げているのに、どんどんむくみがひどくなったりする。
 それでも外を歩いてくると、すっとむくみが消えて、そのままをしばらく維持できていた。歩くことは一番の治療で、こんなに足が細かったかなと思うほどむくみがとれていた。

 ところがこのところこのむくみがとてもひどくなって、足がぱんぱんで、足先はまるで風船に指がついているのかと思うほど丸くなってきて、かつ、むくみすぎで足が痛くなってきた。風船がはち切れそうなほど膨らまされて、表皮がそれに耐えられなくなっているといった感じだ。
 では歩けばいいのかというと、実はまず靴を履くことができないほどむくんでいた。紐靴なのでひもを緩めてはいたが、ここまでひどいむくみは初めてだった。それに歩いていると、足がじんじんと痛む。ぱんぱんの足が、体重をかけると押されて破裂しそうな痛みがある。歩くこと事態がつらくなっていた。

 こうなってしばらくして、定期検診に行った。
 持病があるので定期的に医者に言って、採血したり診断を受けたりするが、このとき初めて腎臓の数値が悪くなっていた。異常値と言うほどではないが、正常値を少し超えている。
 医師からは水を飲むように言われた。
 1日2Lの水を飲むことが理想だが、最低でも1.5Lは飲むように言われた。

 そう言えば、私は意外と水を飲まない。ずっと家にいるせいかのどが渇きにくいこともあるようだ。夏でも冬でも、割と飲まない。
 そこで、1日2Lの水を飲むのは相当に苦痛だった。
 コップ1杯が250ccほどなので、これを午前に2杯、午後2杯、夕食前後で2杯でようやく1.5Lだが、これがなかなかできない。
 人間は飲水だけでなく、食事からも水分をとっているから大丈夫だという人もいるが、やってみると、食事からの水分はあまり効果が薄いように思った。ともかく経口で水を(もしくは白湯を)2L目指して飲むのが効果があるように思う。

 で、効果のほどなのだが、
 水を飲み始めて2日から5日ほどで、すべてのむくみが解消した。
 なんだ歩かなくてもむくみとれるんだと、びっくりした。

 次の検診の時、むくみがとれた話をしたところ、血液検査でも腎臓の数値は正常に戻っており、さらにコレステロール値まで正常に戻っていた。暴飲暴食のせいか、コレステロール値は正常値をやや上まわっていたのだが、これが正常値範囲内に戻っていた。

 感動的だった


 その後また水を飲み忘れ、またお見事なくらいむくみ、慌てて水を飲み始めた。今回も1週間を待たずしてむくみは解消され始めている。足の甲に指を押しつけると指の形がはっきり残るほどむくんでいたのが、5日ほどすると指の跡がつかなくなった。
 この調子で水を飲み続ければむくみを解消し続けることができる。

 ただ、そうはいっても水を飲むのは大変だ。
 むくみが解消されると、すぐ水を飲むのを忘れてしまう。
 のどが渇くから飲むわけではない。強制的に飲むのだ。苦痛だし、忘れてしまう。
 だが、飲水はきちんとつづけなければいけない。
 もし途中で忘れてしまって、またむくみ始めて、慌てて水を飲み始める、と言うことをやると、必ずしっぺ返しが来る。
 
 実は、突然水を飲む量を増やすと、間違いなく下痢になるのだ。
 ただでさえ排尿の回数が跳ね上がる。いつも飲んでいない水を強制的に飲むのだから、排尿回数は増えるに決まっているし、おなかは常に下痢状態で、これがしばらく続く。
 最初の2日から3日は、排尿回数が跳ね上がっているので、できれば自宅にいるときにしたい。同時進行で下痢も続いている。下痢の方が排尿回数の増加より多少長く続くようで、この両方が収まるのにだいたい5日ぐらいかかっている。つまり水を飲んでも排尿が正常な回数に戻り、下痢が止まった頃にむくみが解消されているわけだ。

 昔、母を在宅看取りしたとき、いよいよ危なくなってきたとき、延命措置のための点滴を外しに来た医師から、これから起こることのレクチャーをされた。
 人間は腎臓に水が行かないと死ぬらしい。
 腎臓は最低でも1日500ccの水がないと働かなくなるという。
 もちろん1日水を飲まなくても死なないと思うかもしれないが、既に弱り切って、経口では水が飲めなくなっているような状態だと、点滴によって水分を入れなければ即座に腎臓を動かすことが難しい状態になる。
 ちなみに、点滴で1日に入れることのできる水分は500ccぐらいだそうで、つまり腎臓を回し続ける最低限度の水分しか補充できないそうだ。
 
 水分が足りなくなると、腎臓が動かなくなる。これによって体の中の浄化作用が動かなくなり、死へのカウントダウンが始まる。
 水分を求めて、人間の組織のあらゆるところにある水分を腎臓に回すようにするらしいが、それもそう長くは持たない。いよいよ足りなくなったところで腎臓が動きをやめ、人間は死の準備を始める。
 死ぬのにも体力が必要なのだそうで、そのとき暴れたりする人もいるらしいが、端から見て苦しそうに見えても、その時点では脳内麻薬が出ているので、本人は痛みや苦しみを感じなくなるらしい。
 そして枯れるように死んでいく。
 
 母の場合は末期がんでずっと衰弱していたので、点滴を止めて1日ほどでなくなった。眠るようにではないが、暴れもせず、最後は呼吸が荒くなり、呼吸しやすいように体を起こして見たが、弱々しい中でも頑張って息を吸おうとしながら、やがてなくなった。
 すーと眠るように死んだわけでもないが、とても苦しそうでもなく、静かになくなったというのが正しい表現だろう。

 現在は医療の発達により、昔なら死んでいたような人も、延命できたり、回復したりする時代になった。だから、本当に寿命が尽きてなくなる、自然死に近い形が増えてきている。
 ただ従来ならば、病気や事故で亡くなる人が多く、特に大昔なら医療も乏しければ簡単な病気で若い人が死ぬことすら少なくない。乳児死亡率が高い時代には、天寿を全うする人は少なかったはずだ。
 つまり自然死を体験できるのは、実はごく最近のことなのかもしれないと思う。

 いずれにしても、水がなくなると人は死ぬ。
 腎臓が動かなくなると命はつきてしまう。
 というわけで腎臓のために1日2Lの水を飲みましょう。すると驚くほどむくみがとれます。
 病気で水分を制限されていたり、老齢で水がそんなに飲めない人は、むくみがひどくなったりするのはそのせいだと思う。
 

2Lの水が飲めるのは健康な人だけだが、健康で足がむくんでいる人は、水を飲みましょう。


 むくみを気にして水分を制限するのは逆効果です。


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