そこにあったはずの新世界は幻影となりつつあるような。

2019年4月1日。1年と1ヶ月前のお話です。

大学を無事に卒業した僕は、高校の英語教師になりました。

「教師」ってなんだか少し特別に聞こえますが、つまりはどこにでもいる「新卒君」になったワケです。

期待と不安(…後者の方が圧倒的に優勢で)を胸に新世界に足を踏み入れた訳ですが、多くの発見がありました。

まず、毎日とても忙しい。でも、やりがいがある。

理不尽を押し付けてくる人がいた。でも、優しくしてくれる人が多かった。

組織に対して懐疑的になることが多かった。でも、所属に安心感を覚えていた。

叱責されることもあれば、激励されることもあり、

自分の技量に失望することもあれば、自分の可能性に希望を持つこともあった。

こんな感じで楽しい時、辛い時(…まあ後者の方がやや優勢で)どちらもたくさんあったけれど無事に社会人1年目を終えました。

そして2020年3月31日。僕は1年間お世話になった学校に別れを告げたのです。

…2年目に向けての抱負が来る流れと見せかけて辞職です。突然の辞職です。

いや、どうしてって、海外にいく事にしたんです。

海外に行くことにした理由には正と負の2つの理由があります。

まず正の理由は「もっと経験を積み、人間的に成長したいと思ったから」

「海外にいたときの話なんだけど」みたいな話の引き出しがあった方が英語教師として強いと思うのですが、過去の滞在歴は3週間と正直ちょっと弱い。1年くらいの規模でガッツリ行っときたいと思ったのが始まりです。

また、遠い外国の地に自分を一人放り出してみて周囲の環境を一から作ることで様々な経験をし、人間としての成長も狙いたいと思ったのもあります。もっと成長しないといけないです。うん。

他にも純粋に英語のスキルアップも図れるし、現地の文化や生活様式も知れるし、メリットづくし。

2,3年働いてから…というのも考えましたが、どんどん腰が重くなってしまう気がして、やるなら早めにしよう。ということで就職1年目にこの決断をしました。

…とても素敵な動機でしたね。さあ、負の理由も見てみましょう。

「これ以上働けないと思ったから」

いや、オーバーワークでした去年は。ほんとに。

8時に出勤し21時に退勤。ひどい時は平気で23時とかまで残ってたりしました。

そんでもって土曜授業もあり、日曜は部活。

週に1日ある公休日に休めるかどうか…ってところで月の休みは3,4日ほどでした。

確かにやりがいはある仕事でしたが、本当に自分の時間がなかったです。

「やりがい」のために自分の時間をほぼ全て差し出す覚悟はあるか?

そう質問されたなら僕は「ノー」と答えるほかありません。

そういうわけで一回教員から退いで、もう一度自分を見つめ直す時間を作らなきゃいけない。そう思ったのもまた海外へ行くことを決めた理由の一つであります。

つまりは進歩と逃亡のどちらも兼ねた選択だということですね。うむ。

…とまあ、辞めることを学校側に伝えたのが11月頃だったんですが…

それから少ししてコロナウイルスが世界的に大流行。

辞職した3月末時点には、ほとんどの国に渡航制限がかかっていました。

最初の予定では5月末にカナダに出国する予定でしたが、カナダの移民局はすでに「6月30日までの渡航制限」を発表しています。

実際に6月30日に制限が解除されれば「予定より1ヶ月遅れでの出国」ということで大したロスはないんですけれど、あくまでこれは現状の予定にすぎません。

そこにあったはずの新世界は幻影となりつつあるような。

とまあ、バリバリの労働者を経て完全無職の現在。

外にも出れず暇なので教員時代のこと、今現在の心境、これからの予定などをここに記録していこうと思います。

なんとすでに1400文字。

まだまだ書きたいことだらけですが、今回はここまでにしておきましょう。

それではまた。





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