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「ごめんねワゴン」

NUANCEの隠れた名曲に「ごめんねワゴン」という曲がある。



、、、。



あ、無いわ。曲も詞も無いわ。タイトルだけだわ。


これはいつぞやかは忘れたけど、なんかのワンマンの感想戦を配信でやったときにサウンドプロデューサー佐藤嘉風から出た単語。
どうしたって僕らは手間がかかる方、ハイカロリーな方に舵を切ってしまい、メンバーや関係各位に必要以上に労力をかけてしまう事に対して「ちゃんと申し訳ないなぁとは思っているんだよ」という事を説明した単語である。

すっかり忘れていたけれど、何かをしているときに「あゝ、また労力を課してしまった…。」と反省したとき(基本反省はしている)にフラッシュバックしてきた。そして「あゝ、良くも悪くも何も変わってないんだぁ」とも思った。

自分が演りたい事を愚直に進めようとすると絶対遠回りになる。「ここ曲がったらショートカットできるよ」っていう近道も実は知ってる。だけど近道は得てして最終的に得をしないことも知っている。今は得をするかもしれない。『今は』だ。アイドルという生業を続けている今はその方が楽な事もある。けど、その先、僕らとは関わらなくなっていった時の生き方を考えると今は遠回りした方がいい事もある。とか、メンバーより数年(数年)長く生活してると思うからそうしてしまう。大成するかしないかはまた別の話だし、それが良いか悪いかも別の話。

そう考えてみるとdubriseは、その仕組みを凝縮したカタチのような気がしている。『通常、アイドルとして生活する上においてそこまで必要とされていない成分を短期間で一気に詰め込まれた挙句に一夜限りの出しもの』まぁまぁのハイカロリー具合だ。今回はsituasionと初めてのdubriseだったので、本番当日は久しぶりに舞台袖で「まもなく出るよー、サン・ニー・イチ、はい!」と登場のタイミングを教える役でいたのですが(でも、ほぼその役の必要はないくらいみんな覚えてきた)、1曲ごとに袖に戻ってきては、次の繋ぎを確認したり、situasionに至っては5人体制初披露の曲もあるから、そではてんやわんやの大騒ぎ。

両グループとも月に10本以上ライブがある同士。それを何年も続けていれば、いい意味でルーティンになる部分もある。それが一切通じない環境、しかも相手の振り付けも覚えないといけない、失敗して相手のグループに迷惑を掛けたく無い。なのに負けたくない。みたいな緊張感のなかでグワングワン演ることの意味がきっと3年後くらいにあるんだよ。と思いながら袖にいたりする。

そのスリリングな緊張感と普段見続けてくださっている『ライブ』とは異なる『出しもの』に、観にきていただいた皆さんには概ね満足していただけたように思えたし、直接感想を言いきにきてくれたりとかして「やっぱ泥臭いままでいいなぁ、ていうかこれしかできないなぁ」とも思う。だからメンバーには「ごめんねワゴン」を贈りたい。たぶん、ヨロPも思想としては同じだからsituasionのメンバーにも贈りたい。


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