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漫才論| ³⁸漫才がうまくなりたいなら「相槌」を学べ‼️

「漫才のうまさは相槌で決まる」と言っても過言ではありません。もちろん,しゃべりや間(ま)やテンポのよさなど,ほかにもいろいろな要素が関係していますが,漫才の「うまさ」を語るうえで相槌はかなり大きな要素であるにもかかわらず,あまり語られることがありません


なぜあまり語られないのか

一つの要因は,うまい漫才師のうまい相槌は自然で目立たないからかもしれません。それをみても「なんとも思わない」「気づかない」ほど自然な相槌こそが,うまい相槌です

もう一つは,相槌は普通漫才台本に書かないということが関係しているのかもしれません。公開されている漫才台本を見ても大抵相槌は書かれておらず,まるで最初からないもののように扱われている相槌が注目されることはあまりありません

しかし,書いていないからといって,その漫才台本を相槌を入れずに演じてしまうと,驚くほど下手な漫才になってしまいます。漫才において相槌がいかに重要かがよく分かります

代表的な4種類の相槌

漫才で使われる相槌には普段の会話で使うものももちろんありますが,漫才ならではの相槌も結構あります

❶一番簡単な相槌
「はいはい」「ほぅほぅ」などの相槌を使うと漫才らしくなるのでおすすめです。ただし,使いすぎると変なかんじになります

A:昨日買い物に行きましてね
B:はいはい(ほぅほぅ)

❷相手のセリフをほぼそのまま繰り返す相槌
これも簡単でさりげない相槌ですが,漫才の中で何回か相手の言葉をほぼそのまま繰り返す相槌があると,より漫才らしくなります

A:昨日買い物に行きましてね
B:昨日買い物に   

❸質問をする相槌
質問は相槌ではないかもしれませんが,❹と比較するために挙げておきます

A:昨日買い物に行きましてね
B:どこに行ったんですか?
A:ホームセンターに行きまして

❹説明を加えて掛け合いのテンポを上げる相槌
質問の形にするとAが答えることになる内容を,Bが説明として話すことでテンポのいい掛け合いになります

A:昨日買い物に行きましてね
B:一緒にホームセンターに行きまして
A:結構混んでましたね
B:連休でしたからね

うまい漫才師の漫才は相槌がうまい

これらの相槌を使いこなすことができれば,漫才がグッとうまくなります。漫才をみる際にはぜひ相槌に注目しながらご覧ください。うまい漫才師の漫才はどれも,相槌がうまいです

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みんなで作る漫才の教科書とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです

THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」

フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた


あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】